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『日本のフェミニズム since1886 性の闘い編』に笙野さんのインタビュー

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北原みのり編『 日本のフェミニズム since1886 性の闘い編 』に、笙野頼子さんのインタビューが収録されています。 河出書房新社から12月20日発行。( 河出の内容紹介ページ ) 表紙と扉の写真は石内都。 本書では、1886年から女性の性平等を求めた運動をまとめています。 第1章で現代までのフェミニズムの流れを三浦まりが解説。 第2章は日本の公娼制度を廃止を求めた廃娼運動を小野沢あかねが解説。 第3章は敗戦直後から売春防止法成立の流れを細金和子がまとめています。 (知らなかったよ、買春者処罰する法案が通らなかったなんて…) 第4章で戦後から現代までのリプロ(性と生殖関連の健康と権利)運動を谷口真由美が解説。 第5章では、レズビアン運動史を70年代若草の会から現代まで沢部ひとみがまとめています。 (全く知らなかったので、勇敢な活動に目から鱗、胸熱) 第6章は性的自己決定権をめぐる80年代の戦いを北原みのり解説、 第7章は「AVの中の性暴力を告発する」は、バクシーシ山下の本の絶版を求める運動からAV出演被害を考える運動PAPSへの発展を宮本節子がまとめています。 売春・ポルノ・出産にしろ、女性のセックスが経済的に搾取、暴力に晒されていることがよくわかる。 コラムでは、「「慰安婦」問題と韓国のフェミニズム」古橋綾、大橋由香子は優生保護法の問題をまとめ、女子中高生をサポートする仁藤夢乃は現代のJKビジネスや児童買春を批判。弁護士の太田啓子は刑法の性犯罪規定改正を解説。 エッセイに柚木麻子と松田青子。ブックガイドや略年譜もついて便利。(敬称略) 笙野頼子さんのインタビュー「「フェミニズム」から遠く離れて」の聞き手は小説ファンでもある北原みのりさん。 本書の内容を聞かれて、 ーー性の戦いをしてきた女性運動についての本です。 明治以降、例えば、公娼制度に抗い、一夫一婦を理想として戦った女性の運動や、その歴史的な背景を、次世代につなげていきたいというのが出発点です。というのも、廃娼や売春防止法に向けて戦ってきた女性運動に対して、90年代以降のフェミニズムが近代批判をするあまり正当な評価をしてこなかったことや、買春する権利を絶対手放さない日本社会への批判的な言説が弱まってしまっていることに、危機感を持つからです。 なぜ笙野さんが呼ばれ

北原みのり編『日本のフェミニズム』に笙野さんインタビュー

12/20発行の北原みのり編『 日本のフェミニズム 性の闘い編~1886~ 』河出書房新社の目次によると、 笙野頼子さんのインタビュー記事「「フェミニズム」から遠く離れて」が掲載されています。 日本のフェミニズム :北原 みのり|河出書房新社 【目次】 はじめに 北原みのり 1.日本のフェミニズム――女性たちの運動を振り返る/三浦まり 2.廃娼運動――はじめての「性の戦い」/小野沢あかね 3.売春防止法――性の搾取から女性を守りたい/細金和子 4.リプロ運動――女性の身体にまつわる権利を考える/谷口真由美 5.レズビアン運動史――女と生きる女/沢部ひとみ 6. 性の自己決定をめぐる80年代の戦い/北原みのり 7.AVの中の性暴力を告発する/宮本節子 【フェミニスト図鑑】 矢島楫子/佐々城豊寿/林歌子/森光子/ガントレット恒子/久布白落実/早川かい/市川房枝/兼松佐知子/森崎和江/佐々木靜子/若草の会/リブ新宿センター/ウルフの会/松井やより/高里鈴代/柴原浦子/加藤シヅエ/志賀暁子/高橋喜久江 【コラム】 避妊や中絶をめぐるタイムトンネル 大橋由香子 「慰安婦」問題と韓国のフェミニズム 古橋綾 「買われた」少女たちを支援する 仁藤夢乃 刑法性犯罪規定問題点と今後の改正について 太田啓子 【インタビュー】 「フェミニズム」から遠く離れて 笙野頼子 【エッセイ】 シスターフッドが信じられない人へ 柚木麻子 彼女たちに守られてきた 松田青子 【ブックガイド】女性運動・フェミニズムをより知るためのブックガイド 略年譜 本書は、廃娼運動・売春防止法・リプロ・レズビアン運動などをフェミ的に解説したガイドブックで、 大橋由香子・古橋綾 ・仁藤夢乃・太田啓子さんらのコラムや柚木麻子・松田青子さんらのエッセイも収録されています。

群像2018年1月号に笙野頼子エッセイ

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12/7発売の 「群像」2018年1月号 に笙野頼子さんのエッセイ「九月の白い薔薇──ヘイトカウンター」が掲載されています。 公式のもくじ: http://gunzo.kodansha.co.jp/50516/50521.html 早速、馬場秀和さんの感想に内容がまとめられています。 『九月の白い薔薇――ヘイトカウンター』笙野頼子:馬場秀和ブログ エッセイは9/1に関東大震災朝鮮人虐殺慰霊祭に参加された話。 東京都知事が恒例の朝鮮人犠牲者への追悼文を拒絶し墨田区長まで追悼文を断った影響か、慰霊祭に「新種の嫌がらせ」が行われると知り、墨田区横綱町公園の慰霊祭にヘイトカウンター+取材に行った様子が描かれています。 しかも結局なかったのかと思い込んでいた法事、言われて言ってみると、すぐ裏でまだやっていた。女性団体というが、黒服の男性が取り囲んでいて虐殺を相対化する立て看がある。見えない位置でまだしもよかったのか? そちらの法事は産経以外取材お断りだって。後からその動画をみると花もあまりなく、人数は圧倒的に少なくって、般若心経を読む間にお参りも終わったかも? きつい声の挨拶、恥な「資料」の読み上げ。そうこれこそは法事の本質を失った、人を騙すための冷たい捕獲装置。 なるほど、寒々しい法事だとよくわかります。 リテラには立て看の写真が載っていました。 ・ 関東大震災朝鮮人虐殺を否定する在特会系ヘイト団体の集会に政治家も参加!「虐殺は正当防衛」とトンデモ主張|LITERA/リテラ 朝鮮人虐殺慰霊祭の経緯はこちらお記事がよくまとまっています。 ・ <関東大震災朝鮮人虐殺94周年>小池都知事の追悼メッセージ拒否をめぐって(上) – アジアプレス・ネットワーク ヘイトカウンターで白い薔薇を持っていこうというツイートはこれかな。 ・ Leon(書かずに死ねるか)さんのツイート 五月に猫をなくして立てなくなった。それでも八月の始めに本を出した。本の表紙にした亡き猫の顔は、戦争を止めるよ、とロックな眼差しで訴えている。ヘイトと経済収奪と戦争は三位一体、と主張するこの新作には、「さあ、文学で戦争を止めよう」という「あんまりな」題名をつけてしまっていた。すると、…… ひょうすべのご指導が入るわけです。 エッセイでは今年一年の活動がまとめられています。 五月にギ

