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新作長編小説&猫写真『猫沼』1/25刊行予定

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近況報告でミルキィ・イソベさんと猫写真集を出すとありましたが、 笙野頼子さんの書き下ろし長編小説『 猫沼 』が、ステュディオ・パラボリカより2021年1月25日発売予定です。ついに。 2000円(税抜)、208ページ。初版にはカラー猫写真帖16Pの付録つき。 装幀はもちろんミルキィ・イソベさん、装画に渡邊加奈子さん、書影が格好良いです! ステュディオ・パラボリカ: 【新刊】笙野頼子『猫沼』 装幀:ミルキィ・イソベ 装画:渡邊加奈子「母子像」 本体価格:2,000円+税 発行:ステュディオ・パラボリカ 四六判/208ページ/上製 ISBN978-4-902916-43-0 C0093 ★初版限定! カラー猫写真帖「猫沼二十年」付き 16ページ Amazonと楽天で予約始まってます。 追記) parabolica-bis 公式ショップで予約始まりました。 今ならサイン本が選べます。2月22日まで送料無料。 スマートレターで発送されるそうで、追跡番号欲しい方はネコポス(送料385円)にもできるとか。 https://www.parabolica-bis.com/SHOP/books_103.html いつも初めて会う 笙野頼子、今 沼底からひびく 澄んだ魂の声 老いと病い その向こうに突如あらわれる死。 向かい合い、寄り添い、 ゆめに書く うもれても書く 共に暮らしたすべての猫に出会うために。 回転するしっぽ、ちっぽ、ぷっくん、ぷっくん。しっぽ、ちっぽ、ひょんひょんくるりん、くるりん、ぴょん! 猫と一身に生きる 笙野頼子 書き下ろし! 内容紹介、そして可愛いテキスト〜。もう来年が楽しみでしかないんですけど! 【新刊 1/25発売!】 笙野頼子『猫沼』 初版のみ、笙野頼子さんによる写真&エッセイの猫写真帖「猫沼二十年」が付きます! 色校チェック中です〜〜 装画は渡邊加奈子さん https://t.co/OylHqUPyo1 #笙野頼子 #猫沼 #ステュディオパラボリカ pic.twitter.com/SWLTSe2B1q — パラボリカ・ビス+夜想 (@yaso_peyotl) December 23, 2020

講談社文芸文庫『海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集』 11/12に刊行

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笙野頼子『海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集』が講談社文芸文庫より11月12日刊行です。 2000円+税・352ページ。電子版は11/11より配信、1600円+税。 講談社BOOK倶楽部: 『海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集』(笙野頼子)講談社文芸文庫 Amazon: 海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集 (講談社文芸文庫) 楽天ブックス: 海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集 馬場秀和ブログにさっそく解説アップされています。 ● 『海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集』(笙野頼子) 「どうしても「あ、これは後のあれに発展するやつだ」とか感じてしまう。」 わかる。どうしても連想してしまう。試行錯誤されてるとしみじみする収録作は以下の通り。 「海獣」… 「群像」1984年8月号 (底本『夢の死体 笙野頼子初期作品集2』1994年11月) 「柘榴の底」「海燕」1988年8月号 (底本『増殖商店街』1995年10月 講談社) 「呼ぶ植物」「群像」1989年5月号 (底本『夢の死体 笙野頼子初期作品集2』) 「夢の死体」「群像」1990年6月号 (底本『夢の死体 笙野頼子初期作品集2』) 「背中の穴」「群像」1991年10月号(底本『居場所もなかった』1998年11月 講談社文庫) 「記憶カメラ」書下ろし 解説「「超小説」との再会」菅野昭正、年譜と目録は山﨑眞紀子。電子書籍にも収録されていますよ。 「海獣」は京都の一人暮らし、「柘榴の底」「呼ぶ植物」「夢の死体」は東京八王子時代、「背中の穴」は(騒音酷い)小平に引っ越す話。六編全て文体が少し違ってて面白いですな。 「夢の死体」で二見シーパラのイルカが出てるの、忘れていたな。 書き下ろしの短編「記憶カメラ」は、レンズに水の入ったデジカメの写真を再生しているとなぜか混じる東京時代の写真から、収録作を振り返る話です。 記憶を記すと言うよりその記憶がなぜ残っていたか、その理由が大切と思っている。 おそらく私は古い記憶を使って、自分の今から過去に渡る思考や現在を掘り起こしているのだ。それは、過去の復元であると共に、書いている現在が求める「創作」である。だって「思い出した」というのはまさに今の自分の切実な現状の故なのだから。 京都時代の難病ゆえの辛さ、若い女性ゆえの困難

Female Liberation jpに「共産党の見解」と「flj読者の皆様へ」公開

Female Liberation Japanに笙野頼子さんの「共産党の見解」が10月18日に掲載されています。 共産党の見解 | Female Liberation jp 日本共産党ジェンダー平等委員会に笙野さんが質問し、その返事についてまとめたコメント。 上のサイトに笙野さんが問い合わせフォームから寄せたメッセージを、許可を得て公開されたそうです。 不勉強だから、状況がよくわからないけれども、 「 お礼とお知らせ近況報告 」の追記の最後に「共産党の某委員会事務局に何度かメールしていくつか質問しました」とあったけど、その返事をまとめたものなのかな。 追記(10月末) フェミニズム×トランスライツ勉強会が10月25日に日本共産党に送った問い合わせの内容が公開されています。 【日本共産党への問い合わせ】笙野頼子氏による記事「共産党の見解」を受けて 笙野さんの質問と委員会からの見解の全文の公開を求めています。 追記(11/02) 日本共産党中央委員会からの回答。質問の公開は控えるとの事。 トランスジェンダーをめぐる議論について~個人の尊厳を守りジェンダー平等をめざす立場から - 日本共産党 個人の尊厳とジェンダー平等のための JCP With You ( フェミニズム×トランスライツ勉強会 Twitter より) 追記(11/07) Female Liberation Japanに笙野頼子さんの「flj読者の皆様へ」が11月7日に掲載されています。 flj読者の皆様へ  | Female Liberation jp まとめ元のメール画像と事情説明です。and 一連の経緯を編集部が解説(助かる〜)。 やりとりの中で、なりすましの痴漢=「女湯侵入派」と命名、略して「侵入派」と使っていたそうです。 ちなみに「ブログのスクリーンショット」というのは笙野頼子資料室の近況報告ですね。 外堀捨丸さん「これらスクリーンショット撮っておいた」Twitter これ最初から24時間限定公開と決まっていた近況なんです。前もって言えばよかった。何も考えずに上げて、説明不足で怪しまれる結果になってしまって申し訳ないです。 (メモ) 2018年12月5日、日本共産党、立憲民主党、国民民主党他野党5党1会派で、「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関

