4/7発売の 「文藝」2016年夏季号 に、笙野頼子「ひょうすべの約束」が掲載されています。2年ぶりに新作発表です。 表紙は名前だけでタイトルはありませんが、目次にありますよ。 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309978864/ この短編は、2012年冬号「ひょうすべの嫁」と2013年春号「ひょうすべの菓子」につづくシリーズ三作目。 これまではウラミズモができる前の「だいにっほん」( だいにっほん三部作の )を舞台にした主人公埴輪詩歌のお話でした。 最新作の「ひょうすべの約束」は、TPPに批准した日本の十数年後を「にっほん」(とウラミズモ)の世界で表現しています。 約束とはTPPに批准(契約した・契約のハンコ押)を指していると思われ。 今回は短編10ページに情報が凝縮されてて、あらすじを書くとネタバレになってしまう。ぜひ直に読んで驚いてほしいです。 馬場秀和さんの感想もアップされています。相変わらず、すばやく簡潔にまとめられていて素晴らしい。 『ひょうすべの約束(「文藝」2016年夏号掲載)』(笙野頼子) 本作でおそらく完結と予想。でも続きあるらしいですよー。楽しみですね! あと「ひょうすべ」短編シリーズて、政権批判を自主規制する社会をテーマにしているのではないかと今ごろ思い至りました。 追記)kingさんもひょうすべシリーズの感想アップされてます。 笙野頼子「ひょうすべの約束」「おばあちゃんのシラバス」その他 - Close to the Wall おかげで「リョナナイト」の意味がやっとわかりました。 本作などの美少女文化批判は、オタク文化に内在する少女への性暴力性を消すことなく、現実世界にそのまま持ち込む点(萌えアニメキャラを役所のポスターにそのまま使ったり、碧志摩メグを観光地のゆるキャラにしたり)を批判していると私は理解しています。