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こちらこそ感謝感激です

今年も今日でおわり。 笙野頼子の活動を振り返ってみる。 01月 『萌神分魂譜』河出書房新社 04月 『だいにっほん、ろりりべしんでけ録』講談社 05月 短編「九条越え前夜と火星人少女遊廓の誕生」「論座」2008年6月号 09月 長編「海底八幡宮」「すばる」2008年10月号 12月 『おはよう、水晶――おやすみ、水晶』筑摩書房 三冊の新刊と新作長編「海底八幡宮」の文学誌掲載。 だいにっほん三部作が完結編が出版される年とあって、 京都大学新聞、エスクァイア日本版、論座の三つの雑誌で特集がくまれた。 そして6月前後にひそかに三つの講演が行われていた(らしい)。 さらに田中和生との論争がらみで「三田文学」に反論、六エッセイと活躍の一年。 追いかけるのに精一杯で、理解しているかまったく心許ない。 『おはよう、水晶――おやすみ、水晶』では創作の心境が書かれているし、 出たばかりの「Panic Americana」Vol.13に掲載された講演録では『萌神分魂譜』を解説している。 年明けは照らし合わせながら、再読することからはじめよう。

馬場秀和ブログで笙野頼子新作紹介記事

馬場秀和ブログでさっそく『おはよう、水晶――おやすみ、水晶』と講演録の感想が掲載されています。 どれもコンパクトに内容を紹介していてわかりやすい。 購入を検討されている方はぜひ読んで欲しい記事です。 『感情の本質、唯一絶対の他者(「Panic Americana vol.13」掲載)』 http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2008-12-20 『おはよう、水晶-おやすみ、水晶』 http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2008-12-23 とんでもない一行脱落を「ヒトトンボの仕業」とは洒落てます。 私は連載を読んでいなかったので、[お詫びと訂正]をみて ミステリを読む前に犯人をバラされた気分になりましたよ。 そして子供の時「オリエント急行殺人事件」のトリックをバラされたトラウマを思い出しました。 よりによってミステリー史上最高傑作をばらす奴があるか!うわーん!

「おはよう、水晶―おやすみ、水晶」が発売!

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Don Quixote BBS によると一行脱落があるそうです。 ��97頁3行目と4行目の間に一行ぬけているとのこと。 筑摩書房に お詫びと訂正記事 がでています。 さりげに発売日も「12月18日発売」に変更になってるよ…。 訂正の紙は入っていなかったけど…書店に並んでいる本には入っているんだよね? ----------18日追記ここまで オンライン書店で取り扱いが始まりましたよ。 ・ ビーケーワンの紹介ページ ・ e-honの紹介ページ ・ セブン&ワイの紹介ページ ・ Amazon.co.jpの紹介ページ おはよう、水晶―おやすみ、水晶」はPR誌ちくまの連載を書籍化した新刊。 ��連載期間は2006年6月号~2008年6月号。) ビーケーワンの説明によると「大幅な加筆・書き下ろし」が加えられているとか。楽しみ!

「ユリイカ」2008年12月号 特集 母と娘の物語

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「ユリイカ」2008年12月号 特集 母と娘の物語 を立ち読みしたら 『母の発達』を取りあげているコラムがありました。 【永劫回帰する 「母」】 母と格闘する娘たち。文藝ガーリッシュ的な九つの断章(千野帽子) 【母娘今昔物語】 『母の発達』 小論 娘は母の幻を支配するか(佐藤康智) 【資料】 母と娘の物語ブックガイド・小説篇(編=浅野安由) おすすめはブックガイド。短い文章ながら本質をとらえた素晴らしい解説。 キリスト教的にいうと母は神で絶対的な力をもつと始まって絶対的な母の支配は、内在的な力でなく近代構造的権力である…みたいな感じだったと思います。 「99%のカフカ的悪夢と1%のユーモア」(たった1%?)という文もおもしろい。 短い文章なのでぜひ立ち読みしてみてください。

「Panic Americana vol.13」に笙野講演録

Don Quixote BBS 経由の笙野頼子情報です。 慶応義塾大学巽ゼミ の年刊誌「Panic Americana vol.13」に 2008年6月3日に慶應義塾大学三田キャンパスで行われた講演「感情の本質、唯一絶対の他者」のテキスト版が収録されているそうです。 「海底八幡宮」で触れられていた「6月の都心の大学の講演」だと思います。 一部700円。 公式サイトから メールで購入申し込みできます。

おはよう、水晶―おやすみ、水晶 各書店の紹介ページ

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『おはよう、水晶-おやすみ』の書影がe-honに掲載されているのをPanzaさん経由で知りました。 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032178864&Action_id=121&Sza_id=LL Amazon.co.jpでは予約受付開始しています。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480804161/ セブン&ワイにも掲載されました。 http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32178864

毎日新聞12月11日夕刊に笙野頼子インタビュー

毎日新聞12月11日(木)夕刊に笙野さんのインタビュー記事が掲載されています。 帰りたい:私だけのふるさと 笙野頼子さん 三重県伊勢市 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081211dde012070015000c.html 新聞には顔写真も大きくのってます。 「帰りたい 私だけのふるさと」はゲストの故郷をインタビューするコラム。 前回は大岡信さんで、三嶋大社を身近な存在として気持ちの支えにしていたとか。 そのほのぼのした語りとは打ってかわって、今回は客観的にふるさとが語られています。  高校を出てから名古屋、京都、東京、と転々とし今は家を買って千葉にいます。転居するたびに自分の故郷を発見していきました。  京都と寺院の関係、江戸と首都の重なり、千葉では神仏習合がそのまま残っているのを取材したり、その度伊勢という原点に、気付かされることになった。 そういえば、私のふるさとは寺院のそばに神社が必ずありました。 いたるところにお地蔵様があって、小さい神社やお寺・教会も多かった。 それがフツーと思っていたけれど、違いました。 離れてみないと、わからないものです。  そこから宗教史と自分史を重ねた「金毘羅」などのような作品を書くようになり、ここ数年は特に、伊勢に育ったことが私を作家にしたのだと思えるようになりました。  これからもずっと、どこにいても伊勢を見ていようと思っています。 どこにいても故郷を見ていよう…とても印象深い言葉。 客観的にふるさとから距離をとっていながら、自分の奥深く故郷が根付いてると語る。 笙野さんにとって故郷はみつめつづける場所なんですね。