静岡新聞10/29「大自在」で『会いに行って』紹介

静岡新聞10月29日(木)「大自在」で、笙野頼子『会いに行って 静流藤娘紀行』が紹介されています。 2020年10月29日【大自在】|静岡新聞アットエス 期せずして、藤枝と親しかった画家の作品展が、静岡市駿河区の駿府博物館で開かれている。富士宮市に長く暮らした曽宮一念は、視力を失って筆を折った。青年時代に油絵に熱中した藤枝が、展示作「虹」(1950年)の別作を気に入り交友が始まった。 「会いに行って」の最終盤、娘に車椅子を押された藤枝が登場する。春の優しい海に真っ白な船を見つけ、娘は言う。「曽宮一念さんのあの絵のような」。展示作「白い船」(69年)の前で、心象の海原をゆく藤枝と曽宮、笙野さんを思う。 10月24日より開催中の駿府博物館「曽宮一念展」で、作中で語られていた「虹」や、ラストシーンの「白い船」も展示されているそうです。 「曽宮一念展 朽ちることなき心象風景」は開館50周年記念の企画。静岡県美も同時開催。 ● 静岡県立美術館「曽宮一念とその時代」9/15-11/15 ● 駿府博物館「曽宮一念展 朽ちることなき心象風景」10/24-12/20 ● 平野美術館「駿府博物館名品展」 平野美術館には、装丁画を担当された青木鐵夫さんの作品を所蔵してるそうです。 装丁の作品ではございませんが、当館では表紙を手がけられた青木鐵夫先生の作品を複数所蔵しております。現在も一部が浜松の平野美術館で展示中です。 — 曽宮一念展 朽ちることなき心象風景 (@sumpu_museum) October 30, 2020

11/12に講談社文芸文庫『海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集』刊行予定

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(電子書籍は11月11日配信開始!) 笙野頼子『海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集』が講談社文芸文庫より11月12日刊行予定です。解説は菅野昭正さん。2,000円+税・352ページ。 痛みと不遇が憧憬を輝かせた。 二十五歳でデビュー後、十年間本は出ず、八〇年代の片隅風呂なし四畳半送金あり、痛みと希死念慮をかかえた独居の歳月。 不屈の思考と憧憬で紡いだ、幻の初期作品群。 現在から過去を振り返る書下ろし「記憶カメラ」併録。 〈収録作品〉 海獣 柘榴の底 呼ぶ植物 夢の死体 背中の穴 記憶カメラ 版元.com: https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065217900 Amazon: 海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集 (講談社文芸文庫) 紀伊國屋書店: 海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集 / 笙野頼子 楽天ブックス: 海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集 1980年代後半に発表した作品を収録した『 夢の死体 笙野頼子・初期作品集2 』より「海獣」「呼ぶ植物」「夢の死体」、『 居場所もなかった (講談社文庫) 』の「背中の穴」、『 増殖商店街 』の「柘榴の底」が収録されています。 そして「記憶カメラ」は書き下ろし。楽しみですね! 「海獣」は鳥羽水族館のあざらしの描き方がリアルだったな。強烈に印象に残ってます。 『夢の死体』で評価が高い「虚空人魚」が抜けているのは残念ですが、文芸文庫『戦後短篇小説再発見10 表現の冒険』に収録されているからかもしれません。 「冬眠」は『 猫道 単身転々小説集 』の方に入ってます。

赤旗9/29・東京新聞9/30の文芸時評と図書新聞10/17に「引きこもりて コロナ書く」、日経新聞9/26夕刊文学周遊に「タイムスリップ・コンビナート」

しんぶん赤旗 2020年9月29日(火)10面の文芸時評「文学作品と言論の自由」に笙野頼子「引きこもりて コロナ書く #StayHomeButNotSilent」(「群像」2020年10月号)が取り上げられています。 作者は文芸評論家の岩渕剛さん。 新型コロナウイルスの感染は一向に収束には至っていない。長期にわたる対応が求められる中で、そこから浮かび上がる社会の姿が見えてくる。 笙野頼子 「引きこもりて コロナ書く」(『群像』) は、 この間の政府の施策と照らし合わせながら、自らに見える風景を描いていく。政府の政策は「ひたすら一貫して不動の対策を、或いは無策を、ただもう、ただただもう民を苦しめるために行う」ものだというのである。そこにはTPP(環太平洋連携協定)を推進し、 種苗法を変え、この国を自立できないものにしようとする意図があると、以前からの作者の主張を現在の状況に重ね合わせて述べていく。もちろん、そうした動きに反対する「農民連」の人たちもいて、作者は時々、 国会の前でその人たちと共闘もする。作者はこの事態を書き続けることで、現代を告発していく。 そして作者は、この国の人々の中にある不条理を考える。「なぜ我が国びとは不運な弱者や被害にあった人が姿を現すとその存在自体に怒るのであろうか、そして声をあげると黙らせるのであろうか」。ネットで広がるさまざまなバッシングを捉えながら、それが決して現代だけの特別なものではないことだとして、この国の「伝統」や「土俗」 のありようを問いかける。 確かに、空気のようにある土俗的な呪いそのものが原因ではないか、自覚的に呪い返さなければ自由になれないのではないかという問いかけかもしれませんね。 東京新聞 2020年9月30日(水)夕刊の伊藤氏貴さんの文芸時評にも笙野頼子「引きこもりて コロナ書く」が紹介されています。 「引きこもりてコロナ書く」(「群像」2020年10月号)で、笙野頼子はまさしく難病と闘いつつ、SNSやコロナについての考え方を煮詰める。たとえばコロナによって中止を余儀なくされた近所の「チューリップ祭り」で、人の集まるのを避けるためやむなく花の刈り取られたあとの写真がネットに出回り、それに対する非難が渦巻いた。刈らねばならない人の気持ちを推し量ることなく一方的に責め立てるこの風潮が「今のこの国の土俗、習俗、国民性」

