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2015年まとめ

2015年の笙野頼子さん情報を振り返り、まとめてみます。 ・2月ついに文庫版『 金毘羅 』『 笙野頼子三冠小説集 』Kindle化。代表作が電子書籍化して嬉しかったですね。 ・4月に講談社文芸文庫『 現代小説クロニクル 1990~1994 』に「タイムスリップ・コンビナート」が収録されました。 本作は下記論文の評価が一番正確だと思います。 島村輝「 鶴見線海芝浦駅縁起:笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」と「五五年体制」 」 「タイムスリップ・コンビナート」という話は 「あらすじ」をいえば主人公が住まいから 「海芝浦」という駅に辿り着くまでの話、そういう意味では非常に単純な話であるが、主人公が通りすぎ、辿りついていく風景に敷きこまれているのは、沖縄をめぐる日本とアメリカとの関係であり、京浜運河の埋め立てに伴うさまざまなエピソードであり、あるいはまた東芝という会社がいつ何をしていたのかという 「歴史」や 「社会」の在り方である。そうした重層的な 「歴史」や 「社会」のあり様が組みこまれているのが、「海芝浦」付近の 「風景」なのだと、この小説は示しているのだ。 そういう意味で、「タイムスリップ・コンビナート」の語り方は「金毘羅」や新シリーズとよく似ていますね。 ・8月6日発売 「すばる」9月号 に崎山多美さんのエッセイ「習合ぎりぎりの境界から、私信ふうに、拝啓、笙野頼子様」が掲載。 ・8月7日発売 「早稲田文学」2015年秋号 の緊急企画「安全保障関連法案とその採決について」アンケートに笙野頼子さんの回答が掲載。 「安全保障関連法案に反対する立教人の会」にもコメントが掲載されていましたね。 ・オンライン署名活動サイトchange.orgの、三重県 志摩市公認萌えキャラクター「碧志摩メグ」の公認撤回を求める署名活動 に笙野頼子さんが賛同コメントを寄せられました。 まさかchange.orgで笙野さんの投稿が読めるとは、本当に驚きましたよ。 その後11月に「碧志摩メグ」の志摩市公認は撤回されました。 ・10月に出版されたドゥルーズ本『 ドゥルーズ 没後20年 新たなる転回 』に笙野頼子「すべての隙間にあり、隙間そのものであり、境界をも晦ます、千の内在」が収録されました。 馬場秀和ブログ にエッセイの解説と感想がアップされています。