赤旗1/7(月)に島本理生&笙野頼子対談記事

あけましておめでとうございます。新年早々ニュースが飛び込んできました!
今年も笙野情報を勝手に流して行きますのでよろしくお付き合いください。

「しんぶん赤旗」2019/1/7(月)1面と7面に笙野頼子さんと島本理生さんの対談が掲載されています。
昨年8/17に木村紅美さんとの対談、それが笙野さんが「文学で戦争を止めるべく、文学者と連帯していく」対談シリーズ「さあ、文学で戦争を止めよう」となって帰ってきました。
今年はなんと直木賞受賞された島本理生さんとの対談です。
ファーストラヴ』の話、新刊『あなたの愛人の名前は』の話、海外と交流したいというお話など。島本ファンにはたまらない対談ですね。
笙野 小さいものがつぶされそうな時、その怒りを個人の内面から描くことはとても大切です。島本さんは昔から一行一行、一人一人をゆるがせにしないで少女の本音を書いてきた。つくられた女性像ではない、現実の人間である女性を書いていると思います。私は小説『ウラミズモ奴隷選挙』の中で、高齢女性のそれを見せようとしたわけですが。

島本 私が描く少女には、その時代、時代にもてはやされる少女性は内容で、地味だ、偽善だと言われることもありました。

笙野 リアルな少女を描くと偽善にされてしまうのは、少女を性的なツール、男が支配できる存在にしておきたいから。島本さんが描く理想の性愛は、女性が大切にされて、恋人が背中をなでてくれたり、「おいしいね」と言いながら一緒にご飯を食べたり、そんな自由で優しい空間の中にあるんですね。

島本 今回の小説でも環菜が受けた性的虐待について、「少女は早熟だから男を誘惑する顔を持っていると思っていた」という男性からの声もありました。こうした根強い幻想に対して、それは違うということを丁寧に書いていかなければならないと思います。

笙野 少女を性的に搾取したあげく、自分の意思でしたことじゃないかと自己責任を負わせるのは、新自由主義そのものです。
ウラミズモ奴隷選挙』の市川房代の疲れっぷりがリアルで格好いいという人を見かけましたよ私。
しかし、女性がリアルに書いたら「偽善」と言われるとかホントありえないですね。
笙野 この対談のシリーズの通しタイトルは「さあ、文学で戦争を止めよう」なんですが、島本さんとは「女性差別を止めて、戦争を止めよう」という話をしたいと思っていました。

島本 そうですね。昨年10月にソウルで開催された東アジア文学フォーラムに参加しました。韓中日三ヵ国から文学者が集って、私は同世代の女性の作家たちと話をしたんですが、韓国では、”女性主義”という「女性は人間だ!」と訴える運動が盛り上がっているそうです。#MeToo運動も盛んです。そういえば野間文芸新人賞授賞式のスピーチで、笙野さんが「人間といったら女性のことだ」とおっしゃったことを鮮烈に覚えています。

笙野 そうです。男性と同じ、まさに人間です。そして女性差別をやめれば、戦争法は廃止できるし、TPPは抜けられる、経済は上向く、沖縄と連帯できる、原発は止まる、と私は信じています。
男女格差の度合いを示すジェンダーギャップ指数は149カ国中、日本は110位ですよ。入試でも賃金でも昇進でも差別されて、政権交代を望んで当然ですよ。しかし、どうかご注意を!野党の側にもしセクハラ、差別発言などする人がいれば、女性は絶望し投票も行きにく。そもそも戦前、女性に参政権を与えなかった差別がどれだけ戦争に関与してきたか。

島本 水道民営化や種子法廃止で、水や食べ物の安全性を国が保障しなくなります。風向きによってはいつ戦争に巻き込まれるかもわからない。そんな国で積極的に子どもを産んで育てようと思えるでしょうか。政府は本当にそれがわからないか、不思議です。
全く同感です。衣食住が不安な国で子育てしようとは思えないですよ。
島本さんは今後は、海外と交流もって作品作りされたいそうです。

さっそく記事を切り抜きされている方がいます。
この対談シリーズ、次回はどなたと対談されるのでしょう。楽しみで仕方ありません。

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