「群像」10月号に笙野頼子「引きこもりてコロナ書く」掲載、エッセイ「お礼とお知らせ近況報告」に追記

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「群像」2020年10月号に、笙野頼子さんの新作小説「引きこもりてコロナ書く#StayHomeButNotSilent」が掲載されました。57pで中編のボリュームです。 ・ 群像公式サイト ・ Amazon: 群像 2020年10 月号 ・ 楽天ブックス: 群像 2020年 10月号 追記: 馬場秀和ブログに感想がアップされています。内容がよくわかります。 『引きこもりてコロナ書く #StayHomeButNotSilent』笙野頼子(「群像」2020年10月号掲載) しかし、菅政権になってから簒奪がさらに露骨になってませんか。 書評は別の記事にまとめました> 赤旗9/29文芸時評と図書新聞10/17に「引きこもりて コロナ書く」、日経新聞9/26夕刊文学周遊に「タイムスリップ・コンビナート」 2月から感染拡大したCOVID-19は、第2波はさらに感染力を増しで9月も感染者が絶えません。 この小説の主人公にもコロナ禍は降りかかります。 なぜ政府は緊急事態宣言を出さねばならぬほど、感染拡大を許したのか。 院内感染で医療崩壊しそうなのに、なぜ84億円の補助金付きの入院ベッド数削減法をそのまま通すのか。 サージカルマスク不足に極薄ガーゼマスク二つ配布で対応するのか。 感染防止のため止むを得ず、80万本のチューリップを刈り取った件に抗議する人たちがいるのか。 なぜ不運な感染者や被害者を見ると怒り、声を上げると黙らせようとする人達がいるのか。 その理解不能な行動を、古代8世紀のケガレと祓いの権力者メンタリティまで遡り、安倍政権ならぬ阿鼻叫喚内閣の正体を土俗視点でそのケガレを国民に押し付ける無責任性を描き出していきます。 だって、ほら、国会を見るがいい。そこにあって現セーフが演じてるあれ。あれはけして、政治でもなんでもない。ただの、くっされ土俗が行うお呪い化したグローバル略奪だ。p85 野党が何を聞いてもまともに答えず、ご飯論法で逃げて強行採決ですからね。 閉店しろ。今の内閣には真先に閉店して貰いたい。何がセーフかお前らこそがもっともアウトでデンジャラスだ。なのでコロナを消すまでにまずお前らが消えろ。p77 安倍首相は8月28日に辞任したのに、次が決まるまで仕事するとか、官房長官がなぜか次期首相候補とか。これじゃ何も変わってない。 アベノマス

東京・中日新聞8/27夕刊「大波小波」に『水晶内制度』

東京・中日新聞2020年8月27日夕刊<大波小波>奇跡の復刊 で、笙野頼子『水晶内制度』が紹介されています。 ● <大波小波> 奇跡の復刊:中日新聞Web  原発の受け入れと引き換えに日本国から独立した女人国「ウラミズモ」に移住した作家の物語である。男との性愛がないばかりか、男は家畜のように放牧され、日本国には少女コンテンツを輸出して荒稼ぎする。そんな超過激なディストピア小説だ。原発と日本の男たちのロリコン文化への洞察は、むしろ今読む方が生々しい。その後の日本の劣化ぶりが逆に見えてくる。  本書の復刊に際して、笙野は三十五頁に及ぶ「作者による解説」を寄せている。新自由主義によって格差と差別が蔓延するようになった日本の状況を振り返りながら、また大塚英志ら「論敵」との論争をたどりながら、本書の再刊を「海の上に燃える炎」のような奇跡と述べている。こんな奇跡の復刊がどんどん続いてほしいものだ。(硝子) 本当に、名作はどんどん復刊してほしい。 記事の冒頭に版元は「自社出版と兼ねて多くの小出版社の本を扱うトランスビューによる直取引代行である」とありますが、 エトセトラブックスは「弊社刊行物はトランスビューのほか、八木書店経由ですべての取次に卸しますので、全国あらゆる書店でお取扱いただけます。」とのこと。 全ての取次で扱っているということは、最寄りの書店で注文できるということですな。

『水晶内制度』8/12復刊&「お礼とお知らせ近況報告」資料室に掲載

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笙野頼子『 水晶内制度』がエトセトラブックスから8月12日より発売です。 蛍光色がまぶしー!帯がでかい。装幀・装画は鈴木千佳子さん。 Amazonや通販は入荷が遅れるらしいので、最寄りの書店or版元のオンラインストアで買う方が早いかもしれません。 ● 水晶内制度 | etc.bookshop ● 『水晶内制度』お取り扱いのある全国書店一覧|etc.books|note 新潮社より2003年7月刊行された本作に加筆修正し、2020年ついに復刊。 書き下ろし35pの解説「作者による解説ーー水晶内制度が復活した」も収録されています。 解説では発表された2003年、第三次「純文学」論争から本作が生まれた経緯を語られてます。 世界観や設定からプライベートな事まで、こんなに書いちゃっていいのと心配したくなる程です。 読売新聞読書委員や野間文芸新人賞の選考をされていた当時から現在までのネオリベ経済への危機感、当時の評価、発表後は同性愛者と勘違いされたりした事など、様々なエピソードも入ってます。 さらに、初めて読まれる方のために本作の取扱説明書まで。 最初の14ページまでが最も難解だから、困難なら58ページあたり開いてみて欲しいそうです。 馬場秀和ブログに書き下ろしの解説がアップされました。本編の方も。 ● 『作者による解説――水晶内制度が復刊した。』(笙野頼子) ● 笙野頼子『水晶内制度』(エトセトラブックス) 内容を丁寧に解説してまとめています。素晴らしい。 そして確かに解説は35Pでした。間違えて34と書いてました。すみません。 書き下ろし読んだ後、改めて小説を読むとまた新たな見方ができて2度美味しい、と思うのですよ。 スクナヒコナからの『海底八幡宮』猫荒神シリーズの流れ、前はわかってなかったな。 あわせて、笙野頼子資料室に復刊のご報告を頂いています。 ● お礼とお知らせ近況報告 :笙野頼子資料室 復刊しました!長きにわたる熱いご所望、紙の本を新品でという絶叫ツイート、しかしここまでの時間が掛かりました。どれほどの困難があったかを言い尽くせません。それでも私にはこの本を復刊する義務も権利もあると思って、大震災後こそ諦めませんでした。お待たせいたしました。自作解説五十枚加えております。  作中に神話の書き換え、ケガレと差別、心の性別、

