四谷シモン人形館へ行く
四谷シモン人形館・淡翁荘 に行ってきました。 昭和11年に建てられた鎌田勝太郎氏の洋館を改築してつくられた人形館は、 一階は落ち着いた和室、二階は重厚な洋室となっています。 「目前の愛1」は一階の倉庫の中に展示。後ろには金庫があるのです。 館内では四谷シモンが好きなニーナ・シモンの歌が流れています。 二階に上がる階段には「天使-渋澤達彦に捧ぐ」が置いてあります。 まるで建物の一部のように展示されている人形たち。 テーブルのある上の部屋では、エスプレッソが頂けます。 奥の白い部屋はトイレ。 ここにも人形が待ってます。 クラシックな洋室に不思議となじんでいます。 主の写真に当然のように両脇に立つ人形たち。 笙野頼子の『硝子生命論』にでてきた「死んでいる人形」というのがずっとわからなかったのですが、 シモンの人形をみてやっと実感できました。 生きている人間を模倣しながら、素材から作られた造形作品であることを隠さない人形。 完成品でありながら、欠けた部分をもつ未完成な人形。 まるで標本のように、ガラスケースに収納された人形。 どの人形も死んでいる。けれども、 完成された人形よりもずっと圧倒的な存在感を醸し出しています。 四谷シモンの人形は、写真でみると不気味で実物を見るのが恐かった。 でも実際は写真よりずーっと魅力的でキュートでした。