ダイアリー・家計簿コーナーを見るのが好き

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本屋さんにいくとこの季節、ダイアリーや家計簿が展示している。 たくさんあって、どれにするかまよっちゃいますよね。これが楽しい。 家計簿をつけるのをわすれてしまう、続かないという人におすすめなのが、この ポケット家計簿No.41 。 財布と一緒にもっておけば、いつでもどこでも書けるので便利。 一人の一日の買い物などそう多くはない。買ったそばから書き込んでいけばいい。 そういう家計簿なのだ。 そのために欄がおおきめ。あとで計算したり書き直しもできる。 これは個人の財布がいまいくらあるかを把握するためにつくられた「 わたしのお金ノート―節約生活(祥伝社黄金文庫) 」の形式をひきついだ家計簿。 文庫の家計簿とは面白い!とはじめたら5年も続いている。 ノートを最後まで使い切ったことがない、日記も三日続いたことがない私が。 スケジュールも書けるのが便利で、この三万円は何?というのこともない。 引き落としやクレジットの欄もあるし、うめていくと自然に週計支出、月計支出、年間の収支もできるスグレものだ。 とはいえ、もっていても書き忘れてしまうのが人間。 レシートもらえなかったときは、手持ちのレシートの裏にメモするようになった。 あとでみたとき思い出せるから。 自販機で缶ジュースを買ったときもメモメモ。 ペンを持っていないときは?誰かに借りればいいのだ。 意外に周りの人はペンをもっている。

四谷シモン人形館へ行く

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四谷シモン人形館・淡翁荘 に行ってきました。 昭和11年に建てられた鎌田勝太郎氏の洋館を改築してつくられた人形館は、 一階は落ち着いた和室、二階は重厚な洋室となっています。 「目前の愛1」は一階の倉庫の中に展示。後ろには金庫があるのです。 館内では四谷シモンが好きなニーナ・シモンの歌が流れています。 二階に上がる階段には「天使-渋澤達彦に捧ぐ」が置いてあります。 まるで建物の一部のように展示されている人形たち。 テーブルのある上の部屋では、エスプレッソが頂けます。 奥の白い部屋はトイレ。 ここにも人形が待ってます。 クラシックな洋室に不思議となじんでいます。 主の写真に当然のように両脇に立つ人形たち。 笙野頼子の『硝子生命論』にでてきた「死んでいる人形」というのがずっとわからなかったのですが、 シモンの人形をみてやっと実感できました。 生きている人間を模倣しながら、素材から作られた造形作品であることを隠さない人形。 完成品でありながら、欠けた部分をもつ未完成な人形。 まるで標本のように、ガラスケースに収納された人形。 どの人形も死んでいる。けれども、 完成された人形よりもずっと圧倒的な存在感を醸し出しています。 四谷シモンの人形は、写真でみると不気味で実物を見るのが恐かった。 でも実際は写真よりずーっと魅力的でキュートでした。

『おはよう、水晶――おやすみ、水晶』12/16発売予定

笙野頼子ファンサイト掲示板経由で新刊情報です。 PR誌ちくまで連載していた小説の書籍化がついに発売決定。 『おはよう、水晶――おやすみ、水晶』は12月16日(火)発売。 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/ 320ページで2310円!

「麻生首相のお宅拝見!」デモで警官が暴れる

以前 フランスで全国各地でおきたデモ をみて、 「日本の若者はなぜデモをしないのだろう」と夕刊で特集した毎日新聞。 「麻生首相のお宅拝見!」デモは喜んでとりあげると思っていました。 無届けデモ:ネットで首相宅行き呼びかけ 容疑の3人を逮捕 /東京 警察の発表を鵜呑みにして流しただけですか…。 「 麻生でてこい救援ブログ 」によると、渋谷駅から麻生首相宅へ歩いているとき いきなり警察官が襲いかかってきて拉致されたらしい。 デモに参加していた「雨宮処凜がゆく!」にはわかりやすい説明されている。 麻生の家に行こうと歩いただけで逮捕!!!!の巻 夏の洞爺湖サミットで行ったデモの時も機動隊が襲ってきたらしいとか。 信じられないメチャクチャな逮捕。の巻 この時もそのことは報道されなかった。 日本の新聞はなぜデモを正確に報道しないのか。 毎日新聞はそのことを夕刊で特集するべきですな。

猫駅長の「たま電車」デザイン発表!

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和歌山電鐵は「 いちご電車 」「おもちゃ電車」など面白い電車を走らせていることで知られています。 今日は来春デビューする電車のデザイン発表が行われました。 期待の新車両の名前は「たま電車」。 貴志駅に在宅勤務するスーパー駅長たまをモチーフにしたもの。 毎日新聞の夕刊に掲載された画像だと、 駅長たまイラスト をふんだんに盛り込んだキュートな外装になるようす。 よくみると窓の日よけまで駅長でいっぱい! たま駅長を電車にデザイン 和歌山電鉄貴志川線 -産経ニュース こちらは車内のデザイン画が駅長のうしろに写っています。 フォトニュース:「たまでん」ニャンともいいデザイン -時事通信 車内の車内吊りには「 スーパー駅長たまフォト&スケッチコンテスト 」で募集した作品を飾る予定だとか。 外はイラスト中は写真でいっぱいの「たま電車」、早くみたいな。 ↑ちなみに和歌山電鐵で たま写真集 を買うと駅長のサイン(風肉球型スタンプ)をもらえます。

栗原氏が永江朗に笙野ブスと29回書かせたと書いてある?