群像9月号に『会いに行って』書評 吉田知子「悲しいだけ」掲載

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群像2020年9月号 に、吉田知子さんの笙野頼子『会いに行って 静流藤娘紀行』の書評「悲しいだけ」が掲載されています。 吉田知子さんといえば、『会いに行って 静流藤娘紀行』にお名前が何度も登場されています。 ところで、……吉田知子さんが同人誌「バル」を送ってくださった。「群像」読者ならばご存知のはずだが、浜松出身で師匠と親交があり、師匠に見いだされた作家である。彼女の作品を私はどれも好きで特に代表作の中では『お供え』が好きだ。「バル」には吉田さんの他に清水良典さんが随筆を書いている。p85 師匠、師匠、師匠の生まれた地と育った地の濃い光強い緑、けして水割りではない強い空気、それはたった何回か行っただけでも、私を変えました。用宗の海も、五十海の湿度も、師匠のお家のお庭の紅葉のあり方までとても、心に皮膚に、残りました、なので、その上で言いますよ、地方とは何か?それはけして東京の道具、中央の搾取対象、などではない。物事の本質である大切な細部、器官なき身体の飛び跳ね回るところである、だからこそそこには、吉田知子がいて、小川国夫が育ち、その特異な小説を群生させたのか。p179 このように藤枝静男とご縁の深い方が書評を書いてくださるとは。 冒頭は藤枝氏の病院から始まります。 昭和二十年代、待合室も診療室も人でごった返していたと。二、三ヶ月に一度、病院で昼休みにお会いしていたとか。 芥川賞受賞された時のこと、浜松にきた編集者や作家をもてなすため氏に何度も呼び出された話や、氏のお気に入りの壺や書「観玄虚」を頂いた話も。 去年手紙や写真を整理したら氏と一緒の写真が百枚以上あったこと。 夫婦で藤枝邸でご馳走になったり、家に氏が来られたりしていたと。 こうやっていろいろ書き、笙野さんの本を読み返し、その間中、ずっともやもやした心持ちがあった。それは何かというと藤枝さんのことをこんなに大事に思ってもらって本当にありがたいという気持ちである。私がいうのは変に決まっているが、どうしても言いたい。おそらく身内意識なのだろう。弟子でも師匠でもなく文学関係でもない。身内。そうだとすると、何かというたびこちらの都合お構いなしで呼び出されたのも納得できるのだ。身内だから当然だったのだ  藤枝さんが亡くなって寂しい。もう呼び出されることはない。悲しい。 弟子でもなく身内。藤枝ファミリー

毎日新聞7/29文芸時評に『会いに行って』

毎日新聞2020年7月29日(水) 夕刊の文芸時評7月 田中和生「遠藤周作の未発表小説 新たな読みを喚起」で笙野頼子『会いに行って 静流藤娘紀行』が紹介されています。 文芸時評:7月 遠藤周作の未発表小説 新たな読みを喚起=田中和生 - 毎日新聞  新たな読みを喚起するという意味では、笙野頼子が藤枝静男について語った『会いに行って 静流藤娘紀行』(講談社) も、注目に値する。八一年に群像新人賞を受けてデビューした笙野は、選考委員だった藤枝静男に見出されたと言っていいが、それ以来私淑することになった作家の姿と文学を縦横に論じている。志賀直哉に師事し高井孝作の影響を受けた藤技は特殊な私小説作家と目されるが、笙野はその代表作である『田神有楽(七六年)』に真の「私小説」を見出している。  作中で藤枝を「師匠」と呼ぶ作者自身を思わせる語り手は、この作品が私的な経験や個人的に得た資料を駆使して「師匠」について書く、私小説ならぬ「師匠説」だと宣言する。そして藤枝が九三年に亡くなるまでの姿や、その前後で変わらずに影響を受けてきた作品の凄みを、作者自身の記憶と近況も交えながら語る。中盤の天皇制をめぐる議論も興味深いが、 荒唐無稽でSFのような『田紳有楽』の世界が実は「私」の真実しか書かれていない「私小説」だと示していく手際が鮮やか。志賀直哉、藤枝静男、小川国夫、笙野頼子とつづく、文学史的な系譜が見え、そこでの藤枝の重要さが浮き彫りになる、作家が一度しか書けない決定的な「師匠=私小」説だ。 内容もコンパクトにまとめ、藤枝静男を知らない人にもわかりやすく解説していて良いですね。

8/12『水晶内制度』復刊、エッセイ「「会いに行って」書いた」全文公開

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エトセトラブックス より笙野頼子『水晶内制度』復刊、情報きましたよ! 8月12日発売予定、書き下ろし自作解説が50枚だ!312p、2400円+税。 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909910073 もう書影も出てる。出版社の書誌情報も。 水晶内制度 | book | エトセトラブックス / フェミニズムにかかわる様々な本を届ける出版社 そして8/12(水)発売予定と出版社から告知きました。 フェミニズムの名著2冊を復刊します!|etc.books|note ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの 情熱の政治学』(堀田碧訳)と同時発売。 本書には、笙野頼子さん渾身の書き下ろし、自作解説一挙50枚を収録します。すごいです。ハイコンテクストで難解なイメージがある笙野作品ですが、なんと今回の自作解説では、作家自ら「*ページから読んで、次は*ページへ、そして*ページに戻ってみて…」という、この作品を読むための「取説」まで盛り込んでくださいました。 これでもう誤読できないですね。楽しみ。 第3回Sense of Gender賞受賞のコメントも紹介されています。 大賞 笙野頼子『水晶内制度』|ジェンダーSF研究会 受賞作は、ポリネシア神話のフェミニズム的読解に挑戦したもので、世界全体の女性SF、というより女性文学の流れから見れば、日本でもいつかは誰かが手がけるだろうということが予想出来た内容です。神話解釈もロジックにのっとった自然なもので、他の国でもきっと同じパターンの作品が出て来るでしょう。でも 何とか一番先に書きたいものだと思って完成させました。 あと私は最後の寒いギャグも好きです。 エッセイ「「会いに行って」書いた」全文がネットで公開されてます。7/11から。 6月の新刊『 会いに行って 静流藤娘紀行 』について、講談社のPR誌「本」2020年7月号に掲載されたもの。 https://news.kodansha.co.jp/8323 出だしから泣かせるんですよ。おすすめ。 「この大切な記憶を何度書き直しても、或いは何度語っても所詮現実ではこう言うしかない。彼には「一度しか会っていない」、二度目に会いに行った時、私の、心の師匠はもういなかった。お骨になっていた。お葬式の日の藤枝の緑は濃く、浜松の空は高く澄んで青く明るかっ

