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笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』10/25発売&感想リンク

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笙野頼子さんから新刊『ウラミズモ奴隷選挙』をご恵贈賜りました。ありがとうございます!
装幀はもちろん、ミルキィ・イソベ+安倍晴美(スチュディオ・パラボリカ)ですよ!

ウラミズモの白梅学園にちなみ?白梅と真昼の月をモチーフにした、明るくも怖ろしさを併せ持つデザインでクール。

折返しには主な登場人物が紹介されているので、途中で誰か分からなくなっても安心です。

本書は「文藝」2018年秋号に掲載された、TPP警告長編「ウラミズモ奴隷選挙」を収録。
「だいにっほん」三部作のスピンオフ『ひょうすべの国』の続編。
2016年にTPP批准され、水道法改悪、種子法廃止、働き方改革は悪法化し、人口の75%が奴隷の「にっほん」。
女人国「ウラミズモ」は、選挙で「民主的に」国家戦略特区を占拠していた。
ウラミズモ領土となったS倉では、エリート白梅高校ではオストラの最終決定が行われようとしていた。
「にっほん」凶悪犯罪者を管理する男性保護牧場の実質的ボスであり移民である市川房代、彼女を尋ねる一千年以上生きる姫神、生え抜きエリート高校生・猫沼きぬと又尾銀鈴の語りやメールが交錯し、一見平和なウラミズモ社会とTPP地獄の「にっほん」が描かれていきます。

『植民人喰い条約 ひょうすべの国』の続編ではありますが、知らなくてもわかるよう前書きで解説されています。
公式サイトの内容紹介or帯文を読めば、過去作忘れちゃった人もバッチリ内容についていけますよー。
収録内容前書き「初読み?大丈夫、ようこそウラミズモへ」11p
「ウラミズモ奴隷選挙」(「文藝」2018年秋号)
「後書き 離脱への道」5p
「次回予告ーー作者、欲望のままに」7p
資料
Web河出[書き下ろし短篇小説]ウラミズモ、今ここに
笙野頼子資料室「近況ご報告その他」
・参議院議員・野村哲郎、河野太郎へのメール
・文藝家協会評議会への手紙

前書きでは、注意点がひとつ。
まず、このTPPというものを単独のひとつだけの恐怖とは取らないでお読みください。いわゆるメガ自由貿易全体の問題として捉えてください。このTPPには沢山の仲間があり、その名をRCEPと行ったり日米FTAと言ったり、日欧EPAと言ったりTiSAと言ったりします。この全部がほぼ、結果的には同じ、メガ自由貿易の災難なのだと、思ってください。例えばもし私がTPP怖いと言っていたら、ここ…

岡和田晃公式サイトに笙野頼子さんのコメントが掲載

岡和田晃公式サイトに笙野頼子さんのコメントが掲載されています。
「アホフェミ」について(笙野頼子さんの見解) - Flying to Wake Island 岡和田晃公式サイト(新)
イカフェミの意味について解説しておられます。
イカフェミは拙作に登場する偽のフェミニズム、イカサマのイカ、偽という意味、それは原初的な女性の戦い、怒り、悲しみを乗っ取ってその本質や大切な部分を、無効化してしまう捕獲装置である。マスコミや研究の腐敗によって、本質を欠いたまま形骸化、巨大化したものである。これをすでにフェミではないとして小説の中で、私は十年以上前から批判している。『だいにっほん、おんたこめいわく史』が出た2006年前後からずっと批判されています。
そういえば「だいにっほん」三部作の続編で「いかふぇみうんざり考」を出すという話もありましたね。それが今「ひょうすべの国」「ウラミズモ奴隷選挙」という形になっているのでしょうか。

新宿ベルクの話はこちらにまとめられているようです。
新宿ベルクはなぜ炎上したのか わたしがモンスタークレーマーに仕立て上げられるまで - 新宿ベルクはなぜ炎上したのか

ツイートはこちらでしょうか。
「イカフェミ(笙野頼子・作)」があるんだから「アホフェミ」も普通にありでしょなにこだわってるのか— 森川暁夫 (@tokiomori1) October 17, 2018
反権力ブリッコしながら権力追従する姿をタコグルメ・おんたこと命名し、その一種としてイカフェミを描いたというのは、著作を読めば明確。
『レストレス・ドリーム』で「バカ女」という言葉を解体しているし、読んでたら普通になしと思えるはずなのですが。

web河出に笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』内容紹介と著者コメント

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最新作『ウラミズモ奴隷選挙』発売を10/24に控えて、「web河出」に笙野頼子さんのコメントが掲載されています。
奴隷国だ!「にっほん」には奴隷しかいない! ーー笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』発売迫る!!|Web河出
ウラミズモ奴隷選挙』内容紹介とあらすじ、主な登場人物の紹介まで解説。
作品の背景や世界観を押さえているので、これを読めば、初めての人も新刊が楽しめますね。
時はTPP批准、高プロ法成立、水道法の改悪から約半世紀後、舞台は世界企業の植民地となった奴隷国「にっほん」。そこは世界銀行に住む妖怪ひょうすべと、その手下にして政権与党「知と感性の野党労働者同盟(略称・知感野労)」、その党員ジュニアで構成される「NPOひょうげんがすべて(略称・ひょうすべ)」に支配されていた。女性も時にその手下となり、ひょうすべの婦人部である、「野党リベラルフェミニズム、手をつなごう男とだけ(略称・ヤリテ)」に加入して偽のフェミニズムである、イカフェミニズムで同性を苦しめていた。