栗原裕一郎氏のブログ 9月29日の記事に笙野頼子の純文学論争の話が。 笙野頼子氏が純文学論争の本で、わたくしのことを「永江朗をして笙野頼子はブスだと29回書かせた奴」みたいに書いていましたけど、そういう事実はありません。だいたい永江氏にそんなことを指図できる立場にあるはずもなく(ちょっと考えればわかりそうなものだが)、そもそも永江氏とは一面識もないし。 おまえにハートブレイク☆オーバードライブ 2008-09-29 『〈盗作〉の文学史』増刷出来およびいただいた書評プラス永江朗氏にかんする二、三(「の事柄」と続けたくなるが寸止め) そんなこと書いてあったっけ?と『 徹底抗戦!文士の森 』を読み返してみました。 しかし「永江朗をして笙野頼子はブスだと29回書かせた奴」という文は見つけられなかった。 でもふたつ、栗原氏に触れていた部分をみつけることはできました。ひとつ目はこれ。  栗原氏は自分のブログで「新潮45」を引用していたものの活字でどのように対応したかは判っていない。「まれに見るバカ女」はその後抗議のあったものだけを削除して文庫化された。この女叩き本の続編で氏はその抗議をした女性作家についていわゆる泣き言を書いている。この人は女性の書き手を叩くことで名を上げると共に文学が判る(?)事をアピールしたいタイプの、西哲ライター(前述)である。文学嫌がらせ本の企画や、嫌がらせ特集には、始終顔を出すブログ界の有名人。笙野ブスと二十九回(永江氏が)書いた嫌がらせ本までも実はこの人の企画である。 『 徹底抗戦!文士の森 』 p40 「笙野ブスと二十九回(永江氏が)書いた嫌がらせ本」とは『 いまどきの「ブンガク」―瀕死の"純文学"から"やおいノベルズ"まで 』のことです。 奥付には 企画・構成 現代ブンガク研究会(栗原裕一郎・塚原尚人・宮島理) とありました。 もうひとつは、岡留安則氏の謝罪文掲載ページにありました。 ちなみに謝罪文とは笙野さんが以前「噂の真相」に捏造スキャンダルを掲載された時、編集発行人の岡留安則に訂正と謝罪を求めた時のもの。  謝罪文自体は被害の内容が具体的なので二次セクハラ防止のため今は一部ふせておきます。ところで件のニュー評論家永江朗氏は「ブス」という言葉を見開きで二十九回使った私の写真入り作家論の中で、私自身が小説

毎日新聞の文芸時評・9月に「海底八幡宮」

毎日新聞夕刊の文芸時評のトップに「海底八幡宮」評がのっていました。 毎日.jpにはアップされていないので掲載します。 文芸時評・9月 神話と物語 川村湊(毎日新聞夕刊2008年9月29日)  八幡神の縁起については、いくつかの説があるが、神功皇后の「三韓征伐」の際に海中から現れたアズミノイソラ(安曇礒良)を原初的な「八幡神」とする考え方がある。笙野頼子の「海底八幡宮」(すばる)は、この『八幡愚童訓』に見られる海神としての八幡神の神話を奔放に展開したもので、彼女のライフワークと目される日本の「天孫」による神話に対する闘争と、壮大な書き換えの作業の要石にも当たる作品のように思われる。  といっても、それはこちたき「疑似神話」の創成とか、神話の裏読みといったものではなく、名誉毀損の訴訟をすると脅すストーカー的な評論家との闘争や、「白山黒尼」との電話での攻防とか、「卑近」な現実的な登場人物とのやりとりもあり、また老猫との共同生活の日常を描く私小説めいた部分もあり、作品世界の多重性、多層性には事欠いてはいないのだ。  「亜知海」(両性具有のようである)という登場人物(神様?)の語る海底の八幡宮のイメージは、きわめて新鮮である。世界遺産である厳島神社は、海上に浮かぶ朱の鳥居と本殿が鮮やかだが、それをそっくり海底に逆さまに映し出したような趣のイメージだ。イソラ、山幸彦、隼人(の守護神)などの「天孫」族との戦いに敗れ、海の底に沈められたような神々の声が、雄々しく、あるいは女々しく響いてくる。「応神八幡」、すなわち「天孫」族との闘争心は、果敢であり、激越なものが作品世界の中に漲っている。  「八幡信仰については資料とまるで異なる読み筋や学術的でない造語がふくまれている」と作者自身は断りを入れているが、そもそも八幡信仰についてのテキストは、託宣集も含めてどれが正統的か判断を下せるようなものではなく、石川淳の「八幡縁起」の石神信仰の起源も含めて、可塑的、過渡的なものにほかならない。「海底八幡宮」は、「応神八幡」に収斂させてゆこうとする、現今の八幡宮の神社神道と、それを擁護する国家神道の野望に対する、激しい抵抗と反抗の姿勢によって際立っているのである。 普段のクールさと打ってかわって、こちらにも興奮が伝わってくる文章です。 「八幡神」を切り口にした解説で、「亜知海」と金毘羅の対話を分かりや

目が痒いよ

数日前に左目が赤くなった。痒い。 心当たりがありすぎて原因がわからない。 部屋が汚いからか、花粉症になったからか、前髪が短くしたからか、太ったからか…? ��太るとまぶたが重くなり、まつげが目に入ってイタタとなる体質) パソを打つのも辛いし、本も読めないし…。 「 大人も知らないお金のカラクリ フリーターになるとどうなるの? 」が欲しいのに… フリーターや100円ショップの仕組みなど、経済に関する素朴な疑問をマンガでわかりやすく解説してくれるらしい。 100円ショップが安い理由が知りたい~。 「 お金で死なないための本 いつでもカード、どこでもローンの落とし穴 」が面白かったのでこういう系がどうも気になる。 上のはクレジットカードはツケ払いと同じとか、キャッシングや消費者金融はなぜ簡単にお金を貸してくれるのかとか、数字にうとい私にもわかりやすい良書だった。イラストもかわいい。 今は「 財政のしくみがわかる本 」と「山伏」を読んでいる。 財政のしくみを簡潔な文章で解説してくれる。 シンプルでわかりやすく説明しているのに???となる自分のアホさにあきれる。 その上、目が痒いし挫折しそう。

「海底八幡宮」の感想記事

「海底八幡宮」の感想が馬場秀和ブログと笙野頼子ばかりどっと読むに掲載されています。 馬場秀和さんは作品のあらすじがコンパクトにまとめられていて分かりやすいです。 http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2008-09-16 笙野頼子ばかりどっと読むは作品のペースとなる神話に触れています。 http://d.hatena.ne.jp/Panza/20080908 笙野頼子のおっかけとして気になる点は、 60代に難解な仕事をする予定らしいこと。 「 千のプラトー―資本主義と分裂症 」をひとつずつ小説化していく決心をしていること。 とすると本作は「千のプラトー」シリーズ一作目になるのでしょうか。 一番印象的だったのは、金毘羅さんと亜知海がストレートに「権力とは?」を議論している場面です。 「 健忘が権力それ自体なのだ。 」 「 権力とは個人をゼロにする力 」 「 捕獲装置自体を自由に動かすために設定されたからくり。それが権力である。 」 という亜知海の言葉に目から鱗。 そうか、権力には理屈はないのか…。 代理出産のニュースを追いかけていて、私はずっと疑問でした。 依頼者はなぜ子どもを欲しがるのか? 生殖能力がなければ子どもは産めないという事実をなぜ受け入れられないのか? 本作を読んで納得。きっと理由はないのかもしれません。 代理出産は子どもを自作できない人の欲望をみたす「からくり」、 他人から赤子を「徴税」していく「捕獲装置」といえるのではないでしょうか。

「すばる」2008年10月号に「海底八幡宮」掲載!