『会いに行って』ミルキィ・イソベさんの装幀裏話公開

講談社がエッセイ連載してるサイト「tree」があるそうで。 プロのデザイナーが「本」のデザインについて語るコーナー『装幀のあとがき』にて、ミルキィ・イソベさんが笙野頼子『会いに行って 静流藤娘紀行』の制作裏話を公開されています。 装丁のあとがき|その装幀から、人間関係が浮かび立ってくるように『会いに行って』/ミルキィ・イソベ カバーデザインのラフ案5つ タイトルのタイポグラフィの意味 藤色やめ、藤枝静男の生地の海と空の青をメインに 初版の花布としおりの色が指定と違う仕上がりに 藤枝静男だけでなく、関わる人達の交流から完成した小説だから「こうした人々との出会い触れ合いによる心情をも感じさせる文字のかたち、格式と優しさとを湛えたタイポグラフィで構成することにした。」と言うのが印象深い。 確かに黒文字なのに柔らかなデザイン。著者の語る師匠像とも通じるものがあります。 ラフでは藤色にだったのも面白いですね。 最後に「しおりが青のつもりで開いてくださいね」とありますが、これは読者の想像力が試されてる。なんとか青く思えるようにがんばってみますw

講談社PR誌「本」7月号にエッセイ「「会いに行って」書いた」掲載

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講談社のPR誌「本」2020年7月号に、笙野頼子さんのエッセイ「「会いに行って」書いた」が掲載されています。見開き2ページ。 (追記) 講談社BOOK倶楽部の今日のおすすめ(7/11)で、エッセイ全文が公開されました。 藤枝静男の弟子が神に捧げる「師匠説」、『会いに行って』著者エッセイ|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部 6/16に出たばかりの新刊、藤枝静男の私小説を語る私小説『 会いに行って 静流藤娘紀行 』について語ってます。タイトルの短さがすでに藤枝風。 内容もいつもの「「Let me entertain you」のサービス精神を忘れない書きぶり」(byブレイディみかこさん)とは、出だしから違います。  この大切な記憶を何度書き直しても、或いは何度語っても所詮現実ではこう言うしかない。彼には「一度しか会っていない」、二度目に会いに行った時、私の、心の師匠はもういなかった。お骨になっていた。お葬式の日の藤枝の緑は濃く、浜松の空は高く澄んで青く明るかった。用宗の海も澄んで青く、色は淡いけれどこれは銀色を浮かべ、光を飲み干したブルーだった。私はこの輝く青と青に吸い取られた。  五十海の岳叟寺にたどり着いて、お骨になったその姿をみた時、私の号泣は始まってしまった。まさか自分がこんなに泣くとは思っ ていなかった。でもどうしても、のどがまっぷたつになった。つまり生涯、これは忘れられないこと。彼は昔、私のために号泣してくれたのだ。その思い掛けぬ擁護が、私の人生を変えた。 群像新人文学賞で彼が激賞し論争し号泣してくれたこと、作者を「五十代の男性」と思い込んでいたこと、師匠に見出された事が何度も助けになったこと。十年後やっと本がでた時には入院され、会うことは迷惑になっていたことなど綴られていきます。 そしてやっと会いに行ったら、......  儀式が終わると泣きながら帰りの電車に乗った。藤枝駅から浜松駅まで来た時泣き止んでいた。独特の青い空を貪るように見た。  あの日泣いていると全身からありもしない彼の記憶が生まれて 「蘇え」った。彼のいた風景、湿度、知っている人々や代々のお寺、 海、空、山、大木、大地、仏像、その土地の精霊、それらをすべて 私は受け取って帰った。しかも本当に「会ってきた」感触がどこかにあった。今思えば上の、病院を継いだお嬢さんが師匠とそっくりだった。外科医的

『会いに行って 静流藤娘紀行』感想まとめ

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笙野頼子『 会いに行って 静流藤娘紀行 』が6月16日刊行されました。 電子書籍は17日より配信しています。  記事内もくじ   ・書籍情報  ・内容  ・ 感想リンク集  ・ 書評  ・ 参考文献ともくじ  ・ 装幀の話 『会いに行って 静流藤娘紀行』|講談社BOOK倶楽部 初出:「群像」2019年5月号、7月号、9月号、11月号、12月号。 装画:青木鐵夫さんの「ベンチ」( 藤枝静男 年譜・著作年表 の方。 笙野頼子著書一覧 まで作成) 表紙はがき:日本近代文学館蔵 装幀:ミルキィ・イソベ+安倍晴美[ステュディオ・パラボリカ]。 初版のしおりと花布、装幀者の指定と違ってしまったそうです。 (参照: 近況ご報告 新刊についてのお知らせいろいろ | 笙野頼子資料室 装丁のあとがき|『会いに行って』/ミルキィ・イソベ|tree ) 本書は群像の連作「会いに行ってーー静流藤娘紀行」全5回をまとめたもの。 作中で言及される追悼文と文芸文庫『田紳有楽』の紹介記事↓も収録されています。 ・「会いに行った──藤枝静男」(「群像」1993年7月号) ・「二十六年前会った「神様」」(「朝日新聞」2007年2月25日) 私小説を徹底し新境地を開いた小説家・藤枝静男について、笙野さんが「私小説」ならぬ「師匠説」を展開していく本作。 なぜ藤枝氏なのか。それは群像新人賞選考でデビュー作「極楽」を激推しされたからなのです。まさに文学の師。 作中、我が文学の師、 師匠の生涯と彼の「私小説」について、追ってゆく予定である。さて、ここで造語して言う。今から書くものを私は、 師匠説と呼ぶ。その上でこの、師匠説を書いてゆく。というのも師匠のような「私小説」を私は書けないから。そこで今回は彼に寄生して書く。 師匠説、それは要するに作家論には とても足りない自説に過ぎないものだ。でも、自分の師匠について書いたフィクションにして、論説である。ちなみにそれはけして大きい説ではなく、小さい説ばかりを綴るのみならず、そのすべてが、自説、私説に過ぎない。要は私の師匠についての、私的すぎる小説。さらに正確に言えば私淑師匠小説、というべきものである。 本作は「師匠」のテキストに寄せて「私的すぎる小説」は進みます。 藤枝の経歴、師匠との出会い。『志賀直哉・天皇・中野重治』か