赤旗10/25(水)「市民と野党の共闘 さらに 総選挙結果うけて」に笙野さん寄稿

しんぶん赤旗2017年10月25日(水)「市民と野党の共闘 さらにー総選挙結果うけて」の三者コメント記事に笙野頼子さんが寄稿されています。広渡清吾さんと孫崎享さんも。 公式サイトで全文アップされていますよ。 市民と野党の共闘 さらに/総選挙結果うけて 追記)総選挙の結果をどうみるか、識者の方々16名の意見をまとめたページができていました。 総選挙結果どうみる - 「しんぶん赤旗」 総選挙結果うけて 市民と野党の共闘さらに/善意は権力を脅かす/作家 笙野頼子さん 善意は権力を脅かす 作家 笙野頼子(しょうのよりこ)さん 共産党の議席は減り自民は勝った。だけど安倍首相は笑ってはいない。当選者の名前に花を付けていても、妙におとなしい。 選挙直前の演説で触れるほどに、権力は野党共闘をこそ恐れている。怖いのは立憲民主党の数ではなく、共産党の献身。普通あり得ないその戦略である。他党のため覚悟して身を削って、それで議席を減らしても相手を祝福し、感謝している。金で買う五輪に感動するより、降りた候補と支えた運動員のために泣けと言いたい。 「けなげ」「かわいそう」というツイートも目立つ、ひたすらの善意は権力を脅かす。 今の共産党は全ての野党にとり、どの組織よりも怖く頼もしい支持母体だ。数字を見て惨敗とだけ報道して、経過と真実をひた隠す大メディアよ、ひたむきさを冷笑し共感を踏みにじる、そんな国でいいのか? 「積極的棄権」の中、このまま戦争になり地獄になるのか? でも私ももうしばらく抵抗しよう。共産党にのぞみをつないでいこう。 野党第一党が希望の党にならずに済んだのは、共産党が野党共闘でがんばったからですよね。

赤旗10/20(金)「総選挙2017 今言いたい」に笙野さん寄稿

しんぶん赤旗2017年10月20日(金) 3面のコラム「総選挙2017 今言いたい」に笙野頼子さんが寄稿されています。 もうツイッターにアップされています。 ◇『生活から世界情勢まで、ここ(共産党)の言うことは一見遠目なので誤解される。しかし実は中道と穏健をめざした正解である。「自民と希望ではどっちも失望だ。保守なので危険しかない」と悩む方々、頭が固すぎる。投票に行きたいなら、良い中道があるよ。』作家笙野氏 赤旗より  #比例は共産党 pic.twitter.com/y1IyoDUVQQ — unane(共謀罪は廃止!) (@unane1) 2017年10月20日 ブログに載せてる方もおられます。 総選挙 2017 今言いたい が輝いている 赤旗から: 暖かさと希望を届けたい #akahata 総選挙2017 今言いたい これこそが最良の選択/作家:笙野頼子さん・・・今日の赤旗記事 - (新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々 赤旗の記事は即日ネットにアップされますね。そのフットワーク、私も見習いたい。

週刊金曜日10/20号に「猫キッチン荒神」著者インタビュー

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週刊金曜日2017年10月20日(1157)号の特集「抵抗する文学」に笙野頼子さんのインタビューが掲載されています。 特集:民主主義かファシズムか|週刊金曜日公式サイト 『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』笙野頼子インタビュー 「小池百合子という人は、怒れる女性や反原発を『捕獲』して人々を騙す。人間の皮を脱いだら人喰い鬼の正体を現すだけです」 (聞き手・伊藤氏貴)、 『R帝国』中村文則インタビュー 「選挙の結果次第では、たぶん日本は見たこともない景色を見ることになると、僕は思います」 (聞き手・伊藤氏貴)、 『闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日』池内紀インタビュー 「トーマス・マンは決して情報を鵜呑みにしなかった。情報が安直に手に入る今、その集め方には『自分の流儀』が必要です」 (聞き手・倉本さおり)、と豪華ラインナップ。 笙野さんはトップバッターでp26〜28に掲載されています。 で、今から私が言いたいのは外国と戦争して、勝つか負けるか、もちろんそれも大変おそろしい事ですが、国内で弱い者を喰うのが戦争だと言うことです。その上戦争自体もそこに至る道も大変見えにくい。一言でいうと偽物が本物になり変わる時代なので。 ドゥルーズ/ガタリが使っている「捕捉装置」という概念があります。これを使って少しお話します。『千のプラトー』のドゥルーズはこの捕獲装置を貨幣に関してしか使わないんですけど、私は「だいにっほん三部作」(『だいにっほん、おんたこめいわく史』『だいにっほん、ろんちくおげれつ記』『だいにっほん、ろりりべしんでけ録』)で、ずっとテーマを拡大し追求してきました。「捕獲」とはどういうことか、まず、一つの本質的な存在があります。反原発であってもフェミニズムであっても、小さい集団などがあって、それがまず一見小さくともガチな切実なことを語る。そうすると必ず、偽物が出てきて似たようなことを叫ぶ。その時には、そっくりながらも曖昧で参加しやすい大きな仕掛けを作るんです。その中へだまして参加させた人を全部取りこんで、「こっちこそ本物だ」という。元の小さい団体の方は潰れてしまいますね。すると偽物は反原発でもなんでも、そこで止めちゃうんですね。 最近で言えば、小池百合子という人は、それを実にうまくやった人です。前の選挙の時は、フェミとい

赤旗日曜版10/8に「猫キッチン荒神」著者インタビュー

しんぶん赤旗日曜版10月8日号29面「読書のページ」欄に、笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』が紹介されています。 http://www.jcp.or.jp/akahata/web_weekly/2017/10/08-week/ 著者インタビュー&写真付き。でも小説タイトルに「猫キッチン荒神」が抜けています…。 「『さあ、文学で戦争を止めよう』というのは世界中の戦争を止めてみせるよ、ということではないんです。マスコミが書かない危機を、それぞれ得意なもので告発しようということ。歌手は歌、カメラマンは写真で止める。私には文学しかないから、『さあ、文学で戦争を止めよう』」 これは本編で書かれている主張の一つですね。 「猫を飼うようになってから文学賞が続きました。猫たちと共に喜び、泣き、怒ってきた。だからこそペットロスはつらい。同じ体験をした人たちと一緒にロスを克服できるよう、何か描こうと思っています」 新作はペットロスがテーマになるのでしょうか?楽しみです。 「猫キッチン荒神」を宣伝されてる平林堂書店さんが記事をアップされています。 しんぶん赤旗日曜版10月8日号「読書のページ」欄に、本書(『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』笙野頼子著 講談社から税別1,900円)が紹介されています。 「作家・笙野頼子さん 嫌われても書きたいこと書く・もっと危ない安倍政権を嫌えよ」 pic.twitter.com/DU4Zg5bTM1 — 平林堂書店・上田市 (@ririnndesu) 2017年10月7日