かつては世界一豊かだった国、しかし愚かにもTPP批准で国家主権を失った。そのジェンダーギャップも114位からさらに底辺へ。性暴力、経済暴力、差別暴力が支配原理となり、男尊化と植民地化はとどまるところを知らぬ。少女は遊郭に送られ、農地は核廃棄物の置き場にされ、痴漢とヘイトスピーチを警察が守り、国民の75パーセントは債務の奴隷。井戸は埋め立てられ水道代は五倍、払えぬ人々は川の水を汲んで逮捕される。女性は幼女妊婦までも滅亡の危機に……。ならば? 死ぬしかないのか?

逃れよう、隣国へ! 方法は二通り。
ひとつは自力での移民や亡命、もうひとつは隣国ウラミズモへの帰属を決定する投票、奴隷選挙である。もしこの奴隷選挙に勝てばその選挙区はにっほんから離脱できる。ただしこれらで救われるのは、実は女人だけ。というのもこのウラミズはまさに女人国で、……。

旧茨城県を領土として、不意に出現した歴史浅き国。ここには危険施設の引き受けを独立条件とした黒歴史がある。しかし今では……。

TPP不参加のゆえに水と食べ物に恵まれ、国家主権は保たれ、老後も医療も無事。子供は外国の精子を買ってシングルマザーかダブルマザー(夫婦ならぬ婦婦)で産む。女性移民も受け入れ、人口は増えていた。むろんユートピアではない。監視カメラだらけの警察国家である…

「新潮45」10月号の記事に笙野頼子の抗議文がnoteに

笙野頼子さんの抗議文が北原みのりさんのnoteで9/20より公開されました。
私たちは抗議する 笙野頼子・北原みのり|Minori Kitahara|note
馬場秀和ブログにもさっそく紹介されています。
『私たちは抗議する 笙野頼子・北原みのり』(note掲載2018年9月20日)
この抗議文は、「新潮45」2018年10月号特別企画「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」小川榮太郎「政治は「生きづらさ」という主観を救えない」の記事を批判したもの(ちなみに『杉田水脈』論文とは同誌8月号杉田水脈「「LGBT」支援の度が過ぎる」です)。
そもそも性だけの問題なのか。尊厳の問題だ。しかも社会との関係性の問題である。人は光を求める。社会的存在である。光の下で、好きな人と暮らしたい。
というかこの痴漢擁護論考、文学についても全体についても論考とも何とも呼べぬ低劣さである。何も言っていない。すべてを貶めて卑怯犯罪や猥褻語で汚し、下劣な一人合点をしているだけだ。全く同感です。
異性愛という性的指向は堂々と公表できるのに、なぜ違うLGBTだけが「性的嗜好」扱いを受け、隠せと言われ、LGBT保証するなら痴漢する権利も保証すべきと、性犯罪扱いされねばならんのでしょう。
この記事全てが同性愛者に対する差別。
杉田水脈「「LGBT」支援の度が過ぎる」では「同性愛の人たちに対して、「非国民だ!」という風潮はありません」とありますが、いま特別企画で差別しているではないですか。
<--追記--!>
9/22日(土)にしんぶん赤旗にもまとめ記事が。笙野さんのコメントが掲載されています。
『新潮45』の杉田氏擁護特集/社内から批判、作家も/「差別を野放しするな」
 作家の笙野(しょうの)頼子さんは小川氏の寄稿について、「被害者の人間性や性の尊厳を、卑怯(ひきょう)犯罪になぞらえておとしめる低劣な暴論。そもそも新潮社は密室か? 刊行物は独り言か? 報道は偏向させているくせに。痴漢だけ自由とは。編集長更迭!」と本紙に語りました。
9/18(火)に「新潮45」10月号が発売されてから、各所で内容が批判され炎上中です。
痴漢とLGBTの権利をなぜ比べるのか。「新潮45」小川榮太郎氏の主張の危険性、専門家が指摘
LGBTは、性的嗜好ではない。「新潮45」小川榮太郎氏の主張はここが間違っている。識者が指…

群像10月号創作合評に「ウラミズモ奴隷選挙」&10/24書籍化

近刊情報サーチによると、10月17日24日に「ウラミズモ奴隷選挙」が書籍化されるようです。
http://comingbook.honzuki.jp/?detail=9784309027364
河出書房新社「ウラミズモ奴隷選挙」ページも。
笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』でAmazonに予約ページができています。


