『水晶内制度』電子書籍化
笙野頼子『水晶内制度』が電子書籍化。5月17日から配信開始。
原発の「原」の字はもちろん目玉つきのまま。書き下ろしの電子版後書きが収録されています。
第3回Sense of Gender賞大賞受賞作の本作は、だいにっほん三部作や『母の発達、永遠に』、「ひょうすべの菓子」にも出演する女人国家「ウラミズモ」初登場の作品です。
小説を読んで、あれ『水晶内制度』のあそこじゃないの?と思って読み返すものの見つけられない事が度々あったのですが、電子版だと全文検索ですぐ見つけらますね。嬉しい。
kindle版は1,360円、以下のiOS/Android版ストアでは1,428円です。
honto電子書籍ストア
紀伊國屋書店ウェブストア
BookLive!
GALAPAGOS STORE 他
端末の対応状況はShincho LIVE!(新潮ライブ!)の紹介ページにて確認できます。
さっそく馬場秀和さんが感想をツイート。
『水晶内制度(電子書籍版)』(笙野頼子)。「個人に降りかかる「小さい」理不尽の背後にさえ、国家的なおぞましい権力がある。そう感じて私はこの小説を書いた」「世相の全てを幻に映すという行為は読んだ人の数だけ異なる解釈を産む」。女人国ウラミズモ建国神話創造を扱った代表作の一つが電子化。
— 馬場秀和さん (@babahidekazu) 2013年5月17日
『水晶内制度(電子書籍版)』(笙野頼子)。あとがきによると「春に出す電書版後書きを他社のも含め全十冊分・・・」とあるので、本書の他に九冊が近日中に電子書籍化される模様(うち2冊は予告済)。愛読者の皆様は、全十冊のラインナップをあーだこーだ推測してみましょう。
— 馬場秀和さん (@babahidekazu) 2013年5月17日
電子書籍ストアで『金毘羅』と『笙野頼子三冠小説集』が配信予定とありましたから、残り七冊のタイトルは何でしょうね。
やはり『母の発達』『幽界森娘異聞』あたりの文庫じゃないですか?あとリクエストが多かった『極楽・大祭・皇帝』とか。
わたしは『言葉の冒険、脳内の戦い』を電子化してほしいなと思っているのです。
そしてブログに感想をアップ。
馬場秀和ブログ:『水晶内制度(電子書籍版)』(笙野頼子)
ついでに書評をメモ:
「波」2003年8月号の小谷真理さんの書評
慶應義塾大学「藝文研究 No.92(2007.6)」に掲載された浅野麗さんの評
「<女>と<女>の世の中の教義 : 笙野頼子『水晶内制度』における反権力の論理」
あと『水晶内制度』の評といえば、佐藤亜紀さんの『小説のストラテジー』ですね。こちらも
『水晶内制度』を神話から読み解く評論本、海老原暁子『なぜ男は笙野頼子を畏れるのか』、季刊メタポゾン 第7号の岡和田晃「『想像力』の脱政治化に抗して」にも『水晶内制度』が取り上げられています。