笙野頼子エッセイ「近況ご報告 新刊についてのお知らせいろいろ」資料室に掲載

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笙野頼子さんのお知らせを6/15より資料室に掲載しています。 「近況ご報告 新刊についてのお知らせいろいろ」 https://restless.adrgm.com/text/kinkyo20200615.html  ・『 会いに行って 静流藤娘紀行 』見本ができた  ・装丁:ミルキィ・イソベさん、装画:青木鐡夫さん  ・本書は実は表紙にサプライスが  ・手違いでしおり紐と花布が、装丁者の指定と違う色で製造された  ・三部だけ本来の装丁の製本、その写真を追加予定 「 藤枝静男 年譜・著作年表 」運営の青木鐡夫さんの装画だったんですね。これは完璧だ!と思ったら…。 しかし残念なご報告が一つ、さる手違いにより、 花布とスピンの色がミルキィさんの指定と違っているのです 「お知らせばかりの近況報告」では https://restless.adrgm.com/text/kinkyo202005.html 通常は本が出来上がってから会社へ書きに行くのですが 今回はここもコロナ対応 製本前の見返しを家に送ってきて先に私がサインしてしまうのだそうです(その後製本) すでに担当は在宅勤務、校閲から何から普段と違います ともかく感染を防ぐため接触を避けて作りました とありましたが、まさか新型コロナ対策の新しい生活様式で装幀に手違いが生じるとはorz

『会いに行って』電子版 6/17配信

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笙野頼子『 会いに行って 静流藤娘紀行 』電子書籍版に書影がアップされています。 セピアなイラストに水色の帯がきれいですね。 電子版は6月17日から配信予定、通販ショップで予約開始されています。¥1600(税抜) 。 本と同時発売だよ!

笙野頼子エッセイ「近況報告番外編 サツマイモを守れ」資料室に掲載

笙野頼子さんのエッセイ「近況報告番外編 サツマイモを守れ」を5月26日から資料室に掲載させていただきました。 ・ 近況報告番外編 サツマイモを守れ https://restless.adrgm.com/text/kinkyo20200526.html 種苗法改正案が通れば、サツマイモ農家が打撃を受けるという話。 福山和人さんが指摘する問題点とはこちらかしら。 種苗法を改正して自家採種を原則禁止しても種苗の海外持出しは防げない。種苗法は国内法にすぎず海外で取締りが出来ないからだ。それを防ぐには海外で品種登録するしかない。それは農水省も認めている。持出しを防ぐために法改正する等と担当大臣が誤った発信をすべきでない https://t.co/YggQQlNZfn — 福山和人 (@kaz_fukuyama) May 22, 2020 種苗法改定は影響ない? 沖縄ではサトウキビ10品種のうち9品種が登録品種。農水省は登録品種は10%というが実際は90%。他の都道府県でも登録品種は10%どころではなく穀類とイチゴ、枝豆、果樹などでは自家増殖できる品種より登録品種が圧倒 印鑰智哉氏のブログより https://t.co/tJrQKzlLFI — 福山和人 (@kaz_fukuyama) May 24, 2020 種苗の海外持出しは防ぐべきだが ①自家採種禁止で防げない ②農家等の意見集約不十分 ③いずれ全部禁止の恐れ ④小規模家族農家の自家採種権禁止は国連条約違反 ⑤国内育種者と海外巨大アグリビジネスを同列視する疑問 ⑥地域で栽培品種が違うのに一律規制 等の問題がある https://t.co/ZVNjfikKZ0 — 福山和人 (@kaz_fukuyama) May 24, 2020 自家採取制限は登録品種の1割だけと言いながら、一般的な品種から考えると9割って何それ。 さつまいもと米の品種だけ見ても人気のが指定されてるよ。 しかもこれを切り捨てても今問題視されている 新種高級フルーツの著作権を守れない 国内の法律では海外の犯罪者を取り締まれませんからね。 なぜこれで海外持ち出しを制限できると主張するのか謎。 フルーツ輸出も大事だけど、まずは国内の食料自給率をアップして、新型コロナ流行に備えるのが先でしょ。また野菜が高騰したり、小麦粉が品切れになるのはごめんだぜ。