「猫キッチン荒神」ポスカプレゼント&著者コメント

文芸誌「群像」のTwitter公式アカウントで、笙野頼子さんのコメントが公開されました。 何と『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』にある読書ハガキで応募された方から、先着10名に「飼猫ギドウポストカード」をプレゼントされるそうです。先着順なので急いで送りましょう。 <笙野頼子さんより、近況報告とお知らせ>(連続ツイートします) 読者の皆様 ご無沙汰しております。この五月にギドウと別れてからは呆然としながらただ義務を果たしてきました。 しかし百か日も越え、今は次第に元に戻っています。 https://twitter.com/gunzo_henshubu/status/912963458081030144 <笙野さんより>2 ペットロスの中、保護猫のごくささやかな支援や写真の整理は悲しみの軽減に役立つものでした。 少し落ちついてからギドウを好きだった読者と自分のためにはがきを作りました。 とはいえ、直後には何もできなかったので刊行よりもずいぶん後になりました。失礼いたしました。 https://twitter.com/gunzo_henshubu/status/912963540499128322 <笙野さんより>3 最初はどこに置くかもわからずとりあえずツイートしてくれた書店さんにだけ、反戦ポップと一緒にお送りしました。 今度、追加して読書カードでもお送りできるようにいたしました。というのもギドウのために泣いてくれたツイートを見出したので。顔文字でただ、泣いていたのです。 https://twitter.com/gunzo_henshubu/status/912963576058462208 <笙野さんより>4 むろん、少数精鋭読者のためのものですので、まことに少部数しか用意していません。 まだまだつらくはあるのですが、写真を撮っておいてよかったと思います。 私たちは毎日幸福に暮らしていました。 そしてもし今からまだ猫が飼えるのならその猫を守りたい。無事にみとりたい。 https://twitter.com/gunzo_henshubu/status/912963663983554560 <笙野さんより>5 拙作に書きましたようにヘイトと戦争は表裏一体。 本の片づけを少しすると全身痛で寝込むという毎日ですが、今

『猫キッチン荒神』もKindle50%pt還元セールに

講談社のKindle50%ポイント還元セールで、笙野頼子『猫キッチン荒神』他14作品が50%pt還元対象(837pt)になってました。 Amazon.co.jp: 笙野頼子: Kindleストア ・『猫道 単身転々小説集』 ・『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』 ・『小説神変理層夢経 猫未来託宣本 猫ダンジョン荒神』 ・『未闘病記』 ・『幽界森娘異聞』(文庫) ・『だいにっほん、おんたこめいわく史』 ・『だいにっほん、ろんちくおげれつ記』 ・『だいにっほん、ろりりべしんでけ録』 ・『てんたまおや知らズどっぺるげんげる』 ・『ドン・キホーテの「論争」』 ・『居場所もなかった』 ・『なにもしてない』(文庫) ・『増殖商店街【復☆電書】』 ・『極楽 大祭 皇帝 笙野頼子初期作品集』 以上が対象作品。セールは9/22~28まで。 9/22に配信されたばかりの『猫キッチン荒神』がポイント還元とは太っ腹。だいにっほん三部作や初期作品も入ってて、まとめ買いしたくなりますな。

週刊読書人9/22号と赤旗9/17(日)に「猫キッチン荒神」書評

・書評専門紙「週刊読書人」 2017年9月22日号(3207号) 5面に友田健太郎さんの『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』書評が掲載されました。 その書評が9/18付で「週刊読書人ウェブ」に全文公開されました。太っ腹ですね! 友田健太郎「静謐な印象の読後感 多くの女性たちに送る連帯のあいさつ」『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』書評|週刊読書人ウェブ 圧巻は作者が幼いころからの家族との生活を振り返る場面である。かつて女性として初めて共学化した国立大学に入学した母、会社を立ち上げ成功させた父、今は名医となっている弟。作者については言うまでもない。一人ひとりが人並み外れたものを持つ家族が集う食卓は、それゆえにか、いたたまれないような自我の衝突の場となっている。 中でも母親の存在は深い痛ましさを感じさせる。大きな庄屋の跡取りの座を捨てて父親と結婚した母親は、料理に打ち込み、当時珍しかった西洋料理を自力で再現し、地域の主婦に広めていた。誇り高く常に上から目線でものを言い、しかし他人には慕われていた。そんな母の作る手の込んだ料理を常に否定する父。両親の狭間にあって緊張を強いられ、双方から感情をぶつけられる作者。語られるのは一つの家族の歴史ではあるが、戦後日本の家庭が女性にとってどういうものだったかを鮮やかに照らし出している。 父親が留守のとき、母親は父親が嫌うハンバーグなどを作ってくれたという。「女が閉じ込められる場所とされる台所」で、母親は作者に、二次方程式から古い映画の粗筋まで、あらゆる知識を授けてもくれた。「ここで生まれて消えていくかけがえのない感動、いや、消えない、私が覚えているから」。生命の糧が日々作りだされる台所。多くの夢をはぐくみ、封じ込めもする台所。親が子に、多くを伝える台所、同時に、一人が一人でいることもできる台所。 多くの女性が台所で過ごした時間、積み重ねてきた思いは、数字に換算することはできない。だからこそ作者は、台所をグローバル資本主義への抵抗の拠点として位置づける。それは私的な領域に封じ込められて生きる多くの女性たちに作者が送る連帯のあいさつなのだ。 確かに金毘羅の家族は人並み外れた人ばかり。その視点はなかった。目から鱗。 そして家族との台所の話はまさしく友田さんの説明通りで、ここまできちんと解説した書評はな

9/22「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」電子書籍配信

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笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』が電子書籍化。9月22日に配信予定です。 (ギドウさんつながりで『未闘病記』と並べて見ました) Kindle版 は1,674円、 iBook版 は1700円。 電子版がようやく配信、ずっと待ってましたよ!

日経8/31夕刊「目利きが選ぶ3冊」に猫キッチン荒神

日本経済新聞2017年8月31日夕刊 文化16面「目利きが選ぶ3冊」に『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』が紹介されています。  愛猫のために戦争を止めなければ。でもどうやって? 小説家は筆を執る。目の前の現実を描くために。 止められるかどうかよりも、止めようともしない方が嫌。笙野さんの声に耳を傾ける。 批評家・陣野俊史さんより読むべしの星4つ頂きました! あわせて、古川日出男『非常出口の音楽』、上田岳弘『塔と重力』を紹介。 そして、いま書店に行くと「猫キッチン荒神」に、飼い猫ギドウのポストカードや著書手書きメッセージとか展示してあるらしいですよ。要チェック! 笙野頼子さんの新刊『さあ、 文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』をツイートなどで応援してくださっている書店の皆さま、ありがとうございます。笙野さんの手書きPOPやポストカードをお送りしました。よろしくお願いします。 pic.twitter.com/UsPEeoBj3s — 群像編集部 (@gunzo_henshubu) 2017年9月1日 千葉県S倉市内に御在住の大作家、 笙野頼子先生より、大変素敵なメッセージを頂戴致しまた。 笙野先生、ありがとうございます! 最新刊『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』(講談社) 地元書店の担当者として、ゲキ推し致しますっ!! pic.twitter.com/DTChQ6f1Le — ときわ書房志津ステーションビル店 (@shizu18986354) 2017年9月1日 ポストカードの端の方に写ってるのは、ギドウの肉球ではないだろうか?

