「海底八幡宮」の感想記事

「海底八幡宮」の感想が馬場秀和ブログと笙野頼子ばかりどっと読むに掲載されています。
馬場秀和さんは作品のあらすじがコンパクトにまとめられていて分かりやすいです。
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2008-09-16
笙野頼子ばかりどっと読むは作品のペースとなる神話に触れています。
http://d.hatena.ne.jp/Panza/20080908

笙野頼子のおっかけとして気になる点は、
60代に難解な仕事をする予定らしいこと。
千のプラトー―資本主義と分裂症」をひとつずつ小説化していく決心をしていること。
とすると本作は「千のプラトー」シリーズ一作目になるのでしょうか。


一番印象的だったのは、金毘羅さんと亜知海がストレートに「権力とは?」を議論している場面です。
健忘が権力それ自体なのだ。
権力とは個人をゼロにする力
捕獲装置自体を自由に動かすために設定されたからくり。それが権力である。
という亜知海の言葉に目から鱗。
そうか、権力には理屈はないのか…。

代理出産のニュースを追いかけていて、私はずっと疑問でした。
依頼者はなぜ子どもを欲しがるのか?
生殖能力がなければ子どもは産めないという事実をなぜ受け入れられないのか?
本作を読んで納得。きっと理由はないのかもしれません。
代理出産は子どもを自作できない人の欲望をみたす「からくり」、
他人から赤子を「徴税」していく「捕獲装置」といえるのではないでしょうか。



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