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「すばる」2008年10月号 ( 7andY )に笙野頼子の新作長編「海底八幡宮」が掲載されました。 『 萌神分魂譜 』の続編らしいです。 昨日本屋にいったら、9月6日(土)発売だから月曜入荷ですと言われました。 前日入荷じゃないのかよ! テレビナビ は土日被ったら金曜に入荷してるくせに~。 今日やっとゲット!今から読みます。

ミルキィ・イソベ氏のトークショウ

笙野頼子の小説の装幀を手がけているミルキィ・イソベ氏のトークショウが パラボリカ・ビス で開催されているそうです。 8月31日(日)17時~ 飯沢耕太郎とイソベ氏のトークショー 9月12日(金)19時~ 豊崎由美とイソベ氏の対談 入場料はどちらも1500円。 作品集「 ブックデザイン ミルキィ流 」とセットで4980円とお得な前売りチケットもあります。

民間不妊クリニック団体が卵子バンク設立へ

秘密コメントくださった方へ こちらこそお役に立ててうれしいです。 夫婦以外の体外受精に、卵子バンク設立へ…不妊治療の団体 (2008年8月30日 読売新聞) 日本産科婦人科学会が夫婦間以外の体外受精を認めていないにもかかわらず、 知人からの卵子提供による体外受精を行っていた不妊クリニック団体の 「日本生殖補助医療標準化機関」が「卵子バンク」を設立することを決めたらしい。 卵子提供者の条件は三つ。 ・子どもを持つ35歳未満の女性 ・無償が条件(医療費とか実費除く) ・卵子提供者の個人情報は子供の誕生から80年間保管 生まれた子が遺伝上の母親を知る権利を保障するため 女が卵子を提供するvs男の精子提供 [ EP: 科学に佇む心と身体 ] によると卵子提供はリスクが大きいらしい。 一ヶ月間毎日ホルモン注射しなければいけないとか、腹に穴を開けて卵子を取り出す時すごく痛いとか。 子育てしながらできることだろうか。 韓国のES細胞関連であったような卵子提供強要が起きなければいいのだが。 他人の卵子で妊娠した場合、出産時に大量出血が起きる確率が4倍になると聞いた。 提供者、妊娠者(?)ともにリスクが大きいのではないだろうか。

資料室

インドで代理出産を行った日本人元夫婦の赤ん坊に出生証明書が発行された。 今日の朝日新聞にくわしい経緯が掲載されてわかりやすい。 依頼者は愛媛県の40代の独身男性医師 「今回のことは私が一人でやったことで前妻は無関係」 アメリカで代理出産を計画 独身では依頼できないと断られる インドでは独身でも可能ときいて調べる 2007年06月 インドで代理出産を依頼 卵子は現地で第三者から提供 2007年10月 日本で結婚 2007年11月 インドでインド人女性と代理出産契約を結ぶ→代理母妊娠 2008年06月 離婚 2008年07月 25日に女児出産 代理母を母親として出生届を出す→ 代理母は既婚者なので父親は依頼者でなく代理母の夫になる→ 日本大使館が養子縁組をすすめる→ インドでは独身男性は女児を養子にできない インドでは出生届は遺伝上の父母を記入する→ 卵子提供者は匿名ドナー→母親は空欄 ��月9日 出生証明書(親は空欄)発給 昨日の毎日新聞には別れた妻の話が掲載された。 <代理出産>元妻「同意していなかった」 インド女児問題  8月10日3時21分配信 ・インドで代理出産の書類に署名させられた  読む時間を与えられないまま署名を迫られ、後で同意書と知らされた。 ・夫婦のこどもと装う出生証明書の偽装のため再渡航を求められたが断った ・離婚の際「代理出産は私の意思とは無関係」と男性医師に書面で誓約させた 前日の毎日夕刊では「 男性は交際していた女性がおり、代理出産についても伝えた上で結婚 」とあったが、 今日は一転して二人とも無関係だと報道されている。 出国できない理由も、離婚して養子縁組できないから→ 出生証明書だせない(母親の名が不明だから)にかわっているし。 どうなっていくのだ、この事件。

夫が代理出産を強行したインド代理出産

代理出産:誕生前に離婚、女児出国できず 日本人夫婦、インド人女性に依頼 インドで代理出産によって生まれた子どもが、依頼者がいる日本にこられず困っている。 ニュースだけでは、なぜ出国できないのかわからなかった。 インド人代理母と日本人夫を両親として出生届をだせばパスポート取得して帰国できるからだ。 続報によると事情があって出生届がだせないらしい。  7日夜、インドの代理人から電話があり、「出生届には遺伝的な父母を記入することになっており、遺伝的な母は匿名の卵子提供者なので母の欄は空欄だ」と伝えられた。すると、父母ともにインド人でなくなるため、子どもはインドの市民権を得られず、「パスポートを得ることはできないだろう」とも言われたという。 代理出産の赤ちゃん インド市民権も困難 asahi.com 2008年8月8日13時28分  インド紙タイムズ・オブ・インディアなどによると、日本人の男性医師(45)と妻だった女性(41)は昨年11月、インド人女性と代理出産の契約を締結。夫の精子とドナーから提供を受けた卵子を体外受精させ、受精卵をインド西部アーメダバードの病院でインド女性の子宮に移植、今年7月25日に女児が誕生した。 インドの代理出産赤ちゃん 依頼の日本人夫婦が離婚で出国不可 産経ニュース 2008.8.7 20:10 日本人妻ではなく、誰かの卵子を使ってインド人女性に代理出産した→ 誰が母親かわからない→出生届がだせない→出国できないとなっている様子。 では日本人妻にすればいいと思うが、できない深い事情があったようだ。 インドでの代理出産の話(1) ぜろだまBlog 離婚にいたる経緯をまとめると… ・男性が結婚前からインド代理出産を計画 ・結婚してすぐ不妊治療 ・二ヶ月後に不妊治療でインドへ 妻の同意なしに代理出産行う ・代理出産は夫婦の同意が必要、妻は強引に同意させられた ・卵子はネパール人ドナーから提供? ・夫が日本人夫婦の子としてインドで出産証明書をだす考え ・妻は自分の実子になることを拒否→離婚 妻が自分で出産したいにもかかわらず、夫が代理出産を強行したということか。 これは離婚するのも納得だ。 妻らしき人の相談があったとブログで引用された「babycom」高齢出産VOICE掲示板をみていたら、突然削除されて閲覧できなくなった。 日本で報道された日に削除する