GINZA9月号ブックワームの部屋に「猫キッチン荒神」

20周年を迎える東京発モード誌「GINZA」2017年9月号の、木村綾子さんのブックワームの部屋 今月読みたい珠玉の3冊に笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』が紹介されました。 あわせて、戌井昭人『ゼンマイ』、佐久間裕美子『ピンヒールははかない』を紹介。 ginzamag.com/archives/30453 公式サイトにも全文公開されており、ネットで読めます。ありがたい。 〈あのなあ、あんたさんら、たかが時代を恐れて、黙っていて、どうするんさ。〉S倉市の高台にある家の台所から、猫荒神と著者の掛け合いによって語られるのは、〈「平穏」の中に隠された国難の有り様〉。TPPへの危機意識、右傾化する政権、難病患者を逼迫させる薬価上昇、家差別……。〈蓄えよ、冷凍せよ、そして資本主義から逃走せよ〉社会状況と生活とが直結する台所からの訴えに、危機迫る日本の現状があぶり出される。 数行に内容をコンパクトに紹介していて素晴らしい。「千とプラトー」も押さえている所もGoodJobです。

群像9月号に木村紅美の『猫キッチン荒神』書評

群像2017年9月号 に木村紅美さんの『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』書評が掲載されています。 しかも群像公式サイトに全文公開されているのです。これは読むしかない。 他者への想像力の大事さ(『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』笙野頼子)木村紅美  昨年の七月、住民百五十人ほどの高江には、全国から動員された五百人もの機動隊が押し寄せ、座り込みテントは強制撤去、負傷者も出た。高江の人はよく「高江で起きることは、いずれ東京や全国でも起きる」と言う。本書では、人喰いはまず沖縄から丸飲みにする、と繰り返し書かれる。この国の舞台裏に巧妙に隠されてきた恐ろしいことは、今やじわりと、見えやすい場所に広がりだしている。  今の時代を小説にする難しさ、ほんの一部に集中する大きなお金のために人間が踏みにじられてゆくことへの怒り、持病である膠原病の苦しみを書きつつ、作者は、日々の生活に楽しみを見出す。ドゥルーズの相棒ガタリの概念から、リトルネロ、と名づけた冷凍庫に蓄える、好きなおかずを作る喜び、自分のリズムで居場所を確保し不安をなだめるようすには勇気づけられる。みっともなく激変する日本の現実を「スルーなしの設定で」作品に取り込もうと、初めて参加した国会前デモ、ヘイトスピーチへの抗議行動。報道されないディテールに驚き、書きたいことが次々見つかる。亡き猫のドーラが女王口調で労わってくれる空想を交え、筆は自在に飛び回る。  萌エロキャラと戦争の問題もつながる。高学歴も継ぐべき財産も全て捨てて嫁入りした「母」が、作者の子供時代、大変な手間をかけ作るご馳走の数々、それらのならぶ食卓を台無しにする父の横暴さ。その寒々しい光景の裏側には、まえの戦争の傷痕と、いまに至る日本の風潮がどろりと引きずられている。 これまで作者が思考してきたさまざまな要素がぶち込まれ、響きあう本書は、憤りの渦巻くカオスのようでありながら、この文学の基本であろう他者への想像力の大事さに貫かれ、誇り高く光り輝いている。 まさに、政治・経済・過去・現在・未来の予想(と主人公の過去と現在)など様々な要素を盛り込みながらも、過去作よりさらにパワフル、さらに読みやすくなっていますよね。

『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』感想リンク集

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笙野頼子『 さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神 』講談社より7/31に発売されました。 講談社公式サイトのページ; 『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』笙野頼子 装幀はミルキィ・イソベ+安倍晴美。裏表紙の帯はあたかも雑司ヶ谷猫軍団7匹がSNSしてるみたい。 電子書籍は9月22日より配信。 Kindle版は1674円 、 iBook版は1700円 。 9/27より新刊「猫キッチン荒神」に入っている読者アンケートハガキで応募すると、先着10名限定で著者謹製ギドウポストカードプレゼント。 「猫キッチン荒神」ポスカプレゼント&著者近況報告コメント 著書インタビュー ・ しんぶん赤旗10月8日号 29面「読書のページ」欄に『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』著書インタビューが掲載されました。    赤旗日曜版10/8に「猫キッチン荒神」著者インタビュー ブログの感想 さっそく馬場さんに感想がアップされてます。 『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』(笙野頼子):馬場秀和ブログ  ネオリベと経済搾取、性暴力と差別とヘイト、それらが絡み合って一体化して基層となっている日本の姿を書いた『ひょうすべの国』。自身の生きにくさ、猫との出会いと別れを書いた『猫道』。本書ではついにそれらが合流して、小さな「私」を離れることなく神視点で世界をとらえる「私小説」へと飛躍してゆきます。 まさにまさに。ひょうすべ+猫道+金毘羅が合わさった小説です。 笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」 : phantasmagoria ここで繰り返し語られるのは「見えなかったものが見えてくる」ということ。自身の病気を知り、ほんとうのルーツを知ったことで、過去は塗り替えられていく。これまで何度も語られてきた――もちろん本作でも――政治家たち、あるいは人喰いたちによる「見えないものはないことと同じ」「だから奪って食ってなかったことにしてもいい」というような論調。しかし作家がこうして「見えなかったものを見ようとする」ことで、隠されようとしていた欺瞞は暴けるということが証明されているのではないか。 うさぎやさんの感想。なるほど、様々なエピソードに「見えなかったものが見える」という共通点があるのですね。 Instagram「笙野頼子、新

『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』7/31発売

笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』、発売日が7/31に変更されています。 新刊書籍発売予定表|講談社BOOK倶楽部 Amazonなど通販は8/1発送。 さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神 | Amazon 群像2017年4月号に掲載された長編小説「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」が、7月31日に書籍化。 小説神変理層夢経シリーズ(猫荒神モノ)第三章に当たる本作は288ページと読み応えたっぷりです。 内容紹介によると、飼猫たちのアイコンが帯に掲載されてるらしいですよ? 今? 日本? 戦前だよもう、危険すぎる。なのに「報道」は黙ったままなのかい。 ああ? 地獄は世界中で進行しているよ。根本に何があるって? 人間を数字化し喰らいつくす新自由主義さ。それは自由貿易とは名ばかりの人喰い条約によってもたらされる。 その化け物の名は、TPP、RCEP、日米FTA、日欧EPA、TiSA…… 他国ではこの人喰い条約に国民挙げての反対運動が起こり焼身自殺まで出た。我が国は? そう、マスコミのだんまりと腑抜けにより、国民は何も知らされぬまま……しかも日本はこのまま戦争になってしまうのか、前の戦争の傷と暴力を引きずったままで。とどめに派兵? じゃあ、止めるよ! 文学で戦争を止めてやろう。文芸誌から文学枠で出版をするさ。これなら言論統制もできないってこと。そう、「究極の報道」だよ。 甲状腺機能亢進症の老猫を介護する、希少難病、混合性結合組織病の作家教授が、ひたすらに描く、「まだ幸福な」日常 その大切な猫と大好きな台所や、簡単でおいしい料理に忍び寄る戦争 そうだよ文学は何からも目を背けることのできない、真の報道なのさ デモも行ってみたよ国会前にもね、少しだけど書いたから こうして、かつて作家が保護した七匹の猫たちまでも、ついに総がかりでカウンター発言、怒涛のツイートを(しかも帯には全員の猫アイコンが)! ドーラ@dora はぁ文学に政治を持ち込むなですって リュウノスケ@ryunosuke でも文学部から徴兵されるんだよ? モイラ@moira ほほう、戦争が猫と台所を避けて通るとでも ギドウ@guidoux FTATPPで水道代超上がるよ猫のお薬もね獣医さんまでが危険キケーン ルウルウ@lou

