図書新聞4/15号文芸時評第26回に猫キッチン荒神

図書新聞2017/4/15号no.3299 岡和田晃〈世界内戦〉下の文芸時評 第26回「文学で憑在論的な戦争は止められるのか?止められる。」に、笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」群像2017年4月号が取り上げられました。
アップするの遅くなってしまってすみません。
笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めようーー猫キッチン荒神」(群像)は、笙野頼子、渾身の一作。昨年の本誌下半期アンケートで挙げた『ひょうすべの国ーー植民人喰い条約』も凄まじかったが、こちらは輪をかけて気魄がこもっている。結論から言えば、この作品が圧倒的なのは「さあ、今こそ文学で戦争を止めよう。この売国内閣の下の植民地化を止めよう」という読み違えのない訴えが実現可能であると説得されてしまうことだ。どうしてか。「知識では買えない文学による危機の実感」と要約しても、伝わらないか。世界に向ける眼差しと、自己の立ち位置を切実に記述する方法が一貫していて、両者の間にズルさが挟まれないのだ。いくらでも安全地帯から言葉を発せられるSNS的な無責任さと対照的なのだ。『ひょうすべの国』はTPPがテーマだったが、予想を覆すトランプ政権の誕生によって、その未来予測が無効化されたとみなす向きもあった。けれども本作では、変化のさなかで本質的に連続しているものは何かという問いにしっかりと応えている。
「未来予測が無効化されたとみなす向き」と同じく、トランプが大統領になったときは無効化されたと思ったものです。
しかし最近トランプもまたTPPの条約をベースに日米貿易しようずとか言って来ていたり。別ルートで着実に「ひょうすべ」的未来世界に展開していきそうな雲行きですよ。



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