投稿

6月, 2015の投稿を表示しています

講談社文芸文庫の電子書籍が期間限定値下(終了)

イメージ
講談社文芸文庫の電子書籍が値下げされています。
笙野頼子『極楽 大祭 皇帝 笙野頼子初期作品集』も794円に。
【追記:2015年7月15日で終了しました】
講談社BOOK倶楽部:『極楽・大祭・皇帝 笙野頼子初期作品集』内容紹介ページにもリンク貼っときますね。
本作は群像新人賞受賞のデビュー作「極楽」と「大祭」「皇帝」を収録した1980年代の初期短篇集。文庫版の後書き「著者から読者へ 八十年代の闇」も収録。
残念ながら文芸文庫名物の年譜や目録・解説は収録されていません。
でも著書のデビュー作がぐっとおてごろ価格で読みやすく。私もお勧めしやすくなって嬉しいです。

そして、「極楽」の群像新人賞で審査されてた藤枝静男さんの文芸文庫『悲しいだけ 欣求浄土』『田紳有楽 空気頭』も680円とお買い得になってます。

『現代小説クロニクル 1990~1994』の感想

kingさんが講談社文芸文庫『現代小説クロニクル 1990~1994』の感想を書かれていますよ。
日本文藝家協会編 - 現代小説クロニクル 1990-1994 後藤明生再読「十七枚の写真」笙野頼子再読「タイムスリップ・コンビナート」 - Close to the Wall
そういえば、鷺沢萌さんの収録短編よんで、90年代トレンディドラマとか学園マンガも当時そんな風だったなと懐かしく思い出しましたよ。
そして後藤明生再読「十七枚の写真」と笙野頼子再読「タイムスリップ・コンビナート」。
今読んでもとても不思議な作品で、誰とも「マグロともスーパージェッターとも分らない」存在から、海芝浦駅へ行け、といわれて、「イラッシャイヨ……」とマグロの声が聞こえて行くことにする、という無茶な展開のままに電車を乗り継いで海と東芝に挾まれた駅まで行ってしまう。もう、マグロからの声を聞いたから行かなければならないわけだ。

つまり、恋はただ「そこにあるだけの」、恋だったから。204P

そうだとすればものすごい変則的な恋愛小説だとはいえて、不可能な恋愛を描いたものでもあるということなら、『硝子生命論』『水晶内制度』の系列の作品の一つ、ということなんだろうか。マグロの目玉、海、というキーイメージは、確かに、そうかも知れない。なるほど。私は新シリーズ小説神変理層夢経の荒神っぽいかなーと思いました。
なぜかというと、この本の「タイムスリップ・コンビナート」の底本は河出文庫『笙野頼子三冠小説集』(2007年)なのですが、著者あとがきp250にこうありまして。
例えば、「タイムスリップ・コンビナート」に出てくるマグロ、当時はわけの判らない恋愛めいた感じ、という意識だったのだが、今はこれを近代が覆い隠してしまった宗教的感情のあらわれと考えている。マグロは神仏なのだと。当時の私はマグロと主人公の恋について、「源氏物語の姫君が景色に恋をしているような恋愛をする」と捉えていた。しかし今となっては解釈が違う。「宗教的感情を伴う自我が、自らの感情を対象化し、神をつくりだす、姫君はそのような経済的、宗教的背景の元で景色に恋をしたのだ」という事になる。要するに源氏物語の作者は唯物史観など知らなくても使わなくても、心と言葉を使って、それも仏教的無常観を以ってマルクス主義が感知できぬ部分を書いていたと思うのである。飛躍の面白さ、感…