母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き

今日も暑いね。こんな時は涼しくなる本がいい。 「 母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き 」 ドメスティックバイオレンスや家庭内暴力の著書が多い、カウンセラー信田さよ子の最新刊。 墓守娘とは「もう結婚はあきらめたから、私が死んだら墓守は頼んだよ」という母親の言葉からきている。 団塊の世代は一人っ子や二人っ子が多い。 そうなると娘だけの家庭がふえ、マザコン息子ならぬマザコン娘が増えることになる。 そのマザコン娘を支配する母親像が紹介されている。 強烈な母親たちに血の気が引くこと間違いなし。 ��どんな母親がいるかは 目次を参照。ブログ主の話もすごい。 泣けてきます。) この本の悪母たちは娘が従順なのをいいことに要求しほうだい。 「いい学校に行け、いい会社にいけ、結婚して家を出ろ、子どもを生め、二世帯住宅たてたら同居しろ、介護しろ…。 毎週買い物につきあえ、食費を三万円から五万円に増やせ(!)、「ただいま」といえ、部屋をきれいにしろ、早く会社から帰ってこい…。」 とすごいのだ。 さらには娘の結婚相手を脅して泣かせる、結婚に反対して娘を監禁する話まで出てくると 逆に痛快になってきて「もう好きなだけ暴れてしまえ!」と思えてくる。 悪母たちに共通しているのは大量の要求をささやかな望みと美化していることだ。 本書に転載された「いま望むこと」という文によく表れている。  還暦を来年に迎えた私のささやかな希望は、能力と感性に溢れた美しい二人の娘たちが、いつまでも母である私と肩を並べて、軽やかに暮らしていってくれることだ。p70 ��略) やりたい仕事をして、時には私といっしょに旅行に出かける。週末は音楽会や演劇を楽しみ、そのあとでいつものイタリアンレストランで、感想を語りながらおいしいディナーを味わう。そんな生活を送っていくことの、どこが問題なのだろう。これが、老後に向けて私の望むことである。p71 団塊の世代で60代の私の「ささやかな希望」は、週末に演劇とディナー+時々旅行。 これあたりまえ。死ぬまで「いつまでも」よろしくね。 これのどこがささやかやねん。 どこが「いつまでも」「肩を並べて」「軽やかに暮ら」す生活やねん。 私は年に一度の親つれ旅行だけでどっと疲れるのに、 音楽会やら演劇やらに連れいかなあかんなんて考えただけでめんどくさすぎる。 それを「どこが問題なのだろう」って。 娘

騒ぎだ、騒ぎだ!祭だ、祭だ!「貧乏人の逆襲!タダで生きる方法」

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なんか面白いよこの本は。 「真っ当な生き方をしろ」とか「世の中のために」とかは金持ち連中の口車だ! 好きなことやって勝手に生きようぜ! そのための貧乏人階級サバイバル術実用書だ!どうだ、まいったか! という内容なのだ(その辺の主張は作者・ 松本哉の公式サイト へ)。 まずは衣食住を激安入手法から地域で激安で生きる法、 さらに公共施設を勝手につくる方法、なぜかデモや祭(という名の騒ぎ)をする方法まで書いてある。 このデモの章があまりにマヌケでおバカで最高に面白い。 まとめサイトもできてて、デモの様子が動画でみれる(下の方)。 http://www.arsvi.com/d/ar01.htm 映画にもなってDVDも発売している。→ 映画「素人の乱」DVD 自由に上映できる権利もついて1500円は安い。さすがだ。 あと巻末の作者年譜も面白い。最後まで楽しませてくれるのだ。

「文藝」2008年秋季号に笙野頼子のエッセイ

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「文藝」2008年秋季号 は長野まゆみ特集。 ��長野まゆみの公式サイト 通信販売部 の紹介がコンパクトでわかりやすい。) 笙野頼子のエッセイが収録されている。 小説「 小鳥の時間 」と対話し、リアル長野さんのことにも触れる内容。 長野さんは欲望で傷つけることを許さない優しいひとのようだ。 そして彼女を見つめる笙野さんの文も優しい。 優しい気持ちになれるエッセイだ。 ひとつ気になるのは「なるほどです」についている点々。なんだろ? あと私は、余裕のない本が大好きだ。

かわいい顔して苦労人「ドアラのひみつ かくさしゃかいにまけないよ」

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中日ドラゴンズのマスコットキャラクター・ドアラが書いた自伝本?? 「 ドアラのひみつ かくさしゃかいにまけないよ 」を読んでみた。 ドアラ画像が盛りだくさんな15の質問と回答集、森野選手や同僚のチアガールたちのインタビュー、広報担当・石黒さんの過去話など盛りだくさんで面白い。 漫画喫茶や地下鉄に行くところも名古屋らしくていい。 ドアラのこと何も知らなかったのに、すっかりファンになっちゃった。 名古屋ドームができて、ドラゴンズのホームになったとき、メインマスコットがシャオロンになって、ドアラはクビになるところだった。 でもファンの要望で残留することができたそうだ。 とはいえサブマスコット。 いつクビになるかわからない状態だから、バク転の数を増やしたり、マスコットショーでアピールしたり、お客さんに積極的に絡んだり?頑張ったそうだ。 まるでドアラは非正規労働者みたいに不安定な雇用状況なんだな。 シャオロンは正社員で、ドアラは派遣社員みたいな。 だからサブタイトルが「かくしゃしゃかいにまけないよ」なんだろうか。 そんな状態でこつこつ努力して人気を獲得したドアラは偉い。 だからドアラを正社員に、メインマスコットの一員にしてあげてほしいよ。

