東京・中日新聞8/27夕刊「大波小波」に『水晶内制度』

東京・中日新聞2020年8月27日夕刊<大波小波>奇跡の復刊 で、笙野頼子『水晶内制度』が紹介されています。

<大波小波> 奇跡の復刊:中日新聞Web

 原発の受け入れと引き換えに日本国から独立した女人国「ウラミズモ」に移住した作家の物語である。男との性愛がないばかりか、男は家畜のように放牧され、日本国には少女コンテンツを輸出して荒稼ぎする。そんな超過激なディストピア小説だ。原発と日本の男たちのロリコン文化への洞察は、むしろ今読む方が生々しい。その後の日本の劣化ぶりが逆に見えてくる。

 本書の復刊に際して、笙野は三十五頁に及ぶ「作者による解説」を寄せている。新自由主義によって格差と差別が蔓延するようになった日本の状況を振り返りながら、また大塚英志ら「論敵」との論争をたどりながら、本書の再刊を「海の上に燃える炎」のような奇跡と述べている。こんな奇跡の復刊がどんどん続いてほしいものだ。(硝子)

本当に、名作はどんどん復刊してほしい。

記事の冒頭に版元は「自社出版と兼ねて多くの小出版社の本を扱うトランスビューによる直取引代行である」とありますが、 エトセトラブックスは「弊社刊行物はトランスビューのほか、八木書店経由ですべての取次に卸しますので、全国あらゆる書店でお取扱いただけます。」とのこと。
全ての取次で扱っているということは、最寄りの書店で注文できるということですな。

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