『笙野頼子 虚空の戦士』
どっと読むが更新されました。ご無事なようで安心しました。
ほんとどっと安堵した(←ダジャレじゃないから)。
一方私は花粉に悩まされている。
その上月経がはじまり、脳の血液が不足して集中できない。
結果「アマテラスの誕生」を読んでもループばかりして進まない。
あきらめて清水良典『笙野頼子 虚空の戦士』を読む。
2001年までの笙野作品を取りあげた書評集。笙野頼子年譜も収録されている。
装幀が美しい。文章は詩的で端正でわかりやすい。そして的確な読みと分析。もくじは以下。
Ⅰ
聖域を漂う「私」
沸騰する石/疾走する烏賊
Ⅱ
地獄皇帝の逆襲 「極楽」「大祭」「皇帝」1
「地獄」を疾走する巫女 「極楽」「大祭」「皇帝」2
”水”を夢みて「海獣」「冬眠」「夢の死体」「虚空人魚」「呼ぶ植物」
『なにもしていない』
『居場所もなかった』
『硝子生命論』
言語国家と「私」の戦争『レストレス・ドリーム』
『レストレス・ドリーム』
『二百回忌』
『タイムスリップ・コンビナート』
『母の発達』
『太陽の巫女』
『パラダイス・フラッツ』
『東京妖怪浮遊』
『説教師カニバットと百人の危ない美女』
『ドンキホーテの「論争」』
『渋谷色浅川』
Ⅲ
サルたちが聞かぬふりをする「純文学」論争
「純文章」としての笙野頼子
あとがき
笙野頼子年譜
日本語と戦う前衛作家、と明確に書かれている。
陶芸家が粘土の土を探すことから始めるように、
デジタルアーティスト前田ジョンが制作のためにソフトをプログラムすることから始めるように、
出来合いの日本語ソフトを解体し、自分専用日本語ソフトを作り上げたということか。
笙野頼子の文章が力強いのはそのためなのだ。