No title

大阪の西成署で暴動があったらしい。6月13~15日の3日間。 釜ヶ崎の日雇労働者たちが数百人あつまり、西成署が行ってきた差別と暴行へ抗議行動を展開したとか。 きっかけは労働者に対する刑事の暴行への怒りだ。 パトカーに乗せられた労働者は西成警察署の3階の個室に連れて行かれました。イスに座っていたら4人の刑事に変わるがわる顔を殴られ、紐で首を絞められ足蹴にされ、気が遠くなるとスプレーをかがされ、気がつくとまた暴行。挙句の果ては両足持たれて逆さ吊りにされました。 釜パト活動日誌: 釜ヶ崎の暴動 紐で首を絞めるなんて、殺す気か。 なんでテレビで報道しないのだろう。 大阪では報道されたのかも知れないが、私の地域ではまったくない。毎日新聞にも載ってなかったぞ。 CloseToTheWallさんの記事 で初めて知った。 そういえば、警官の暴行は報道されないみたいなことを「 視点をずらす思考術 」で森達也が書いていた。  路上で信者に職務質問をはじめた警察は、協力的ではない信者に業を煮やしたかのように突然暴行を加え、さらには失神した信者を公務執行妨害で現行犯逮捕した。p122 『A』が公開される直前に、加害されて逮捕された当の信者が、自分に暴行を加えた警察官と警視庁を特別公務員暴行陵虐罪で告訴した。一審の法廷はこの逮捕を不当と認めた。オウム側が警察を訴え、しかも勝訴するなど、まさに最初にして最後の出来事だ。しかし、僕の記憶では、ほとんどのメディアはこれを報じなかった。  二審では、すでに公開を終えていた『A』の映像が証拠採用された。筑波大学の教授がヒトコマづつ映像をチェックして、その最終的な結論は、「警察官は信者に腕を掴まれて引き倒されている」とのことだった(その分厚い鑑定書は僕の手もとにある)。つまり警官は加害行為をするどころか加害を受けているとの鑑定だ。よって二審は信者の訴えを退けた。p124 マスコミも筑波大学の教授も裁判官も警察の暴行を見逃すのなら、警官が暴走するのも道理だ。 捕まらないのをいいことに、レイプや殺人をくり返す在日米軍と同じだ。

『だいにっほん』三部作の書評 安藤礼二「時間のクリスタル」

文芸誌「 すばる 2008年 07月号 」のすばる文学カフェで、 安藤礼二さんが笙野頼子の 『だいにっほん』三部作の書評を書いています。 タイトルは「時間のクリスタル」。 「ろりりべしんでけ録」に収録された「特典映像」込みで、 主人公?金毘羅の今現在や今後の展開をわかりやすく紹介していて素晴らしい。 政治学や経済学や宗教学などすべて盛り込んで小説を書いている、という所がよかった。 笙野頼子ばかりどっと読む さんもすでにお読みになっているようす。早いなー。

沢野が乗ったユーカリが丘線の駅名を考えよう

山万ユーカリが丘線で「あなたが駅の名付け親!キャンペーン」をやってます。 25周年を記念して、駅名を募集しているそうです。 「だいにっほん、ろりりべしんでけ録」で沢野千本が乗っていたループ線で、 駅が6つしかないのですが、そのうち5つの名付け親になれるそう。 http://www.koarago.jp/mobile/pc.html 最優秀賞はオーストラリア旅行4日間ペアご招待ですよ。 締切は6月30日。いますぐ応募するしかない。 旅行の写真にオーストラリアと日本の写真があり、なぜか金閣寺が使われている。 富士山はよくみるけど、金閣寺はなかなかないなー。

『だいにっほん、ろりりべしんでけ録』あらすじ

(一){金毘羅の頭に蛇が三匹生えていた。 フォイエルバッハ『キリスト教の本質』を読んだからだ。 その影響で翌日天川弁財天と習合していたのだ。 蛇たちは「信号国際救助隊弁財天ナノレンジャー」という。 緑の蛇は、グリーンスネーク。桃木跳蛇(20代後半『レストレス・ドリーム』)だ。 赤の蛇は、撃退レッドスネーク。沢野千本(30代『二百回忌』)、 冷静イエロースネークはもちろん八百木千本(40代『説教師カニバットと百人の美女』等)という。 さらに体内には、みたこ天国がある。 それは『ドイツイデオロギー』を再読し、おんたこがみたこを乗っ取るのを目撃したことから始まった。 (二)フォイエルバッハテーゼにおけるマルクスのおんたこ化をみた金比羅は、 『ドイツイデオロギー』におんたこウィルスがついており、トロイの木馬のようにウィルス広がったのだと確信する。 判った以上実験をつづける必要はないと、みたこ救済にレンジャーを出動させる。 しかし八百木千本とは連絡がつかない。 一階におりると台所の床に分魂が生えている(『萌神分魂譜』)。なぜか野之百合子の姿に変化し空へ飛んでいってしまう。 (三)沢野千本は駅と広場をまわり調べる。 百合子コスプレ男達に聞いてもおんたこな発言ばかりで話が通じない。 桃木跳蛇と相談している時、突然天使たちが大量に押し掛け桃木の翼と習合する。2人とも超ビビる。 (四)八百木千本がようやく意識をとりもどす。 ウラミズモの病院にいた八百木は金毘羅と連絡をとりあう。 一方、広場ではみたこ復活祭は教祖・百合子が降臨せず延期になっている。 死者たちがいる沼際は荒れ始める。生者が死者をいじめ、死者がゾンビ化し人々を襲いはじめた。 そんな中みたこ復活祭がようやく開かれる。 沢野はユーカリが丘のループ状路線に乗り、回り続けている。 桃木は駅前のスタジオでドラムを叩く。 火星人少女(といっても18才)いぶきは火星人遊郭で殺された時のことを語りはじめる。火星人落語の語りで。 職員として面接したいぶきは、なぜか「卒業式」中の孤高愚弄之介に対面、気に入られたいぶきは美緒里の部屋で過ごすことになる。 ��日目に顔が光る顔がない臭い自称王子様に絞殺され、気付くと美少女に変成していた。 おんたこ達は死者の観察実験をしていたのだ。 「死者の変形はスーツ代がかからず、しかも少女で死んだものは年を取ら