『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』5/23発売

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河出書房新社から5月23日発売された『 思想としての〈新型コロナウイルス禍〉 』に、笙野頼子さんの短編小説が収録されています。 思想としての〈新型コロナウイルス禍〉河出書房新社編集部|河出書房新社 「コロナウイルスは人類を未曽有の危機へおいやろうとしている。感染症と文明、人間と病気などをめぐって、この危機がなげかける問いに思想家、専門家たちが向きあう」著者18名によるアンソロジーです。もくじは以下。 大澤真幸・論考「不可能なことだけが危機をこえる 連帯・人新世・倫理・神的暴力」 仲野徹・インタビュー「オオカミが来た! 正しく怖がることはできるのか」 長沼毅・論考「コロナウイルスで変わる世界」 宮沢孝幸・論考「新型コロナウイルスは社会構造の進化をもたらすのか」 椹木野衣・インタビュー「「ポスト・パンデミックの人類史的転換」 与那覇潤・論考「歴史が切れた後に 感染爆発するニヒリズム」 笙野頼子「台所な脳で? Died Corona No Day」 酒井隆史・論考「パンデミック、 あるいは〈資本〉 とその宿主 」 小川さやか・論考「資本主義経済のなかに迂回路をひらく タンザニアの人々の危機への対処から」 木澤佐登志・論考「統治・功利・AI アフターコロナにおけるポストヒューマニティ」 樋口恭介・論考「Enduring Life(inn the time of Corona)」 綿野恵太 ・論考「「ウンコ味のカレーか、カレー味のウンコか」?という究極の選択には「カレー味のカレー」を求めるべきである。」 工藤丈輝・エッセイ「流感・舞踏」 小泉義之 ・論考「自然状態の純粋暴力における法と正義」 江川隆男・論考「自由意志なき 〈自由への道〉行動変容から欲望変質へ」 石川義正・論考「人間に固有の原理としての愚劣」 堀千晶・論考「感染症と階級意識」 白石嘉治×栗原康・対話「カタストロフを思考せよ」 浪速大学医学部病理学教授の仲野徹さん、京大ウイルス再生医科学研究所の宮沢孝幸さんも参加されておられる。デザインは中島浩さん。 笙野頼子さんの新作小説「台所な脳で? Died Corona No Day」は12ページ。 私の夢に現れた中野重治に21世紀を説明する形で、COVID-19パンデミックという災厄を千載一遇のチャンスと利益誘導するばかりの新自由主

笙野頼子エッセイ「お知らせばかりの近況報告」資料室に掲載

笙野頼子さんのエッセイ「お知らせばかりの近況報告」を5月7日から資料室に掲載させていただきました。 お知らせばかりの近況報告 | 笙野頼子資料室 https://restless.adrgm.com/text/kinkyo202005.html 新刊情報と飼猫ピジョンさんの近況などお知らせ7つ。&猫さん画像二つ。 何より笙野さんがご無事で一安心ですが、COVID-19の影響で変更を余儀なくされています。 情報をまとめると ・河出『思想としてのコロナウィルス禍』短編小説 5月末刊行 ・講談社『会いに行ってーー静流藤娘紀行』6月18日刊行 ・群像のための短編を執筆中 ・夏に『水晶内制度』エトセトラブックスで復刊(著者解説60枚) ・護憲本>未定 ・文藝しばらくお休み 内容は番号付で7章に分かれているので、わかりやすいです。 1新刊『会いに行ってーー静流藤娘紀行』、刊行が一か月遅れ六月十八日に(コロナ対応です) その一方、なぜかサイン本を七十冊も作ることに いよいよ版元ドットコムやAmazonに発売日出ましたよ! ・ 会いに行って 静流藤娘紀行 笙野頼子 講談社|版元ドットコム ・ 会いに行って 静流藤娘紀行|Amazon予約ページ 70冊のサイン本の作り方が斬新。 製本前の見返しを家に送ってきて先に私がサインしてしまうのだそうです(その後製本) 見返しにサイン、製本。組み立てる前のプラモデルにサインしてるみたいでおもしろい。 2水晶内制度、エトセトラブックスから復刊いたします。 エトセトラブックス のtwitterで『水晶内制度』の復刊のお知らせが。 ココシバのインスタライブご視聴の皆様、ありがとうございました。その中でお話しした、夏に弊社から復刊する2冊はこちらです。引き継いだものを、必ず皆さんにお届けしますね。 pic.twitter.com/DjW4Os6NJv — エトセトラブックス (@__etcbooks) May 1, 2020 よく見たら本は帯付き。著者解説60枚つくそうなので夏が楽しみ。 3河出の『思想としてのコロナウィルス禍』に短編小説を発表しています 最初はエッセイの予定でしたが書きだしから小説になってしまったのでそのまま仕上げました ・ 思想としての〈新型コロナウイルス禍〉河出書房新社編集部|河

『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』に短編小説収録

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河出書房新社から5月27日発売予定の『 思想としての〈新型コロナウイルス禍〉 』に、笙野頼子さんが参加されています。 思想としての〈新型コロナウイルス禍〉河出書房新社編集部|河出書房新社 「コロナウイルスは人類を未曽有の危機へおいやろうとしている。感染症と文明、人間と病気などをめぐって、この危機がなげかける問いに思想家、専門家たちが向きあう」という著者18名によるCOVID-19のテキスト集です。 そこに、笙野頼子「台所な脳で? Died Corona No Day」が収録されています。短編小説33枚! 大澤真幸「不可能なことだけが危機をこえる 連帯・人新世・倫理・神的暴力」 仲野徹「オオカミが来た! 正しく怖がることはできるのか」 長沼毅「コロナウイルスで変わる世界」 宮沢孝幸「新型コロナウイルスは社会構造の進化をもたらすのか」 椹木野衣「ポスト・パンデミックの人類史的転換」 与那覇潤「歴史が切れた後に 感染爆発するニヒリズム12」 笙野頼子「台所な脳で? Died Corona No Day」 酒井隆史「パンデミック、 資本 とその欲望 〈〉」 小川さやか「資本主義経済のなかに迂回路をひらく タンザニアの人々の危機への対処から」 木澤佐登志「統治・功利・AI アフターコロナにおけるポストヒューマニティ」 綿野恵太 「「ウンコ味のカレーか、カレー味のウンコか」?という究極の選択には「カレー味のカレー」を求めるべきである。」 樋口恭介「Enduring Life(inn the time of Corona)」 工藤丈輝「流感・舞踏」 小泉義之「自然状態の純粋暴力における法と正義」 江川隆男「自由意志なき 自由への道 〈〉行動変容から欲望変質へ」 石川義正「人間に固有の原理としての愚劣」 堀千晶「感染症と階級意識」 白石嘉治×栗原康「カタストロフを思考せよ」 浪速大学医学部病理学教授の仲野徹さん、京大ウイルス再生医科学研究所の宮沢孝幸さんも参加されておられる。 もくじを見るだけでも中々の迫力です。 思想哲学系に参加されるのは、「現代思想」2007年3月号の笙野頼子特集、『ドゥルーズ 没後20年 新たなる転回』2015以来かもですね。

