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文藝家協会ニュースに笙野頼子エッセイ

文藝家協会ニュース(No.762)2016年4・5月合併号の「会員通信」に笙野頼子さんのエッセイ「沖縄の学生、沖縄「戦後」ゼロ年」が掲載されています。 掲載誌は日本文藝家協会の月報です。主な内容は活動内容の報告で、「会員通信」は会員の最新情報のページとともに掲載されていました。 「沖縄の学生、沖縄「戦後」ゼロ年」笙野頼子 2011年、伴侶猫が死んだ淋しさから、立教大学院の特任教授になった。猫は十五で脊椎湾曲と癇癪と痴呆になり、そこから二年八カ月看病した。看取り終えて、生まれて始めての「お勤め」である。優秀な学生何人かに出会った。中に沖縄から来て博士課程に進んだ金城君(仮名)がいた。三年間もいてくれてむしろ教えられた。本土の沖縄街が出てくる作品で私は芥川賞を受けたけれど、難病でもあり、沖縄自体には行ったことがない。 金城君は目取真俊氏で卒論を書き、氏をノーベル賞にふさわしい作家と尊敬していた。この彼との縁で、昨年は崎山多美さんにも対面出来た。そして学校は今年の三月三十一日で任期満了、が二日後の四月二日、ヤフーニュースに驚愕、……悩んで金城君にメールすると、「この逮捕で目取真氏の研究ができなくなるのでは」等言われ困惑していた。「世界は目取真氏の味方」と返信して、ともかく協会のサイトに出そうとコメントを書いた。しかし出なかったので、抜粋をここに残す。ーー「目取真さんの御作は文芸文庫でも拝読しています。小説以外のものも、沖縄「戦後」ゼロ年が良かったです。この本によって私は、沖縄でまだ戦争が終わっていないのも同然の苦しみが続いている事を教えられました。/本土はかつても今も沖縄を犠牲にし迷惑を掛け続けています。投票で基地反対の結果が出ても、法律を変えてまでずっと勝手な決定を押し付けている。そんな不公平の結果出来た規則に拘束されて、逮捕されるのはあまりに不当です。他国は基地周辺住民の負担が減るようせめて努力するのに日本はしていない。」ーー今後協会サイトの改善を希む。 (昨年、雑誌「越境広場」が創刊された。崎山さん、又吉栄喜さんらが寄稿されている。本土の無関心や誤解に対しての優しい働きかけ。一号には山下洋輔氏も)。 四月一日に沖縄米軍基地で抗議行動されている目取真俊氏が米軍警備員に拘束されたニュース、私も見ました。 目取真俊さんをアメリカ軍が拘束 辺野古で抗議の芥川賞作