『猫キッチン荒神』7/27発売?『猫道』ポスカプレゼント

笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』、講談社から7月27日発売予定だそうです。 紀伊國屋書店ウェブストアからいち早く予約受付メールが届きました。2ヶ月後が楽しみですね。 群像2017年4月号に掲載された長編小説「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」の書籍化で、小説神変理層夢経シリーズ(猫荒神モノ)第三章に当たる本作。2ヶ月後が楽しみです。 さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神/笙野頼子:紀伊國屋書店ウェブストア そして、4月24日から講談社文芸文庫で「猫道」愛読者アンケート募集されています。 重版御礼! 笙野頼子さん『猫道 単身転々小説集』の愛読者アンケートをお送りいただいた方のうち抽選で10名様にオリジナルポストカードセットをプレゼントいたします。抽選結果は発送をもって代えさせていただきます。 pic.twitter.com/dKsWrcXI6l — 講談社文芸文庫 (@bungei_bunko) 2017年4月24日 講談社文芸文庫『猫道 単身転々小説集』にある愛読書アンケートハガキを送ると特製ギドウ・ポストカードが抽選で10名に当たるとのこと。 2008年からブログしてますがプレゼント企画は初めて。超希少なチャンスですよ、『猫道』アンケートハガキをお持ちの方は今すぐ応募いたしましょう。 (うっかり書き忘れてしまい、お知らせが遅くなってごめんなさい。でもまだ間に合うはず…)

図書館文学アンソロジーと『花の命はノー・フューチャー』復刊

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日比嘉高編著『 図書館情調 (シリーズ紙礫9) 』に 笙野頼子「S倉極楽図書館」(by『 片付けない作家と西の天狗 』)が収録されるそうです。 皓星社 より6月10日発売。 猫の泉さんのツイート でもくじが紹介されてました。 「図書館情調」 萩原朔太郎 第一部 図書館を使う 「出世」 菊池寛 「図書館」 宮本百合子 「文字禍」 中島敦 「世界地図を借る男」竹内正一 第二部 図書館で働く 「柴笛詩集」 渋川驍 「少年達」 新田潤 「司書の死」 中野重治 「図書館の秋」 小林宏 第三部 図書館幻想 「深夜の道士」 富永太郎 「S倉極楽図書館」 笙野頼子 「図書館幻想」 宮澤賢治 「図書館あるいは紙魚の吐く夢」高橋睦郎 「図書館」 三崎亜記 解説 日比嘉高 図書館に関わる小説を集めたアンソロジーなんですね。 来月はもう一つ、ブレイディみかこ 『花の命はノー・フューチャー』復刻版 が6月6日に発売されます。 この本に収録されているらしい『 母の発達 』書評を読みたかったんです。でもずっと絶版で。復刊してくれて嬉しい限り。 200p大量加筆プラス解説に栗原康、帯文に佐藤亜紀とは正にデラックスエディションや。 ブレイディみかこさんの文庫のカバーをやらせてもらいました。蛍光ピンク使えたらなぁ。モリッシーの本も出す予定があるようですね。 pic.twitter.com/KF6kujgfxs — 岩瀬 聡 Satoshi Iwase (@satoshi_iwase) 2017年4月26日

『私にとっての憲法』に笙野頼子「ガラス細工の至宝」収録

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4月21日に刊行された岩波書店『 私にとっての憲法 』の第4章に笙野頼子さんの「ガラス細工の至宝」が収録しています。 本書は様々なジャンルで活躍する方々53人による日本国憲法についてのエッセイがてんこ盛り。多角的な視点で憲法語られています。 私にとっての憲法 - 岩波書店 馬場秀和ブログにさっそく感想あがっていました。 笙野頼子『ガラス細工の至宝』(『私にとっての憲法』岩波書店編集部 収録) 東條さんのつぶやきも。 笙野頼子さんから『私にとっての憲法』を恵贈頂きました。TPPの流れた後でも別の方向から企業本位の主権収奪の危機を訴え、TPP交渉差止・違憲訴訟の会に入っているという危機意識の継続を語っている。直接送って頂いて手書きの私信(ブログでの感想についての応答)入りで恐縮しきり。 pic.twitter.com/bTU7Qjr2Br — 東條慎生 (@inthewall81) 2017年4月26日 第4章の笙野頼子「ガラス細工の至宝」では、TPP交渉差止・違憲訴訟の会に入っている笙野さんは「その中で憲法とは何か、新しい一面が見えたと思った。」そうです。 憲法、それはTPPによって、或いはまた今後いくらでも襲ってくるいくつもの人喰い条約によって、底を抜かれる桶のようなものに「過ぎない」のだ。いくらたがを嵌めても、水を汲めなくなる。 その上の国際条約であるTPPやFTAやTiSAで、グローバル企業に有利な条約を作られたら、いくら憲法で人権を保障しても蹂躙されてしまうわけです。国際条約チョー危険。 親川志奈子「沖縄人の私の日本国憲法」では、日米地位協定とともに憲法は語られています。 近年日本国憲法が再考されている。先住民族やLGBTなど制定当時可視化されていなかったマイノリティに言及し、過去には持ち得なかった視点で人権に配慮するのかと思いきや、あるいは、日米地位協定が日本国憲法よりも上位に来ている今のあり方を問い(翁長雄志沖縄県知事に「日本の独立は神話か」などと言わせないよう)独立国家として米国と対等に交渉できるようにするのかと思いきや、自民党の憲法改正草案はとても懐古的な内容になっていた。 いくつかのインタビューで「憲法改正をどう思いますか?」と問われ「日本人は「押し付け安保」とは言わないくせに「押し付け憲法」と言いますよね。日本国憲法を捨て

