「群像」10月号に笙野頼子「引きこもりてコロナ書く」掲載、エッセイ「お礼とお知らせ近況報告」に追記

「群像」2020年10月号に、笙野頼子さんの新作小説「引きこもりてコロナ書く#StayHomeButNotSilent」が掲載されました。57pで中編のボリュームです。
群像公式サイト
Amazon: 群像 2020年10 月号
楽天ブックス: 群像 2020年 10月号

追記:
馬場秀和ブログに感想がアップされています。内容がよくわかります。
『引きこもりてコロナ書く #StayHomeButNotSilent』笙野頼子(「群像」2020年10月号掲載)
しかし、菅政権になってから簒奪がさらに露骨になってませんか。

書評は別の記事にまとめました>
赤旗9/29文芸時評と図書新聞10/17に「引きこもりて コロナ書く」、日経新聞9/26夕刊文学周遊に「タイムスリップ・コンビナート」

2月から感染拡大したCOVID-19は、第2波はさらに感染力を増しで9月も感染者が絶えません。
この小説の主人公にもコロナ禍は降りかかります。
なぜ政府は緊急事態宣言を出さねばならぬほど、感染拡大を許したのか。
院内感染で医療崩壊しそうなのに、なぜ84億円の補助金付きの入院ベッド数削減法をそのまま通すのか。
サージカルマスク不足に極薄ガーゼマスク二つ配布で対応するのか。
感染防止のため止むを得ず、80万本のチューリップを刈り取った件に抗議する人たちがいるのか。
なぜ不運な感染者や被害者を見ると怒り、声を上げると黙らせようとする人達がいるのか。
その理解不能な行動を、古代8世紀のケガレと祓いの権力者メンタリティまで遡り、安倍政権ならぬ阿鼻叫喚内閣の正体を土俗視点でそのケガレを国民に押し付ける無責任性を描き出していきます。

だって、ほら、国会を見るがいい。そこにあって現セーフが演じてるあれ。あれはけして、政治でもなんでもない。ただの、くっされ土俗が行うお呪い化したグローバル略奪だ。p85

野党が何を聞いてもまともに答えず、ご飯論法で逃げて強行採決ですからね。

閉店しろ。今の内閣には真先に閉店して貰いたい。何がセーフかお前らこそがもっともアウトでデンジャラスだ。なのでコロナを消すまでにまずお前らが消えろ。p77

安倍首相は8月28日に辞任したのに、次が決まるまで仕事するとか、官房長官がなぜか次期首相候補とか。これじゃ何も変わってない。 アベノマスクの首謀者は今井内閣総理大臣補佐官なんだから、官邸官僚こみで閉店してもらわないとコロナ禍は終わらないですよマジで。

ちなみに、副題は4月のデモにネットで連帯するためのスローガン。
https://sanjosepeace.org/stay-home-but-not-silent/
農民連女性部Twitterアカウントの背景画像にも採用されていました。
春は学校休校やイベント中止、緊急事態宣言(実質ロックダウン)で、感染防止のため「stay home」が叫ばれていました。
それでもデモをする、バーチャルデモをしようと、SNSで様々なデモが行われていましたね。
検察定年延期反対、種苗法改悪反対、安倍やめろデモなどなど。

この猛暑に農民連は眼鏡マスクでまたスタンディングをしていた(無理せんといて!)。私は?
 引き続き身の回りを書いてゆくしかない。引きこもりは続く。阿鼻セーフが倒れるように呪文を書いてゆく。p125

さらにさらに。
笙野頼子資料室の笙野頼子さんのエッセイ「お礼とお知らせ近況報告」に追記部分をアップしました。
猫さん写真も一枚追加してますよ!
お礼とお知らせ近況報告 | 笙野頼子資料室 上の群像十月号の小説百六十枚について。

コロナ、マスク、種苗法改悪と農民連について、……つまりこれはひとりの市民の目から見た阿鼻叫喚内閣の小さい総括です。

11月刊行予定「海獣、呼ぶ植物、夢の死体」初期幻想小説集(仮)」文芸文庫の目次もありますよ。
書き下ろしの短編小説も収録予定だそうです。
晩秋刊行予定の長編「猫沼」についての追加情報も。どんな本になるのか楽しみですね。

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