『会いに行って 静流藤娘紀行』6/18発売

講談社BOOK倶楽部「新刊書籍発売予定表」5月分に、 http://bookclub.kodansha.co.jp/calendar 笙野頼子『会いに行って 静流藤娘紀行』2020年5月15日発売予定とあります。 (公式サイトに清流藤娘紀行とありますが、誤字ですね) 修正されました (5/7追記) 発売日が6月18日に変更されました。 新刊情報やAmazonにもページができましたよ。 会いに行って 静流藤娘紀行 笙野 頼子|講談社|版元ドットコム 会いに行って 静流藤娘紀行 | 笙野 頼子 |Amazon (4/16追記) 発売日が2020年6月に変更されるとか。 4/7に新型コロナウイルス感染症緊急事事態宣言があり書店が休業、出版の方も大きく影響を受けているようです。 飲食店も自粛・学校も休校で大変だと思いますが、発売の方何卒よろしくお願いします。 (「感染症が流行している時だからstayhomeして、いつでもいいよ」とは言わない、狭量なファンをお許しください) 2019年4月から群像で掲載された連作小説「会いに行ってーー静流藤娘紀行」の書籍化きました! 群像5月号新連作「会いに行ってーー静流藤娘紀行」開始

誕生日おめでとうございます

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3月16日の今日は笙野頼子さんの誕生日です。おめでとうございます! 心よりお祝い申し上げます。 つバイカル子アザラシもふもふ動画 鳥羽水族館(TOBA AQUARIUM)#バイカルアザラシ #休園中の動物園水族館 鳥羽水族館(TOBA AQUARIUM)【今日の赤ちゃん】ミルクを飲んだら手をゴシゴシ!! サンシャイン水族館のメロ#休園中の動物園水族館

笙野頼子エッセイ「お知らせ主体の近況報告」資料室に掲載

笙野頼子さんより近況報告を頂きました。02月22日から笙野頼子資料室に掲載しています。 お知らせ主体の近況報告 | 笙野頼子資料室 お知らせが4つ、飼い猫ピジョンさん画像3つ載っていますよ。 最新情報をまとめると、 ・「会いに行ってーー静流藤娘紀行」 5月書籍化(挿絵がある?!) ・猫写真集が長編小説「猫沼」に変更され刊行予定(260枚!) ・夏に出る復刊本の著者解説六十枚 ・佐倉市日本共産党後援会花しょうぶ通信 エッセイ千字 2018年7月の 「近況ご報告その他」 の末尾に 実はミルキィ・イソベさんが今度私の猫の写真集(書きたし小説百枚と未収録作品)を出してくださる とあった写真+書き下ろし小説本が、260枚長編小説「猫沼」+猫小冊子に進化するという話ですね。 2020年は新作二冊出るかも?楽しみですね! 群像の最終回でもそうでしたが、体調がお悪い様子、遠方の講演などお断りしているそうです。 (ニューヨークでの講演依頼とかあるんだ…) 一年半後の憲法本のフィールドワーク等お仕事でお疲れなんですね(ぜひとも読んで見たい)。 そしてやはり飼い猫ピジョンさんは絶叫系でエステ好きとは。

2/14「小山田浩子の本棚掘り」で「猫キッチン荒神」書評

2020年2月14日の中国新聞CUEにて笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』が紹介されました。 危機的な現代 警鐘/小山田浩子の本棚掘り|中国新聞CUEオンライン 「小山田浩子の本棚掘り」というコーナーでは、小山田浩子さんが毎月決まったテーマで本を紹介されるそうで、今月は立ち止まって生活について考える一冊。 本書は、日本の家庭の歪みが凝集したような家族関係を生き抜き論争に立ち向かいようやく手に入れた穏やかで幸せな居場所=自宅台所にて自分と猫のため安全な食材を使って食べたい料理を作り小説を書いて暮らす作家の「身辺雑記」だ。とはいえ普通の身辺雑記でないことは題名からもわかる。本書は台所を脅かす危機、人間が「お金や数字と見なされて数え上げられ」る世界経済の潮流への反旗でもある。 さすが小説家。正確な読解と解説。(神話系・荒神系がカットされていますが、入れると文字数オーバーしそうです)  ろくに審議も報道もされないまま進行する自由貿易の協定、TPPやFTAやEPAやらによる農漁畜産製造小売業への壊滅的影響、医療や保険や薬価の高騰に作家は警鐘を鳴らす。貧困や戦争は常にまず弱い庶民、病人老人障害のある人赤子幼児のいる家庭、中央から離れた地方を襲う。となれば彼女の台所も猫も、つまり私の台所もあなたの家族も無関係ではいられない。 2017年刊の本書が予言した危機は現実となりつつある。福祉や人権より経済が優先され富者が潤い貧者が増えている実感、閉塞感や憎悪がヘイトや差別として噴出している実感を、あなたはお持ちではないだろうか? 地方の災害や困難(あの中国地方の、千葉の関西の熊本の北海道の東北の沖縄の)を伝える報道の少なさ無関心さに疑問を覚えたことは? 生産性が問われ、子供をつくらない労働できない家がない介助なしに生きられない人々を排除する論調や事件に不安は? もう不安しかないですよ。こんな的確でわかりやすくホットな書評が読めるなんて、広島の人達はいいですね。

笙野頼子著書一覧が藤枝静男年譜HPに掲載

青木鐵夫さんの「 藤枝静男 年譜・著作年表 」の付録に2/8より 笙野頼子著書一覧 が掲載されています。 PDFなので注意。 書影と著作名と収録作など刊行情報が一覧にまとまっています。 解説や装幀の情報まで一目で確認できる優れものです。 あの短編どこに収録されていたか思い出せない時も、PDFを検索すればすむという手軽さ。 数を数える習慣がなく、今まで笙野本が何冊出版されているか知らなかったのですが、57冊も出されていたのですね。凄い。静流藤娘紀行で58冊目になるんですね。 さらに、年譜・著作年表には2019年分が追加され、笙野頼子「会いに行って──静流藤娘紀行」の情報が掲載されています。 藤枝静男 年譜・著作年表 2019年分 青木鐵夫さんが発見した直筆ハガキの画像もアップされています。 連作第五回で引用されてた、あの藤枝静男直筆葉書ですよ。これで解説していた筆跡もネットで見られます。有難すぎ。 ちなみに、笙野頼子ゐきにも著作名と刊行情報の一覧、どなたか作って下さっているのですよね。 Books/List - 笙野頼子ゐき - Seesaa Wiki(ウィキ) よく拝見しています。