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日本慢性看護学会学術集会で講演

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7月16・17日に一橋大学一橋講堂で行われた第10回日本慢性看護学会集会の特別講演で、笙野頼子さんが「膠原病を生きぬこう-生涯の敵とともに」と題した講演をなされました。 講演の場は、日本慢性看護学会という専門的な学会の10年の節目にあたる学術集会で公式サイトも開設されています。 http://mansei10.umin.jp/index.html 笙野頼子さんが7月16日、日本慢性看護学会学術集会で講演されました。自らの闘病経験に基づく『未闘病記』を中心に、作家として、膠原病患者として話され、講演後はサイン会も開催。先着の方々には愛猫ギドウくんのポストカードも進呈されました。 pic.twitter.com/ZoxPCLE54R — 群像編集部 (@gunzo_henshubu) 2016年7月19日 講談社「群像」twitterによると、そのあとサイン会が開催されてたらしいです。ギドウのポストカード、涼しげでいいですね。そういえば『未闘病記』は表紙だけでなく各章の頭や奥付の裏までギドウの写真のってましたな。

笙野頼子『ひょうすべの国』2016年秋ごろ発売予定、ひょうすべ連作書籍化

twitter文藝アカウントによると、笙野頼子さんの単行本『ひょうすべの国』が2016年11月24日ごろ発売されるそうです。 「文藝」で掲載された下記のひょうすべシリーズなど収録し書籍化される予定。 ・ 「ひょうすべの嫁」2012年冬号 ・ 「ひょうすべの菓子」2013年春号 ・ 「ひょうすべの約束」2016年夏号 ・ 「おばあちゃんのシラバス」2016年秋号 など ・ 「人喰いの国」2016年秋号 追記)アマゾンで予約ページできました。 『ひょうすべの国』 ひょうすべシリーズでは、「だいにっほん三部作」*に登場した木綿助いぶき兄妹の母親・埴輪詩歌が登場。2016年から2060年までの「だいにっほん」時代より一世代前の過去話が明らかに。 戦争法案を施行しTPPに批准した「だいにっほん」になる以前の「にっほん」の社会を描いています。 【ひょうすべ5】笙野頼子「ひょうすべ」シリーズについては、こちらも参照ください……その3、「ひょうすべ」とは何か?……なおシリーズの単行本『ひょうすべの国』は秋ごろの刊行を予定しています。お楽しみに!! — 河出書房新社 文藝 (@Kawade_bungei) 2016年7月9日 *「だいにっほん三部作」とは『 だいにっほん、おんたこめいわく史 』、『 だいにっほん、ろんちくおげれつ記 』、『 だいにっほん、ろりりべしんでけ録 』の三作です。

文藝2016年秋号に短編「おばあちゃんのシラバス」

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7/7発売の 「文藝」2016年秋季号 に笙野頼子さんの短編「おばあちゃんのシラバス」が掲載されています。 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309978864/ 「おばあちゃんのシラバス」は、2012年冬号「ひょうすべの嫁」と2013年春号「ひょうすべの菓子」2016年夏季号「ひょうすべの約束」につづくシリーズ四作目。 前作の「ひょうすべの約束」は、グローバル企業に支配されTPP批准した日本の十数年後を新自由主義社会「にっほん」(とウラミズモ)の世界として描くディストピア小説。その主人公埴輪詩歌がウラミズモに亡命できなかった話でした。今作は彼女とその祖母埴輪豊子の話です。 前作にもちょいちょい出てきた膠原病のおばあちゃん、実は薬で症状を抑えながら大学の非常勤講師として40年働いていたそうです。 主人公は高校三年から1年間、祖母の介護をしながら家庭教師をうける。 6年間教えて修士までの学問を学ぶ本格教育で、最初の一年はその概要を教える形。 それ自体がシラバスみたいなものってことさね、つまり何を習うかを教えるのさ 政治学はお家でミクロ政治学、ていうよりかどうしてこんな時代になったかを自分の体験からせめて理解しようよ。だけど今年はともかくシラバスの一年ですp427 なぜ熱心に教えたかというと、どうして人喰い社会になったか理解できる大人に育てるため。 しかし持病抑える薬の価格がTPPで高騰し薬が買えなくなり、祖母は一年で亡くなってしまう。 豊子が死ぬとその娘で詩歌の母でもある埴輪ひるめは、ずっと冷静だったはずがふいに狂的に泣き喚いた、おばあちゃんを殺したのはお前だと自分の娘の詩歌を責め、殴りかかった。p424 この場面が辛すぎる。火星人遊郭で働かなかったから親が死んだと娘を責めているのですよ。本当はTPPで医療が高額化しまともな治療を受けられなくなったためだし、児童労働を強制する社会そのものがおかしいはず。なのにそれがわからないと子を責める親になってしまう。仮に子を売って祖母を生かしたとしても、今度は母親なのに子を犠牲にした事実に苦しむ事になるのでは。 子か親かどちらかを売らないと生きていけないひょうすべ社会。どちらを選んでも地獄、恐ろしすぎる。ぞーん。 発売日にもう馬場秀和さんの感想がアップされています。内容