『海底八幡宮』書き下ろしメモ
『海底八幡宮』の書き下ろし「捕獲装置とは何か、─恐怖の理不尽力、その無知の欺瞞と零の捏造」にあった「青山真治」「山田茂」のエピソード。
知らなかったので、ちょっと調べてみました。
山田茂さん
- 『群像』2007年8月号に小説「ある言語からの報告」掲載
- 『群像』2007年9月号の創作合評で「ある言語からの報告」が取りあげられる
評者は笙野頼子・伊藤氏貴・中島たい子 - 『文學界』2009年7月号の新人小説月評で
笙野頼子は連帯を嘲笑し内面の牙城を信奉する日本近代文学至上主義者になる
と書く
青山真治さん
- 『群像』2007年9月号に小説「天国を待ちながら」掲載
- 『群像』2007年10月号の創作合評で「天国を待ちながら」が取りあげられる
評者は笙野頼子・伊藤氏貴・中島たい子 - 『すばる』2009年3月号で短編小説「元競馬場」で創作合評らしき場面を「座談会」として描く
どちらも創作合評が関係している?
青山真治さんの方は『海底八幡宮』につづき『人の道御三神』で検証されるようです。
次の河出から出す「人の道御三神」の書き足しに書く予定さ。実はその事を雑誌掲載時に作中で明言してるよね。
『海底八幡宮』p226
おぼえがなかったので見返してみると、「人の道御三神」後篇「え」映画三姉妹の項にありました。
彼は大物文芸評論家笙野頼子の批判をしているのでした(ならばコメントは刊行時の書き足しで)。
「文藝」2009年夏季号 「人の道御三神」後篇p240下段
ここ判らなかったのです。やっとすっきり。
小説「元競馬場」では「大物文芸批評家」が座談会に登場するのです。
ちなみに主役の名前は「零児」。ゼロかっけー!
一度言ってみたかったんだよね。
書き下ろしに登場したラブリー脱構築こだぬきさんは、
森見登美彦『有頂天家族』の「可愛い敵キャラ」になるといいんじゃないかな!