読売新聞6/25「本のソムリエ」で『未闘病記』紹介

読売新聞2015年6月21日(日)「本のソムリエ」で笙野頼子『未闘病記』が紹介されていました。
読売新聞の書評コーナー・本よみうり堂の「本のソムリエ」は読者のリクエストに応じて本をお薦めしてもらえるコーナーだとか。
行く先を照らして欲しい
気がつくとこの年齢。同世代は子育て後の老化を感じているのに、今から結婚相手を必死で探すか、母や障害のある弟と共に生きていくか。不安な行く先を照らしてくれる本はありますか。(新潟県 女性 47)
いわゆるミドルエイジクライシスとでもいうのでしょうか。不安な将来を指し示す本という難題に中島たい子さんが回答されています。
受難と誠心誠意戦う姿
回答 中島たい子
私も40代半ばで貴女と一度飲みに行きたいぐらい、お気持ちがわかります。最初にお薦めする本『食べて、祈って、恋をして』(武田ランダムハウスジャパン)の著者、エリザベス・ギルバートも私と同い年。彼女も人生に行き詰まり、新しい自分を見つける旅に出ます。読めば、彼女と一緒にイタリアで食べて、インドで祈って、バリで恋をした気分になれます。…が、思いきって何かやったところで人生はそう変わらないということもわかります。
希望が欲しい時は、新しいことをしたり前向きな啓蒙本に手を出したりしがちですが、実はあまり効果はなくて、そんな時はむしろ「厳しい」ものを読むほうが私はいいように思います。そこでソムリエ自身がピンチの時に棚から出す秘蔵っ子を特別に紹介します。笙野頼子『未闘病記』(講談社)は作家である著者自身が、希少な難病を患っていたことを最近になって知ったという事実を綴ったものです。難病とは知らずに不調を抱えていた時も辛かったけれど、知ったら知ったで、また厳しい。けれど病という受難と、誠心誠意闘う彼女の姿に、真の希望を私たちは見ることができます。
マーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした』(紀伊国屋書店)も、現代社会でお金を使わずに暮らせるかという過酷な実験に挑戦した実録です。限られた中で暮らすことの豊かさに気づけば、お金がなくても大丈夫と思えます。行く先を照らすのは、やはり自分なのかもしれません。お互い、自分を信じて生きてみましょう。
行く先を照らすのは、やはり自分。なるほど、助けを借りても進むのは自分の足しかないわけです。
それと『未闘病記』は秘蔵っ子なんですね。そうでしょうとも。読むと生きる気力が湧いてきますから。

おすすめされた本は以下の3冊。
エリザベス・ギルバート『食べて、祈って、恋をして
笙野頼子『未闘病記
マーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした
最後の本はアマゾンレビューも面白い。著者が一年間どうやってお金なしで暮らしたか気になって仕方ない。読んでみよう。

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