笙野頼子「九条越え前夜と火星人少女遊廓の誕生」

「論座」2008年6月号に掲載された短編。 頭に生えた4匹の蛇と金毘羅さんの微笑ましい生活と、 孤高愚弄之助の子「多幸愚留之助」誕生秘話(笙野頼子著)、 実録「火星人少女遊廓の起源とその歴史」(八百木千本著)が書かれている。 「いかふぇみうんざり考」は「9条超え」をテーマにした護憲派から改憲派になる論畜の話もあると対談にあったが、「九条越え前夜」はその前夜祭的な話。 死にかけている孤高愚弄之助を物干炉理竹が捨てよう・でも捨てられないと困っていた。 困った物干炉を「救う」ために孤高は「多幸愚留之助」を作ることを提案する。 「悲願ノ九条を越えさせ」る大物に育ててほしいと。 ようするにタコグルメは孤高の代わりに作られたのだった。 ここでは、おんたこの生みの親、物干炉理竹の人格があきらかになる。 快楽のためにいくらでも他者を殺す自己チューな性格がこれでもかと描かれている。 実録「火星人少女遊廓の起源とその歴史」では、火星人遊郭は、三次元着ぐるみを着せた少女を虐待する場所だとわかる。 三次元着ぐるみをCGだアニメだ二次元だといって「合法化」したのだ。 その理屈付けがだいにっほん精神分析の全部で、その権威が等間舵郎。 三つに共通するキーワードは、ラカンと欲望。 ラカンは全く知らないのでウィキペディアをみてみた。 彼はセミナーで講義する人で、出した本は一冊だけ(しかも超難解)。 それ以外のラカン本は二次資料、他者のフィルターを通したラカンだ。 ということは、ラカン使いorラカンヲタをテーマとしているのかも。 そこまでは分かった。でも後はよく分からない。 ま・いいや、面白かったし。 キーボードをとりあうナノレンジャーはじゃれあう猫みたいでかわいいし。 あ、火星人少女遊廓はポルノはガス抜きという欺瞞・児童ポルノ法案の反論の変さを形にしたものなのかも。 私的には児童ポルノ法案の反論にはもやもやとした違和感を形にしてくれてスッキリ。 反論には被害者救済の視点がないんよ。自分のために反論しているだけ。 肝要なのは被害者を作らないために何をするべきかだ。まずそのためだけに知恵を絞るべき。 話がそれた。今回の好きなフレーズ。 「 生き生きと流れる生命の噴出は君のものに! 」@金毘羅 生命の噴出って…、排便だよね。ああ排便がこんな美しい表現になるとは。 「 人は諦念すると自己放棄しそこから分析を

「ブックデザイン ミルキィ流」05月21日発売

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ミルキィ・イソベ氏の装幀本が05月21日発売をmixi で知りました。 「 ブックデザイン ミルキィ流 」( セブン&ワイ ) B5変型判の大きめサイズで288ページ 3,990円!フルカラー??? サンプル画像では「だいにっほん、おんたこめいわく史」の装幀を紹介している。 装幀のイメージや作品へのアプローチなどが解説されているのだ。 知りたい!ミルキィ・イソベ氏がどんな風に読んでデザインしたのか知りたい! 他の笙野作品も紹介しているとうれしいなー。 笙野作品以外の装幀を見られるのも楽しみ。 これを機会にさがしてみたい。 ミルキィ・イソベ氏所属する「ステュディオ・パラボリカ」のサイトでこんなコメントが。 今、出版は問題を積載したままよたよたと走っている。一方では儲ければいいじゃん、という乱暴な出版もまかり通っている。 装幀家・菊池信義氏も毎日新聞で警鐘をならしていたし、佐藤亜紀氏も「 恐ろしい話を聞いて 」おられる。 そんなにやばいのですか、出版業界は。

『論座』2008年6月号笙野頼子エッセイ

『論座』2008年6月号エッセイ「三里塚、チベット、ネグリ、ドゥルーズ」をアップしました。  論争本2冊、批判14年、雑誌を追放されてまでやってきた私の「売り上げ文学論批判」がある日、「文学史から消えた」。敵方の売れない文化はだめだ、という「問題提起」だけが取り上げられ「過去に江藤淳がこう言った」という死者からの引用が「反論」に替えられ、生者の戦いは削除された。そんな新書を書いたのはある新聞記者だ。私か戦おうとすると、必ず「あなたは大きい存在ですから」と言って小物を相手にしないようにと説得した相手。ひどい事が起こると「くだらないからいやで」と報道しなかった。実は私のインタビューにある、ポパーの好きな記者の同僚である。 その新書とは、尾崎真理子著『 現代日本の小説 』(ちくまプリマー新書)ではないだろうか? 「三田文学」2008年春季号の表紙に笙野頼子のタイトル載せなかった問題。その時、論敵の目上である編集長はまず「スペースがない」として私のつけた副題を取らせた。が、再校で勝手に都合良い副題を付け(あまりひどいので3字だけ変えて貰った)、さらには断りなしにその勝手な副題の方で広告宣伝を出し、雑誌の表紙にもその題を載せた。 なんと、「徹底検証!前号田中怪文書の謎」に副題があったのだ。そして編集長は副題をとった。 これは「笙野頼子氏のタイトル表記について」では触れていない新事実。 タイトルを削った経緯が変わるじゃないか。 編集長 タイトルの副題を取る 編集長 タイトルに「田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」に答える」を入れて欲しい 笙野氏 「田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」を読んで 徹底検証!前号田中怪文書の謎」 雑誌作成の最終段階で表紙のタイトルから「徹底検証!前号田中怪文書」を削る(編集部考案のタイトルだけになる) 広告・公式サイトのタイトルが「田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」を読んで」になる ますます計画的犯行に見えてきた。

松浦桃「セカイと私とロリータファッション」

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「わたしたちに素敵なお洋服を!」 ロリータファッションとそれを愛好する人達を解説した良著、 松浦桃「 セカイと私とロリータファッション 」。 ロリータファッションのなりたちと歴史、発生した状況と思想の分析。 なぜロリータを選ぶのか、ロリータの楽しみ方、愛好者のインタビューなどなど総合的にロリータを論じている。 そして、子供を受け入れない社会、男性優位の抑圧的な社会へ鋭く批判する。 私たちは、日常生活を支配するさまざまな政治力から自由になりたくて、ロリータという祝祭を求めている。p185 女たちを切り刻もうとする親たちの欲求や男性の目、偏差値と闘う日々のなかで、「私は自分の理想のイメージと合致する私なのだ」という安心感が少女たちのもっとも強い味方になっているのである。p193 そうか、ロリータファッションとは、生きづらい社会から私を守るお洋服だったのか。 私が性的な視線がいやで大好きなジーンズをはくように、彼女たちはお洋服を着る。 全く違う服を着ても似てる。でも私は自分のためだけにファッションを楽しんだことはない。 もっと装うことを楽しんでみたくなった。 ロリータファッションの女性達の写真も豊富に掲載されている。 彼女たちのたのしそうな笑顔といったら!こちらまでたのしい気分になれる。 下着のレースすら嫌な私でさえ、ロリータ着てみたいかもと思ってしまった。 表紙のグレーのワンピースが一番好きだなと思っていたら、作者の持ち物だったよう。 作者のサイト Riddle Linda に写真集がのっていた。どれもかわいいのう。 彼女たちの悩みは、いつロリータを卒業するかだという。 私は卒業しなくていいと思う。だって林家パー子はいつまでもピンクだ。 少女とは勝手な生き物だから、永遠にロリータでいいんじゃない?