「私にとっての憲法」岩波書店に笙野頼子エッセイ収録

さまざまなジャンルの53人が憲法について語る本『 私にとっての憲法 』が岩波書店より発売されます。 第4章に笙野頼子さんの「ガラス細工の至宝」を収録しています。 刊行日は4月21日、て明日じゃん! もくじは岩波のサイトにありますよ。 私にとっての憲法 - 岩波書店 立ち読みPDFには、もくじと坂本龍一と竹下景子のエッセイまでよめるし。 【執筆者】赤川次郎・池内了・石田雄・井戸正枝・伊東光晴・色川大吉・打越さく良・内田樹・大田堯・岡田憲治・岡野八代・尾辻かな子・親川志奈子・鹿島徹・片山善博・北原みのり・久保利英明・熊谷晋一郎・久米宏・黒澤いつき・小谷真理・坂手洋二・坂本龍一・佐藤直子・佐藤芳之・島薗進・笙野頼子・白井聡・鈴木邦男・想田和弘・高遠菜穂子・竹下景子・田中美津・永井愛・仲里効 西谷修・西原春夫・西山太吉・仁藤夢乃・丹羽宇一郎・浜矩子・原寿雄・PANTA・半藤一利・比嘉慂・平野啓一郎・藤原辰史・保坂展人・保阪正康・松元ヒロ・山口智美・山﨑拓・米倉明 超豪華なメンバーだなー。

図書新聞4/15号文芸時評第26回に猫キッチン荒神

図書新聞2017/4/15号no.3299 岡和田晃〈世界内戦〉下の文芸時評 第26回「文学で憑在論的な戦争は止められるのか?止められる。」に、笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」群像2017年4月号が取り上げられました。 アップするの遅くなってしまってすみません。 笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めようーー猫キッチン荒神」(群像)は、笙野頼子、渾身の一作。昨年の本誌下半期アンケートで挙げた『ひょうすべの国ーー植民人喰い条約』も凄まじかったが、こちらは輪をかけて気魄がこもっている。結論から言えば、この作品が圧倒的なのは「さあ、今こそ文学で戦争を止めよう。この売国内閣の下の植民地化を止めよう」という読み違えのない訴えが実現可能であると説得されてしまうことだ。どうしてか。「知識では買えない文学による危機の実感」と要約しても、伝わらないか。世界に向ける眼差しと、自己の立ち位置を切実に記述する方法が一貫していて、両者の間にズルさが挟まれないのだ。いくらでも安全地帯から言葉を発せられるSNS的な無責任さと対照的なのだ。『ひょうすべの国』はTPPがテーマだったが、予想を覆すトランプ政権の誕生によって、その未来予測が無効化されたとみなす向きもあった。けれども本作では、変化のさなかで本質的に連続しているものは何かという問いにしっかりと応えている。 「未来予測が無効化されたとみなす向き」と同じく、トランプが大統領になったときは無効化されたと思ったものです。 しかし最近トランプもまたTPPの条約をベースに日米貿易しようずとか言って来ていたり。別ルートで着実に「ひょうすべ」的未来世界に展開していきそうな雲行きですよ。

毎日新聞3/29文芸時評に「さあ、文学で戦争を止めよう猫キッチン荒神」

毎日新聞2017年3月29日夕刊の文芸時評・田中和生「想像力の先の現実 作家の切実な危機感」で、笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」群像2017年4月号を取り上げています。 文芸時評:3月 想像力の先の現実 作家の切実な危機感=田中和生 - 毎日新聞 黒川創『岩場の上から』(新潮社)、「猫キッチン荒神」、村上春樹『騎士団長殺し』、又吉直樹「劇場」新潮4月号の順で紹介。  小説が現実になってしまう前に、わたしたちは「岩場の上から」問題を見なくてはならない。その意味で作者は、文学の側から報道の力を証明しようとしている。同様の力が感じられるのは、笙野頼子の長篇「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」(『群像』)である。表題がすでにその意図を物語るが、現在の日本が「戦前」であるという見立てが作品を駆り立てている。 破天荒な語り口で、作者自身を思わせる語り手が私小説的な内容を語ることの多い笙野作品だが、今回はその「私」を客観的に見る、猫の意識をもつ「荒神」が作品全体の語り手となっていることに特徴がある。それは飼っていた猫の死後に、実は「私」の方が見守られてきたと信じるからだが、そのことはそこで語られる苦しい家族史や病歴に強い説得力をあたえている。その「私」が、女性作家たちの拠点であったキッチンから「戦争を止めよう」とする言葉を引き出している。 ドン・キホーテ的な意図とサンチョ・パンサ的な世俗性が混在する作品だが、時代に訴えようとする長篇を書いているうちに、前提となる「舞台が壊れてしまう」という「私」の切実な危機感を評価したい。これらの作品に示された鋭い感覚から考えたとき、大きな話題となっている村上春樹の長篇『騎士団長殺し』(新潮社)や又吉直樹の長篇「劇場」(『新潮』)は、いわば「奇妙に平穏な日常」に収まっている安全な作品だと言える。 「猫の意識をもつ「荒神」」とありますが、若宮にに様は猫の意識を持っていません。 主人公が猫以外の姿だと違和感を感じるから普段は猫の姿をしていますが、元は狼神です(『猫ダンジョン荒神』p130)。 荒神が語り手として登場するのは、伴侶猫の死や家族歴史の嘘で主人公が語りにくくなっているため。伴侶猫ドーラが飼い主を見守ってくれていたと再定義する行為との繋がりは書かれていないが? 「時代に訴えようとする長篇を

朝日新聞3/29文芸時評に「さあ、文学で戦争を止めよう猫キッチン荒神」

朝日新聞2017年3月29日(水)朝刊の片山杜秀(文芸時評)「自分の穴を掘る小説」で、笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」群像2017年4月号が取り上げられています。 (文芸時評)自分の穴を掘る小説:朝日新聞デジタル 村上春樹『騎士団長殺し』、又吉直樹「劇場」新潮4月号という話題作と並んでるよ。 笙野頼子の「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」はカオスである。作家は終始、自覚的に自分の穴に入り、一人称的世界を書き連ねる。その意味で私小説だが、私の設定が尋常ではない。自分が金比羅で、亡くなった愛しい猫は荒神。それが近年の笙野の世界。自分の穴といっても神だから生身の人間のような時空の限定を受けない。アナーキーである。本作はアントナン・アルトーが出口王仁三郎の『霊界物語』を書き直してでもいるかのような印象さえ受ける。シャーマンが神がかりになって過剰な言葉を吐き出し続ける。筋だったかたちになりようのない神話の断片のようなものが際限なくばらまかれてゆく。そんな笙野の自分の穴は、たとえば荒川修作のアートのような反転の奇想に満ちている。小が大を呑む。靴下を裏返すように自分の穴が外の世界をすっぽり包んでしまう。笙野の文学はそういう夢へと読み手を誘う。「自分の穴小説」の過激な極北に彼女はいる。 自分の穴に落ちるのは悪くない。むしろ小説の天命だ。高所から客観的に物事を見渡せるなら、作家より学者や評論家になればいい。小林秀雄がくりかえし述べていたろう。小説に固有な領域は私ならではの時間と空間の記憶や経験にあると。主観性の虚妄にかける。村上も又吉も笙野も自分の穴を掘っている。日本にはまだ小説がある。 「亡くなった愛しい猫は荒神」は間違いです。荒神若宮にに様は、購入した新居に住んでる神様という設定。飼い猫4匹生きてる時からお付き合いしている荒神だし、荒神だと主人公が気付いたのはドーラの介護中だし(『猫ダンジョン荒神』冒頭)。伴侶猫ドーラの霊=荒神ではありません。 群像2015年1月号の対談p126で清水良典も同じ勘違いしてて、著者が違うと否定しています。 清水 『猫ダンジョン荒神』の後書きでしたか、ドーラの霊を肩にのせて東京の街を眺める文章がありますね。(略) 笙野 ええと、実はあれはドーラではなくて作中に出てくる猫神の若宮にに様なんですね。 『猫ダ