「群像」2018年10月号の創作合評に笙野頼子「ウラミズモ奴隷選挙」が取り上げられています。
http://gunzo.kodansha.co.jp/50516/52373.html
安藤礼二・蜂飼 耳・小澤英実さんらの合評です。
丁寧なあらすじ説明があり、本作の構造が明確になって理解が進みます。安藤 笙野さんは、ある時期から作品の一つずつをフィクションとして自立させてはいません。現実の世界と同様、自身が作り上げたフィクションの世界にも歴史が積み重ねられてゆく。書くもの全てが有機的につながりあい、全体として現実の世界を先取りし、現実の世界を転覆していく想像力の世界を一連の稀有な作品群として書き続けている作家です。p376小澤 この作品の舞台である近未来の世界は、現実社会がデフォルメされていますが、一部の描写はデフォルメではなく、完全にシンクロしていて、過剰でもなんでもない。だからいまはデフォルメと感じるところも、来るべき未来の姿が描かれていると思えて恐ろしかったです。p379蜂飼 作中でTPPが繰り返し批判されていたり、「ウラミズモ奴隷選挙はいきおいを増し、今では関東一円の経済特区がウラミズモの占領下になっていた」という流れがあって、笙野さんの強い想像のフィルターを通して、リアルな社会問題に対抗しようというもくろみが感じられますよね。p380蜂飼 最後に銀鈴が書いた論文はさまざまな形態の暴力を巡ってのことで、これが中心的なモチーフになっていることは間違いないですよね。p382・沼際の石神夫婦。去った夫が戻ってきたら息子キャラなのはなぜか
・ウラミズモに終わりの方で女装男子が出て来るのは多様性か
・にっほんに対抗しているウラミズモの在り方も暴力だと自覚的である
・奴隷選挙とオストラは表裏一体の関係
などなど様々な要素を語られていて、読み応えがありました。

図書新聞【3367号、9月15日号】岡和田晃さんの連載「〈世界内戦〉下の文芸時評」第43回「身体感覚を突き詰めて…

岡和田晃『反ヘイト・反新自由主義の批評精神』に猫キッチン荒神書評

岡和田晃『反ヘイト・反新自由主義の批評精神 いま読まれるべき〈文学〉とは何か』の
「II ネオリベラリズムを超克する思弁的文学」に「文学による「報道」ー笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』」が収録されています。
エピソードの中では、二〇一五年、三重県志摩市が私企業による海女の卑猥な萌えキャラ化を「公認」したことへの言及に着目したい著者は反対署名に参加したことでネット右翼らに「たかられ」た。その経験を通し、文壇の論争で体感した、生きた人間を平面化する類の「二次元評論」が、広く世間に浸透していることを確認する。そして環太平洋連帯協定(TPP)による植民地的な収奪を危惧する著者は、「性暴力と経済収奪、ヘイトスピーチはまったく三位一体」という認識に到達する。収奪する側の人権を無視する論理は大体同じなんですよね。

「時事通信」2017年10月10日配信された書評で、当時は見逃したため、こうやって書籍で参照できると助かります。
版元ドットコムの試し読みでは、本書の目次が見れますよ。
反ヘイト・反新自由主義の批評精神 いま読まれるべき〈文学〉とは何か - 寿郎社 | 版元ドットコム

しんぶん赤旗8/17に笙野頼子&木村紅美対談記事

しんぶん赤旗 8月17日(金)7面文化の話題に木村紅美さんと笙野頼子さんの対談記事「さあ、文学で戦争を止めよう/作家 笙野頼子さん 作家 木村紅美さん」が掲載されています。
しんぶん赤旗|日本共産党
群像で『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』書評を書かれた木村紅美さんと笙野頼子さんの対談です。
その時の事や、新作TPP警告小説「ウラミズモ奴隷選挙」(「文藝」2018年秋季号)、木村紅美『雪子さんの足音』のお話など。
さっそく平林堂書店さんが紹介しておられますね。
しんぶん赤旗2018年8月17日「文化の話題」欄の記事です。
「さあ、文学で戦争を止めよう 作家 #笙野頼子 さん・TPPへの危機感 作家 #木村紅美 さん・沖縄に身を寄せて」#しんぶん赤旗 のお申し込みは、#日本共産党#上小更埴地区委員会(上田市小牧1162-4)0268-22-2631 まで。 pic.twitter.com/rGvDjvBD65— 平林堂書店・上田市 (@ririnndesu) 2018年8月17日「笙野 今後ともかくTPPから脱退しなければ。まず、ごまかしのない、真の政権交代が必要です。選挙の結果はわが身に返ってきます。完全主義で棄権するのではなく、一回一回を大切に、あきらめたらいけない。」
まさにその通りですね。選挙で棄権するのは、白紙委任状を出してるだけで、政権にお任せしてるだけですから。