「三田文学」表紙に「怪文書」をのせない理由を考える

「笙野頼子ばかりどっとよむ」 反ネオリベ笙野頼子 に「三田文学」の表紙がふたつ並んでいる。 ぼーっとみてて気づいた。 「三田文学」2008年冬季号 文学閉塞の現状――笙野頼子氏に尋ねる 田中和生 「三田文学」2008年春季号 田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」に答える 笙野頼子 表紙だけ見たら田中和生が論争しているように見える。 笙野頼子が田中和生を批判しているってわからない。 これが「徹底検証!前号田中怪文書の謎」だったら、田中和生が誹謗中傷したって丸わかり。こりゃ載せられない、載せられない。 そこで「三田文学」の編集部はうまいこと考えた。 読者に分かりやすくなると編集部の考えたサブタイトルをつけさせて、サブタイだけを表紙に載せる作戦。 サブタイの提案にそんな作戦があるなんてさすがの笙野頼子もわかるまい。 抗議されても、ネットや編集後記の隅にでも訂正文いれればいい。そんなの誰もみてない。 著作権侵害・言論統制とかいわれても、アマチュア編集者が独断で暴走しちゃったゴメンネゴメンネっていえば済む。やったもん勝ちだ。 これで「三田文学」の名誉は守られるってわけ。 おっと間違えた、サブタイは「に答える」じゃなくて「を読んで」だった。

「怪文書」がタブーな「三田文学」(表紙)の言説空間

三田文学公式サイトに「 笙野頼子氏のタイトル表記について 」という文書がアップされている。 笙野頼子の「徹底検証!前号田中怪文書の謎」が掲載された「三田文学」2008年春季号が発売されたばかりだが、 なんと、笙野頼子に無許可でタイトルを削って表紙(広告・公式サイトトップページ)に掲載したのだという。 編集部の回答をまとめてみる。 タイトルを削った経緯をまとめる 1月10日「三田文学」2008年冬季号発行(田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」掲載) 1月10日に笙野氏から電話 まもなく笙野氏の原稿とどく(1月中か?)タイトルは「徹底検証!前号田中怪文書の謎-副題」 (※編集長タイトルの副題を取る) 編集部タイトルに「田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」に答える」を入れて欲しい 笙野氏「田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」を読んで 徹底検証!前号田中怪文書の謎」 田中氏は二・三度編集部を訪れる 雑誌作成の最終段階で表紙のタイトルから「徹底検証!前号田中怪文書」を削る(編集部考案のタイトルだけになる) 広告・公式サイトトップページのタイトルが「田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」を読んで」になる 4月10日「三田文学」2008年春季号発行 「タイトルを改竄したのではない」理由をリストアップ 「怪文書」という言葉を含んだタイトルは表紙に使えない 「田中和生「笙野頼子氏に尋ねる」を読んで」のほうが分かりやすい 「三田文学」の言説空間に笙野氏の選んだタイトル文字が合わなかった 回答への疑問 「注文は一切付けません」といったのにタイトルを削っていいのか? なぜ「三田文学」の表紙(と広告・公式トップページ)に「怪文書」が使えないのか? 表紙はつかえない「怪文書」を目次や本文に使っていいのか? なぜ笙野頼子に相談しなかったのか? なぜ2月3月中にタイトルを変えてもらうよう動かなかったのか? 編集者は表紙タイトルを変更する権限をもっているのか? 表紙タイトルを削る行為は「三田文学」の「あらゆる書き手への門戸開放と機会均等」というモットーに反するとは思わなかったのか? 結論 どんな理由であろうと、悪意があろうとなかろうと、著者に相談もなしにタイトルを削って掲載することは「改竄」だ。 「「三田文学」の伝統と価値観」に「タイトル文字が合わなかった」からと人のせいにするのはよくない。 追記。2007年5月18日 「

妊産婦死亡 公表されている人数より35%多い

2008年04月16日 NHKの夜のニュースで流れていた。 妊娠や出産が原因で亡くなる女性は、公表されている人数よりも35%多いことが、厚生労働省の研究班の調査でわかりました。妊娠や出産に伴って脳出血などを起こし、産婦人科以外の診療科に移されたケースが報告されていなかったためで、専門家は「母親の命を守るためには実態を正確につかみ、産科とほかの診療科が連携することが必要だ」と指摘しています。 平成17年の妊産婦死亡者数は62人+22人で84人。 妊娠や出産に伴う死因としては、大量の出血などのほかに、胎児や胎盤に大量の血液を供給するため、血管や心臓の負担が大きくなって、脳出血を起こすなどのケースがあります。 公表されている統計では、平成17年に全国で62人の妊産婦の死亡が報告されていますが、脳出血などで産婦人科から別の診療科に移された場合には、妊産婦の死亡として報告されないことも多く、実態を反映していないのではないかと指摘されてきました。 このため、厚生労働省の研究班は、平成17年に死亡した10代から49歳までの女性全員1万6000人余りを対象に、死亡と妊娠・出産との関係を詳しく分析しました。その結果、妊娠や出産が原因で死亡したとみられる人が新たに22人見つかり、公表されている妊産婦の死亡統計より35%も多いことがわかりました。 22人の詳しい死因は、 ▽脳出血やくも膜下出血が10人、 ▽心臓病が6人、 ▽肺の血管が詰まる肺そく栓が5人、 ▽大動脈りゅう破裂が1人でした。 調査を行った国立循環器病センター周産期科の池田智明部長は「日本の周産期医療は、これまで未熟児を救うことを中心にやってきて、母親の命を守ることに不十分な面があった。妊産婦に視点を当てた医療を進めるためには、実態を正確に把握したうえで、産科とほかの診療科との連携を早急に進める必要がある」と話しています。

ライフスタイルWoman360°タイプ別にみる働く女性の防犯対策

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毎日新聞の 働く女性の通勤時や自宅での防犯対策は。 で紹介されていた防犯ブック。 ライフスタイルWoman360°―タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ( e-hon には目次あり) イヌ、ネコ、ウサギ、ハトと四タイプにわけて、防犯するコツをまとめている。 コンビニでの公共料金の支払いは「レジに並んでいる時や支払時にのぞかれないように」 私もコンビニ使ってるけどそれは難問だな。

新潮 2008年05月号に笙野頼子エッセイ

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「新潮」 2008年05月号 ( 7andY )で、笙野頼子のエッセイが見開きで掲載されています。 タイトルは「三部作を終えてと三特集―近況という名の不透明ファイル」 雑誌「群像」における三部作の妨害(受難)と論争の経緯、三部作の反響など。 「三田文学」の春号に反論を掲載していること、 「論座」6月号に特集を予定していることなど。 いつも掲載雑誌を教えていただけるので、ファンとして助かります。 これからも頑張ってください。

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