東京新聞3/27〈大波小波〉に「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」紹介

東京新聞2017年3月27日夕刊〈大波小波〉に笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」(群像2017年4月号)が取り上げられています。 馬場秀和さん経由の情報。 中日新聞+<大波小波>文学で戦争を止めよう|2017年3月27日夕刊文化面  アフリカの飢餓に対する文学の無力さを悟ったサルトルが読めば、肝を潰(つぶ)すだろうタイトルだ。「さあ、文学で戦争を止めよう」というのだから。これ一本で『群像』4月号の優に三分の一以上を占める笙野(しょうの)頼子の新作は、副題に「猫キッチン荒神」とあるとおり、一連の「荒神」ものの続きと見えるが、軸足は次第にキッチンから外の社会へと移りつつある。 「流せTPP」という荒神様への祈りは、叶(かな)えられたかのように見える。だが事態が好転したわけでは全くない。国家神道のそれとは対極の、台所の小さな神である荒神にそんな大きなことを成す力はない。それでも「私」は祈らずにはいられない。「戦争法案」のせいだ。「守ってよ荒神様」と。というのも、現在と第二次大戦のときが重なるからだ。「あの時もみんな反対しているつもりだったらしい、そして気がつくと何かいきなり始まってしまっていたのだという」 剥(む)き出しの社会批評でありつつも、私小説でありファンタジーでもあるのが笙野の近年の傾向だが、最近はとりわけ初めの要素がおそらくはやむをえず肥大しつつある。タイトルの無謀さを支えるのはひとえに作者の使命感である。無力な竈(かまど)神でも立ち上がらねばならないと。 まさにおっしゃる通りで、社会批判が前面に出ているのは、作者の日常に逼迫した社会情勢が迫っているため。戦前という日常を反映した結果なのだ。 (余談ですが、Bloggerの新しいテンプレートがレスポンシブデザインになったので、ブログデザイン変えてみました)

講談社文芸文庫『猫道 単身転々小説集』感想まとめ

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笙野頼子『 猫道 単身転々小説集 』が講談社文芸文庫から3/14に発売されました。 講談社BOOK倶楽部|『猫道 単身転々小説集』笙野頼子 引っ越し長編「居場所もなかった」(群像1992年7月号)をメインに 「冬眠」(群像1985年4月号) 「増殖商店街」(群像1993年1月号) 「こんな仕事はこれで終りにする」(群像1994年11月号) 「生きているのかでででのでんでん虫よ」(群像1995年7月号) 「モイラの事」(『片付けない作家と西の天狗』2004年6月後書き) 「この街に、妻がいる」(群像2006年10月号60周年記念) 猫の近況報告(猫絶賛)エッセイ ・「前書き 猫道、――それは人間への道」 ・「後書き 家路、――それは猫へ続く道」書き下ろし ・平田俊子さんの解説「隣の偉人」 ・年譜・著書目録はおなじみ山崎眞紀子さん・飼い猫ギドウの写真付 笙野頼子作品は、信仰と神話・哲学・権力批判・家族・飼い猫(と身辺雑記)と色々な面がありますが、その一つである猫歴史を理解できる一冊です。 文庫サイズで税込1998円は高いですが、何気に384ページと分厚いですし、若き無猫砂漠時代からキャト・ドーラ・モイラ・ルウルウ・ギドウを得ての流れを実感しつつ、亡きモイラの夢を見る「この街に、妻がいる」を読むと圧巻です。これは立ち読みして単行本未収録作だけ読んでも味わえません。 どなたかにお借りするなりして最初から読み進み「この街に〜」や後書き・解説に触れて欲しい引っ越し小説集です。 さっそく馬場秀和ブログに感想アップされましたよ。 『猫道 単身転々小説集』(笙野頼子) 一つ一つの小説に感想を書きつつ、全体の構成の流れがわかる記事です。GJ. 解説の平田俊子さんは笙野さんが特任教授されてた時、研究室のお隣さんだったそうで。「ドアの向こうに笙野さんがいると思うと心が騒いだ。ノックすることは憚られた。」という気持ちわかります、わかります。 にしても年齢的に同級生(というか同期?)な上に、学び舎も同じ、研究室も隣にって、そのおいしい立ち位置なんかズルくないですか(何が?)。 東條慎生さんの感想もClose To The Wallにまとめられています。 笙野頼子 - 猫道 - Close To The Wall 初期短篇「冬眠」も中後期作

誕生日おめでとうございます

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今日は笙野頼子さんの誕生日。おめでとうございます。 末永くお元気であられますようお祈り申し上げます。 ラブリーな猫イラストは もずねこ さん画です。 さらに、かわいい猫画像集つ Maxwell Ogdenさん(@catmapper) • Instagram Bodega Catsさん(@bodegacatsofinstagram) • Instagram 🐕Lilo 🐕Infinity & 🐈Rosieさん(@lilothehusky) • Instagram Daily Cat Istanbul • tumblr

群像2017年4月号に笙野頼子新作長編小説「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」

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群像2017年4月号 に笙野頼子さんの新作長編小説「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」が掲載されています。 http://gunzo.kodansha.co.jp/48080/49069.html 430枚どーん。三年ぶりの小説神変理層夢経シリーズ(猫荒神モノ)、第三章がついに発表されました。群像の表紙も背表紙も猫で、若宮にに様に乗っ取られてます! このシリーズはドゥルーズ『 千のプラトー 』を小説化する連作で、全6部予定。 番外編「 猫トイレット荒神 」2013 第一章『 猫ダンジョン荒神 』2012 第ニ章『 猫キャンパス荒神 』2014 第三章「猫キッチン荒神」←イマココ 第四章「猫クロゼット荒神」 第五章「猫シンデレラ荒神」 ・馬場秀和ブログでさっそく感想がアップされています。 『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』笙野頼子「群像」2017年4月号 そうそう「 ひょうすべの国 」を書いてる話もありました。 ・東條慎生さんのブログで感想アップされました。 笙野頼子 - さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神 - Close to the Wall 430枚に渡る長編のあらすじを的確にまとめ、解説していて素晴らしい。おすすめ。 妻とも呼んだ猫ドーラの生をフィクションのなかで保存する語りのなかで、歴史には残らないような女の歴史を語り、母への追悼と慰霊として書かれているのが本作だろう。そしてその女の歴史の舞台となったキッチン、食卓が政治的抵抗に繋がる回路を描いている。 まさにその通り。正史には残らない女性の一生が描かれていました。「ひょうすべの国」も祖母・娘・孫の「女の一生」の側面がありましたね。 ・東京新聞2017年3月27日夕刊〈大波小波〉に取り上げられました。 中日新聞+<大波小波>文学で戦争を止めよう|2017年3月27日夕刊文化面 ブログで詳細> 東京新聞3月27日〈大波小波〉に「猫キッチン荒神」紹介 ・朝日新聞2017年3月29日(文芸時評)片山杜秀「自分の穴を掘る小説」に取り上げられました。 2017 ブログで詳細> 朝日新聞3/29文芸時評に「猫キッチン荒神」 ・図書新聞2017年4月15日号(第3299号)岡和田晃 下の文芸時評第26回「文学で憑在論的な戦争は止められる

『猫道 単身転々小説集』目次と内容

笙野頼子『 猫道 単身転々小説集 』もくじがAmazonにのってますよ、みなさん。あと3月の講談社文芸文庫発売日は13日でした。 前書き 猫道、――それは人間への道 冬眠 居場所もなかった 増殖商店街 こんな仕事はこれで終りにする 生きているのかでででのでんでん虫よ モイラの事 この街に、妻がいる(単行本未収録作品) 後書き 家路、――それは猫へ続く道 解説:平田俊子/年譜・著書目録:山崎眞紀子 前書きと後書きが書き下ろし。 解説は平田俊子さん。 年譜は前回と同じく山崎眞紀子さん。 「この街に、妻がいる」も収録ですよ。2006年群像に掲載されたのをうっかり見落としてしまって10年、やっと読めます。 「冬眠」は1985年発表だから、1985年〜2006年の短編が21年間の変化が収録された本になりますね。 私は猫と出会ってこそ人間になった。 猫を知らぬころの悲しみと知ってからの喜怒哀楽をひとつながりに眺めて、笙野文学の確かな足跡を示す作品集。 失礼ですが御主人は? 収入は? 本籍地は? 保証人は? あなたは大家さんから好かれない、……学生専用となるワンルームを追われる独身中年女性、どこにも属せない無名作家が……イラク戦争下、バブル後期、家賃高騰中の東京において、“女性の安全なひとり住まい用ワンルーム”を求めて漂流する、絶版十五年ついに“復刊”の長編に加えその後の“家族”との出会い、キャト、ドーラ、ギドウ、モイラ、ルウルウを巡る住居転々の短編。 川端賞候補作「増殖商店街」、ふいの別れを描く「モイラの事」、その悲しみを越える、記念号掲載の未収録作品「この街に、妻がいる」さらに、書き下ろしお馴染み作者と猫の近況報告エッセイ二編収録。 猫をしらぬころの悲しみと知ってからの喜怒哀楽をひとつながりに眺める。「私だけが知っている、本屋にろくに置いてないけと大好きな」作家の恍惚、悲嘆、超克の猫出世街道。 猫の道は人の道といいますか。書き下ろしは猫の近況報告はいってるそうですよ。

本屋でんすけ にゃわら版に『愛別外猫雑記』

セントポールプラザ書店のフリーペーパー「本屋でんすけ にゃわら版」2017年2月号No.28 猫本祭り!!で『愛別外猫雑記』がイラストつきで紹介されています。 本屋でんすけ にゃわら版PDF 2/22の猫の日にちなんで、猫の本だらけ。ギドウやモイラらしき猫4匹のイラストが可愛い! 笙野頼子著『愛別外猫雑記』河出文庫 保護した猫と一緒に暮らすために引越しまでした笙野サンの(いろんなものとの)闘いの記録。 “生き物を飼うことに対する覚悟”が違います。 #猫の日 pic.twitter.com/lx6UYJW6Rq — 本屋でんすけ にゃわら版 (@densuke_neko) 2017年2月22日

東京新聞2/18夕刊に笙野さんインタビュー

東京新聞2017年2月18日(土)夕刊 <土曜訪問>笙野頼子さん(作家)に三品信記者によるインタビューが掲載されています。 東京新聞:文学で戦争止めたい 恐るべき未来 新作で描く 笙野頼子さん(作家):土曜訪問(TOKYO Web) たぶん中日新聞の夕刊にも載っており、中日新聞プラスにアップされています。 <土曜訪問> 笙野頼子さん(作家) | 文化面 | 朝夕刊 | 中日新聞プラス 新刊『 ひょうすべの国 』を持つ著者の写真がのってます。なぜ本と一緒なのか、 新刊『ひょうすべの国』(河出書房新社)について笙野さんはこんなふうに話すのだ。「プラカードの代わりに書こうと思った。TPP(環太平洋連携協定)でこんな怖い未来が来るということをフィクションで示したんです。小説だからできる特権ですね」 なるほど、本のオビには「TPP反対!!」「病人殺すな赤ちゃん消すな! 田畑無くすな奴隷になるな!」「TPP流せ、憲法戻せ!」といった強烈な文言が並ぶ。まさにデモ隊のプラカードだ。ならばそれを自身で掲げてもらおう。 なら写真はみんなに見てもらわないと。 google+にもリンク紹介しときました 。 執筆中の新作長編小説の話も。 「TPPはアメリカの一方的な離脱で流れたから、次は文学で戦争を止めようと、本気で考えています。安倍首相はもう本当に改憲しそうな勢いじゃないですか。小さなことも見逃さずに、戦争直前の時代の空気を見ていこう、書いていこうと思います。文学は、うさんくさくても暗くても、自分が目の前で見ていることを全部書かなければならない。見えないものを見せるのが私の文学だと思っていますから」 しんぶん赤旗2017年1月30日のインタビューにも「戦争法ができた今、日本は戦前なんです」とありましたからね。ますます新作が読みたくなりますね!

しんぶん赤旗インタビュー笙野頼子さんに聞く

しんぶん赤旗2017年1月30日(月)月曜インタビューで笙野頼子さんが登場されています。 『しんぶん赤旗』2017/01/30 【月曜インタビュー】笙野頼子 - 赤旗海賊版 記事全文をアップしてくださってる方がいます。多謝多謝。 新刊『ひょうすべの国』の内容解説の最後に長編小説を書かれているとコメントが。新作発表楽しみですね!

講談社文芸文庫『猫道 単身転々小説集 』3/14発売

講談社文芸文庫から笙野頼子『猫道 単身転々小説集』2017年3月 9日 13日発売予定です。 講談社BOOK倶楽部の新刊発売予定表: http://bookclub.kodansha.co.jp/calendar 「極楽・大祭・皇帝」「幽界森娘異聞」に続いて三冊目の文芸文庫入りですね・祝! Amazonでは早くも予約受付始まっています。 3/10 3/14に届く予定。 笙野頼子『猫道 単身転々小説集』 (講談社文芸文庫) 「単身独身女性の生活空間への違和が共感を呼んだ「居場所もなかった」を中心に、転居と猫との暮らしの変遷が浮き彫りになる作品集。」という内容紹介で、「居場所もなかった」と共に何が収録されるのか気になりますね。